この世界には能力者が居て、
それを良きことに使う善良者と、
それを悪いことに使う悪徳者がいる。
これは一人の善良者と、一人の悪徳者の、
ちょっとしたお話…
kn/ん゙〜…仕事だらけで疲れるわぁ…
俺の名前はkn。善良者の仕事をしている。
悪徳者を殺すだけで日給50000円やで??やるやろ。
俺は恵まれた“能力者”。能力は氷結。
氷を自由自在に操れる、というものである。
/《kn!!南方エンゲートシティにて悪徳者の襲撃!!》
/《相手は複数人と思われる!!いけるか!?!?》
kn/りょーかい、今向かいます。
仕事用の服に着替えて家を出る。
悪徳者の気持ちは理解し難いものだが、
善良者の気持ちもよく分からない。
??/…あ、善良者来ちゃった…
kn/お前やな。襲撃の加担者。
??/そんな言うほどでも…捨て駒だし…
??/「海遊譚」。
kn/ッ、「氷結」!
水の能力者か…!!
相性はいい、ラッキー…!!
??/…氷か、。
kn/お前はどういう気持ちで悪徳者になったんや。
??/お前に言う筋合いないじゃん…?
kn/もしも自分の為だけにやるなら、
kn/その責任は背負って生きろよ。
??/………そうやね。
そう言って悪徳者の彼は、
水を纏わせて消えていった。
ただ彼の最後の顔は、
とても苦しそうな笑顔だった。
kn/…彼奴も、なんかあるんかな。
/kn!どうだった!?
kn/1人逃がしました。後は全員捕まえてます。
/そうか、ありがとう!
そう言って捕まえた悪徳者を連れてゆく。
…彼は、何を抱えてるのか。
彼は、何に苦しんでいるのか。
ただ知りたくて、仕方がなかった。
おにわにおちてたちょうちょのしがい。
まだきれいなせいきがのこってて、
そのせいきがおいしそうだったから、
ひろって、せいきをもらった。
せいきをなくしたちょうちょは、ぼろぼろになった。
そこにおかあさんとおとうさんがきた。
ほっぺをぶたれた。
/蝶々を殺して…ッッ!!
/こんな子うちの子じゃないわ…ッッ!!
ut/ちがう、ちがうよ、!
ut/おちてたッ、からぁッ、おいしそうなせいきだったからぁ…っ
ないてないて、うったえかけた。
またぶたれた。いたかった。
それからはひどいものだった。
めしは一しゅうかんに一かい。
小学校高学年になれば、毎日暴力。
中学生にまでいけば、ついに捨てられた。
??/君、こんなところで何してるんだい?
ut/…見てわかんないの?捨てられた。
??/はは、やっぱり。
??/僕のところにおいでよ。君多分、能力者でしょ。
ut/衣食住が揃うなら、なんでもいい。
??/じゃあ、いいね!
pk/俺の名前はpk!よろしくね!
ut/…ut。よろしく。
kn/おはよー、d先生!
ut/knおはよ。今日はなんや?
kn/一限目は国語〜。
ut/うっわ、だるぅ…サボりたいわぁ。
kn/授業は受けろや!!
ut/うるさいねん!!
kn/すまんて〜!
なんやろ…昨日は会ってないのに会った気ぃする…
聞いてみよっかな…、?
kn/なぁ、d先生、昨日会ったか?
ut/…、気のせいやない、?
kn/そっか。
まぁ、そんなこともあるやろ。
その後も色々話していたら、
先生が来て、授業が始まった。
/《kn!昨日逃した悪徳者がまた暴れているとの報告だ!!迎えるか!?》
kn/了解です。
そして現場に向かう。
到着すれば、悲惨な光景が広がる。
半分に切られた人、
脳天を撃ち抜かれた人、
首を切られた人、等々…
そしてその中心には、昨日逃した悪徳者が、
一人の首を持ち上げている。
kn/うぇ…惨い…
??/また来たの…?面倒臭い…
kn/………、ut、?
ut/ぇ゙、もうバレたの…??
ut/もうちょっとちゃんと隠せばよかったかな…
kn/なんで…?
ut/……、knに関係ないでしょ。
kn/いやあるよ、だって((
ut/“相棒だから”、でしょ?
ut/そんなのいいから。今はお互い敵やし…
kn/…自分の好きなようにやって、そうなったんか?
ut/五月蝿い。knが僕の何をどれだけ知ってるの。
kn/知らないよ?全然。
そう、俺はアイツのことを知らない。
全然、何も。
ただ、少し気が合いすぎただけ。
kn/“助けたいから”ってだけで、助けたらあかんのか?
ut/…ッ、うるさいうるさいうるさいッッ!!
kn/…ッぁ!?かはッ、
腹を刺された。やっべ…
これ、死ぬかも知らんな…っ
kn/……っ、(抱
ut/!?離せッ、離してッッ!!
kn/ゃ…っだね、!
kn/離したら、ぜぇ、お前いななるッ、もん…っ
utには死んで欲しくないからな…
ut/……、!でも、knが死ぬんやでッ、!?
kn/ええよ別にぃ゙…っ、utが、生きてるなら…ぁ゙、な、?
ut/……、怖かったの。
ut/ただね、独りぼっちになりたくなかったの。
kn/ぅ゙…ん。
ut/孝行って奴がおったの。
ut/おまえに…っ、すっごい似てんの…っ(泣
utは、そのまま泣きながら、
今までの経緯を話す。
kn/うん゙、。
ut/すきだったの…っ、はじめて、すきになったひと…っ(泣
kn/ぅ゙ん…うん。
ut/生気ほしいって、言えなかった…っ(泣
ut/僕が生気吸ったら、皆ボロボロになっちゃうからぁ…っ(泣
kn/そぉ、っかぁ……っ
ut/……でもね、改心するよ、僕。(泣止
kn/ん゙、?
ut/んしょっ、と。(抜
kn/ぃ゙った…
ヤバっ…出血多くて立てない…っ
そのまま、俺は倒れた。
ut/kn、そのまま動かんでね。(腹触
kn/はひゅッ、わか、ひゅ~ッ、かひゅッ、たぁ、はッ、ひゅぅッ
ut/……ッ「流失:逆流」
kn/……、?
生気が…戻ってくる、?
…ッ、まさか…っ
kn/u、t…っ、ごほッ、かはッ
ut/僕の生気はねッ、?誰の体にも、適応するのッ…
ut/それは体を回復させる効果がある…ッ
ut/げほ…ッ(吐血
kn/ゃ、めぇ…っ、げほげほッ
ut/ねぇッ、嬉し、かったよッ、嬉しかった、の、僕。
ut/隣に居てッ、くれて…、“相棒”って、言ってくれて…っ(泣
ut/ありがとッ、ね…っ
kn/ぁ゙…ッ、ひゅッ、ut゙……ッ
ut/なぁ、に、?(微笑
kn/ゃだ…っ、ゲホゲホッ、ゃ…ッ
ut/……(にこ
眠気に襲われる。
ねぇ、待って、ねぇ、ut。
死なないで。お願い。
ねぇ……
あぁ…もう生きてる心地もしないや…
ごめんね、kn。
もうちょっと、君と過ごしたかった。
でも、僕は無理みたい。
神様に嫌われているから。
ut/…ごめんね、蝶々さん。
蝶/スッ…フワフワッ
もし、あの時の蝶々の、
生気を喰らい尽くしたいと思うのと一緒ぐらい、
生気を分け与えてあげたいと思えたのなら、
神様は、僕を好いていてくれたかな。
僕は、ut。
自分に正直に、やりたいように、
最後まで生き抜いた。
社会のルールに反していたけれど、
この世に一つも悔いはない。
大切な人と歩むことは、
もう出来ないのだけれど。
僕のヒーローアカデミア 第七期:「少女のエゴ」参考。
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