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ケアレスミス

1 - 口癖と決め台詞

♥

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2025年04月04日

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こんにちはねこもみじです!


今回は初挑戦で猫乾で書かせて頂きます…!✨


この2人大好きなんです💕


・青桃


・猫乾


・エセ関西弁


・御本人様とは関係ありません








ーーーーー







「ねぇーねこみやー?」


「…何、無人」


隣の席からの視線が熱いのを無視しているとガン見してきた張本人がようやく口を開いた。


「暇なんだけどさぁ、面白いことない?」


「俺は無人のせいで暇なんやけどな」


テスト終わりの放課後、誰もが即座に帰宅し疲れきった脳を休ませるはずだが明後日にモデルの撮影会があるらしく早めに課題を終わらせておきたいということで一緒に下校する俺は待機中。


『今日帰らせないから』なんて決め台詞を放ったくせに1人で時々文句を言いながら解かれると暇でしかない。


「暇とかいってる時間があるならはよ問題解けよ」


「えぇー、早く終わらせたいけどさぁ分かんないもん」


「へー珍し、無人にも解けん問題あるんや」


「俺のイメージどうなってんの?」


「俺ケアレスミス多いの知ってるよね?」


「まぁ、知ってるけどさ」


無人のケアレスミスが多すぎるのは知っている。隣同士で採点するから指摘するのは俺だし、何より長年見てきたから。


「…俺が教えてやろうか、はよ終わったら何か食べに行こ」


冗談で言ったつもりだったが疲れきった瞳が輝きはじめ、その言葉を待っていたと言わんばかりに艶のある口の端を上げた。


果たして教えることに対してか、食べ物に関してか…否、どっちもだろうな。


「教えてくれるなら最初から言ってよー!」


バシッと音を立て肩を叩いてくる。


全くスキンシップの激しい奴だな昔から。


「最初からじゃ勉強の意味が無いんよ」


『しゃあなしな』なんて呟きながら椅子を無人の方に近づける。


「どれが分からんの」


「えー、この気持ち悪いくらい複雑な計算式」


「…あ”ー、」


確かに、複雑すぎて解く気が失せてしまうのも共感できる問題だった。


「こう言う時はまず…」


解く順に指をさしつつなるべく砕きながら説明をしてみる。


飲み込みが早い無人は頷きながら俺の解説を真剣に聞いていて、こんな姿が見れるのは俺だけだな、と背徳感を得た。






ーーーー






「ほんほん…分かったかも!」


「『かも』じゃなくて完全に理解した?」


鋭い指摘がいつもの様に入ってくる。


「細かいなぁ、理解したよ」


「わざわざ付き合ってくれてありがとね」


「後は分からんとこないん?」


「ざーっとやってこの問題だけ解けなさそうだったから…後はもう大丈夫なはず」


「そ、ならええわ」


「じゃあ早く食べに行こ!!」


「何がいいかな、疲れたし甘いのがいいよねぇ♪」


「パンケーキ?いやアイスもありだなぁ」


全てから解放された気分になり、足取りが軽くなる。


「この前無人が言ってた駅前のいちごクレープのとこは?」


「あ!!」


「そうじゃんそこがあったかぁ」


あそこのお店サイトで見て美味しそうだったんだよなぁ、考える度に脳が甘いものに支配されていく。


「じゃあクレープにしよ!」


「ええよ、」


「いやぁ、ほんと待っててくれて助かったよ」


鞄を取り出し教科書やらノートやらを詰めながら話を続ける。


「やっぱり猫宮は優しいよな」


「文句言いつつ結局は待ってくれるし教えてくれるしさ」


あ、優しいだけじゃないか。


「でも猫宮、俺の事好きだしな〜」


いつもなら『あっそ、』か口癖の『なんで?』の返しで終わるはずなのに、今日は何だか可笑しい。


口角を上げ魅入ってしまう深く濃い青色の瞳を細めたまま沈黙した。


「…好きやけど?」


「ん?」







ーーーーー





「好きやけど…なんか悪い?」


俺の出来る最大限の悪い顔をして無人を見つめた。


「え、いや…え?」


『でも猫宮、俺の事好きだしな〜』


無人のふとした時に言うその口癖。


そうだ、俺は無人の事が好き。


そこには嘘なんて1ミリも入っていない。


口癖で軽はずみに言ってしまっているのなら、幼馴染の俺がちゃんと指摘して治してあげなくては。


「でも、無人も俺の事好きやしなぁ」


「違う?」


頬を紅潮させ固まったままの無人の頬にそっと触れる。


目線を合わせようとせず手を震えさせながら弱々しく俺の制服を引っ張った。


きっとこれが無人なりの返事なのだろうと解釈する。


そこには言葉なんて一つもなくただ甘酸っぱい雰囲気が漂うのみ。


「…無人、ケアレスミスってな、集中力の欠如によって起こるんやって」


「脳が疲れきってなかったら、急には口に出さんやろ?相手を思わせぶる『好きだからな〜』だなんて」


「勉強だけじゃないんよ」


「…うるさい、」


俺の言いたいことを察したのか瞳を大きく開いてやっとこっちを見つめてきた。


「そんな反発されても意味ないよ」


「無人、ケアレスミスにはご注意を」


最大限の決め台詞を放って颯爽と教室から出ていくと後ろから騒がしい足音が聞こえた。


勿論、振り返るはずも無く気づけば隣には無人が同じペースで歩いている。


俺達には”恋人”なんて関係一つに括れるはずがないと思うから、ちゃんとした返事がなかろうが友情も恋情もお互い分かっているから。


鼓動が早く感じ無人にはバレない程度に息を吐く。


俺はケアレスミスを絶対にしたくないから、無人が俺には輝いて見えて、愛おしくて堪らないこの感情を心にしまい肩を並べ1歩ずつ歩んで行った。























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