リク消費していきますよ〜!これリク?まぁいいか。今回は中(華)日帝︎︎ ♀、まだえろ無し。
恋人設定、ナチュラル同棲、日帝さん愛され描写あり。
他人の地雷と解釈に配慮してません。
⚠️史実至上主義の方、地雷の方回れ右
・この作品は、戦争賛美・政治的意図等はございません。史実も関係ありません。あくまで二次創作としてお楽しみください。
ガラス越しの柔らかく差し込む日差しに、深い底にいた意識が呼び起こされた中華民国はゆっくりを目を覚ました。
枕元にある時計を確認すれば、8時を指している。
普段であれば6時頃には目が覚めているのだが、今日は休日だと言うこともあって何時もより気が緩んでいたのか、大分遅い目覚めになってしまった。
横に目線を向ければ、隣で寝ていたはずの日帝の姿は無い。
彼女が寝ていたであろう痕跡の残る乱れたシーツに手を伸ばせば、まだほんのりと僅かに温もりが残っている。起きてからそう時間は経って居ないようだ。
まだふわふわと夢の中にいる頭を抱えながら、中華民国もベッドから降りリビングへと続く扉を開けた。
途端にふわりと鼻を掠める挽きたてのコーヒーの良い香り。
ハーブのようなシナモンのような爽やかな匂いが、香ばしい香りの中に混じって漂っているので、フレーバーは恐らくマンデリンコーヒーだろうか。
起き抜けの自分の目を覚ますのに丁度いい。
「おはよう、良く眠っていたな。
あと少しで朝ごはん出来るから座ってていいぞ。」
扉を開ける音で中華民国が起きてきたことに気づいた日帝が、朝食を作っていた手を止めて振り向きながら静かに微笑む。
太陽を彷彿とさせる穏やかなその笑みが、今の中華民国の瞳にはとても眩しく映った。
「…おはよ」
日帝の後ろから腰に手を回して引き寄せてそのまま力強く抱きしめる。
中華民国が頭に頬を擦り寄せれば、それに応えるように日帝も気持ち良さそうに目を閉じて同様に擦り寄せた。
これは、朝起きたらまず初めに行う彼らのルーティンと化していて。
日帝は、何気ない日常の一コマを描いたこの時間が何よりも好きだった。
…ただ1つ気になる点を除いては。
軽いスキンシップをして数秒見つめ合った後、中華民国は額に1つキスを落とすとそのまま離れ食器の準備を始めている。
「…また、キスもしてくれない」
大の大人が付き合ってもう半年も経つというのに。
中華民国は、どんなに良い雰囲気になろうとも夜の営みどころか、キスすらも彼女にすることは一切無かった。
「付き合って半年で、既に同棲もしてるのにキスもしないなんてことあるか!?」
日帝は拳を強く握込むと、力強く机に叩き付けた。
(俺、何聞かされてんの?)
と半眼で話を聞き流しながら、クリームがふんだんに盛られたスタバの新作フラペチーノを中国は一口啜る。
相談したいことがあると、日帝から連絡が来たので指定された場所に来てみたは良いのだが。
彼女から聞かされたそれは、愚痴というか悩み事というか最早身内の惚気話に近いものだった。
こんなことなら、普通のブラックコーヒーにしとけば良かったと惚気とクリームで重くなり始めた胃を労るようにさする。
「私、そんなに女としての魅力無い!?」
「それは無いです。」
「あ、そ、そうか…?」
中国の食い気味な否定に、日帝は自分で聞いといてなんだが少したじろいだ。
彼女に女性としての魅力が無かったら、己はどれだけ穏やかで平凡な日々を送れていたことだろうか。
毎回毎回、水面下で行われている旧国達の日帝争奪戦に巻き込まれている彼はそう思わずにはいれなかった。
昨日だって、中華民国はナチス相手にお互い今にも手を出してしまいそうな程、バッチバチの睨み合いをしてる所を。
これまたこの間、ソ連と普通に本気で殺り合っている所をそれぞれ中国は目撃している。
温厚で争い事は好まない性格だと思っていたが、色恋に関してはかなり好戦的になるらしい。
そして、中国は2回ともその仲裁に入らされた。
何故だ、ただそこを偶然通りがかっただけなのに。なんとも解せぬ。
『身内の後始末は身内が責任持ってやる。』
これは、国連の放った言葉である。
中華民国と日帝が付き合っているということは、2人が付き合い始めたばかりの時に中華民国が、連合&枢軸の前で牽制を兼ねて声高らかに公言したこともあり周知の事実となっている。
その時は、ごく一部(2人くらい)は自分のことのように喜びとても祝福してくれた。
が、残りの大多数はもちろん荒れるに荒れたし、その場は瞬時に殺気が立ち込め怒声と罵声が飛び交う地獄と化した。
中国、露、独、加、豪は国連に急遽呼び出されて、訳も分からぬまま怒り狂ってる彼らの全てを丸投げにされた。
満身創痍になりながらも必死に宥めるが、相手はあの一癖も二癖もある旧国達である。
ついでに自分達の祖先でもある。
冷静に考えなくても自分達の手に負える筈がない。
結局、喧しさに痺れを切らした日帝が日本刀を抜き切っ先を向けながら
「中華民国に手を出したらたたっ切る」
と真顔で脅しをかければ修羅場は一気に収束した。
あまりの呆気ない収束に、現国組は頭に疑問符を浮かべ、スペキャ顔になりながらそれぞれ帰路に着いたのはまだ記憶に新しい。
本当に解せぬ。
「っていうか、今どきキスもして無いとか…子供の恋愛かよ!あいつ意外にヘタレだな」
「中国…それ、中華民国の前で言うなよ…怒られるぞ」
「言いませんよ、キレたら面倒ですもん」
中華民国が聞いていたら、しばき倒されていたであろう悪口を言いながらケラケラと中国が笑う。
「まぁ、冗談はほどほどにして…それほどあいつに大事にされてるってことでしょう?素直に喜んでおけば良いのでは?」
「分かってる、分かってるんだ。」
「とても大事にしてくれてるのは分かっているし、軽いスキンシップも毎日してくれてはいるけれど…」
それでも、もう少し…後ほんの少しだけでもいいから踏み込んだ関係になりたいと願うのは、やはり自分本意なわがままだと思われてしまうだろうか。
身体の関係が全てでは無いと理解はしているけれど。
ここまで頑なに何もされないとなると、彼の恋人であるという自信も徐々に失せてきてしまうし、また女性としての魅力も無いのかと自己嫌悪に陥って、思考が深みにハマりそのままズブズブと沈み込んでしまう。
「あ、そうだ」
肩を落とし深いため息を漏らす彼女を、思案げに見つめていた中国が何かを思い出しらしく自分が持っていた鞄を唐突に漁り始めた。
「日帝さん、良い物ありますよ」
目的の物を見つけ出したらしい彼は、ニッコリと笑いながらそれを机の上に置いた。
そこにあったのは、小さいプラスチックのボトルに入った透明な液体。
「…なんだこれは?」
「媚薬です。」
「媚薬…?」
「前、開発したのがそのまま鞄に入れっぱなしだったの思い出したんですよ。
これ、予備で俺使わないので貴女に差し上げます。」
「お前…いや、なんでもない。」
一体誰に使うつもりなんだとか、そもそもなんでこんな物を持ち歩いているんだとか言いたい事は山程あるが…とりあえず、日本に中国には気をつけろと後でメッセージだけでも送っておこうと思う。
出る杭は事前に打っておかなければならない。
大切な家族の為にも。
「使うか使わないかは貴女の判断にお任せしますし、別に絶対に使えって訳でもありませんから。
要らなければ捨てて貰っても構いませんし。
最後の手段として、持ってても損は無いと思いますけど。」
日帝は、中国の言葉に机の上にこぢんまりと鎮座しているプラスチックボトルに目を向けると手に取った。
──最後の手段として持っていても損は無い。
中国の台詞が頭の中で木霊する。
確かにそうだ。
これは、ただ持っているだけだ。別に使うつもりは無いと、内心で自分に言い聞かせながら鞄にそっとしまい込んだ。
「日帝」
鞄の奥底にそれをしまった直後。
何時もなら、日帝はある程度の範囲内なら人の気配に気づけるのだが。
今回は、媚薬に意識が向きすぎて周りに気が配れていなかったようだ。
聞き慣れた愛しい恋人の、けれどここに居るはずの無い声に名前を呼ばれ、日帝は心臓が口から飛び出るのでは無いかと言うほど驚いた。
目を丸くして慌てて後ろを振り返れば、手を伸ばしたら届きそうな程の距離に、ポケットに両手を入れた中華民国が立っている。
「ち、中華民国!?帰り、夕方頃になるって言ってなかったか?
予定もう終わったのか?」
「うん、予想より早く終わったから。
君を迎えに来たんだ。」
「こんな寒い中、わざわざ来なくても…。
最寄り駅でもないし、ましてや帰り道でも無いぞ?ここ」
日帝達が今いる所は、中華民国がいた場所とは真反対に位置している。
その上、自宅にそのまま帰ればする必要のない乗り換えまでも生じてくる場所だった。
肌を刺すような冷たい寒空の下、遠回りしてまで迎えに来てもらうのはしのびない。
現に今、近寄って手に取った彼の手のひらはとても冷えてしまっていて、こちらまで寒さに身震いしてしまいそうになるほどだった。
眉根を下げてそう告げる彼女に、中華民国は恥ずかしさを隠すようにクビに巻いたマフラーを少し引き上げ、くぐもった声でそして小さく笑いながら呟いた。
「僕が、来たくて勝手に来ただけだから…君に早く会いたかったんだ。」
「日帝と少しでも長く一緒に時間を共有したかった。」
あぁ…自分は案外単純明快で扱いやすい性格をしているのかもしれないと、日帝は身にしみて感じていた。
だって、今の言葉だけで先程まで自分の心に影を落としていた不安が、嘘のように払拭されて綺麗さっぱり無くなってしまったのだから。
それに、中華民国は普段から落ち着いていて、余裕があって、それでいて優しい笑みを常に向けてくれるけれど。
照れ笑いを浮かべる姿は見たことがなかった。
中華民国の言葉と新たな一面が見れただけで、今日はもう日帝の全てが満たされてしまった。
「私も会えて嬉しい…おかえり」
そう言えば、途端に綻びた笑顔になってただいまと返す中華民国に、日帝は好きという彼への気持ちを改めて実感させられた。
薬に頼るなんて、そんなこと無ければそれに越したことはないと思っていたけれど。
当分は、媚薬に頼らなくても何とかなりそうだとほっと息をついた。
早く家に帰って、2人の時間を思う存分噛み締めたい。
そう思った日帝は、残っていた飲み物を飲み干し早々に身支度を済ませると中華民国の手を引きながらお店を後にした。
中国は、気づいた時にはいつの間にかいなくなっていた。
こちらに気を遣ってくれたのだろうか、それとも2人だけの世界を作り始めた自分達に嫌気が差したのだろうか。
どちらにせよ彼には申し無いことをしてしまったなと思う。
今度きちんと謝罪とお礼をしなければ…。
それにしても…。
(あれ、そう言えば私中華民国に自分の居場所伝えた覚え無いんだけど…。
何故ここにいるって分かったんだ?)
「中国…あの媚薬不良品じゃないのか!?」
『…商品のクレーム・返品・返金は受け付けておりません。』
日帝が中国に媚薬を渡されてから、はや半月が過ぎようとしている。
相変わらず中華民国と日帝の関係に進展はなく、流石に業を煮やした彼女は今朝のコーヒーに中国から貰った媚薬を混ぜて中華民国に提供した。
彼に一服盛るという行為に、やはり後ろめたさを感じずにはいられず、何度もこれで良いのかと葛藤していたが最終的に入れる選択をしてしまった。
飲ませた後からは、そわそわと落ち着きのない時間を過ごすことを日帝は強要されている。
まぁ、強要というかそれに関しては自分の自業自得なので、甘んじて居心地の悪さを受け入れているのだが。
「飲ませてから、何時間も経ったのに中華民国全然平気そうなんだけど!?
あれ、即効性じゃなくて遅効性なのか!?」
『え〜?即効性の筈なんですけどねぇ?
俺としたことが失敗しちゃいましたかね?』
「失敗しちゃいましたかねってお前な…はぁ」
特に悪びれた様子も無く、平然と言ってのける中国に日帝は呆れた声を出した。
中華民国は、飲んでから何時間経っても全然平気そうにしている上に、ましてやお昼を過ぎた頃になると久しぶりに外に遊び行こうと言い始める始末。
初めは当然のらりくらりと何かと理由を付けて外出は避けてはいたが…。
頑なに外出を拒むような態度を取る日帝に、等々中華民国は
「何か出かけたくない理由でもあるの?」
と、不審なものを見る目をしながら聞いて来た。
これ以上彼の誘いを拒みでもしたら、詰問タイムが始まってしまうと悟った日帝は渋々出かける準備を済ませ外に出る。
なんの感情も感じ取れない表情で、淡々と話す中華民国の詰問タイムは恐怖以外のなにものでもない。
それに彼は、会話の中にある矛盾点を正確に突きながら、冷静にこちらの思惑を引き出させて来る詰め方をするタイプだ。
もしそうなった場合、まず彼女は媚薬を盛ったことを隠し通す自信が無い。
分が悪いのは、日帝の方なのでここは大人しく従う他無かった。
まぁ、日帝にとって初めは本意でない外出になってしまったし、お互い特に何か目的がある訳では無いけれど。
それでも、好きな人と過ごす時間はとても心地が良いもので。
一通りブラブラと散策を楽しんだ後に、一旦休憩の為適当に目に付いたカフェの扉を開ける。
席に案内されて注文も終わり完全に腰を落ち着かせたところで、日帝は中華民国に一声かけて外に出た。
今普通に過ごしているので、体調に何も変化はないと思ってはいるけれど。
それでも、飲ませてしまったという負い目がある。
日帝は、中国に確認を取るために電話をかけた。そして、冒頭の会話に戻るのである。
「朝からドキドキしながら過ごしてたのに!」
『まぁまぁ、失敗は成功の元って言いますし。また、今度新しいの差し上げますから。』
『それに、今デート中なんでしょう?
中華民国が、ヤキモチ妬き始める前に戻った方が貴女の身のためですよ?』
「デート…まぁ、世間的に言えばそうだけど…他の人に言われるとなんか恥ずかしいな…。」
『あ、もう惚気話聞きたくないので。
俺はここで失礼します、それでは。』
唐突にブチッという機械を切断した時に流れる特有の音。
その後に聴こえるプッープッーというこれまた無機質な機械音をBGMに、中国の最後の言葉に日帝は小首を傾げた。
「惚気話…?私そんな話した覚え無いが…?」
『〜〜〜!!』
ワイヤレスイヤホンから流れる日帝の声を、中華民国は頬杖をついて待ち行く人の流れをガラス越しに眺めながら静かに聴いていた。
『飲ませてから、何時間も経ったのに中華民国全然平気そうなんだけど!?
あれ、即効性じゃなくて遅効性なのか!?』
「………。」
「あーあ…選択肢に入れるだけで、実行に移さなければ多目に見てあげようかなと思っていたのに…」
彼はジャケットの内ポケットに無造作に手を入れ、中国が持っていた物と同じプラスチックボトルを取り出すと蓋を開ける。
「本当に悪い子だなぁ…」
中華民国はそうぼやきながら、向かい側にある日帝の注文した紅茶の中に躊躇することなくその液体を全て入れた。
次回は、えろしかないです。ちゃんと書きますよ。
一気に書いたら私が飽きてどんどん適当になるので、えろとパート分けますね。
ほなまた*˙︶˙*)ノ”
以下おまけ
イチャイチャ見せつけられてる時の中国はというと。
「なんっで惚気話聞かされた挙句、バカップルのイチャイチャ見せつけられなきゃならねぇんだよおかしいだろ。」
「まじふざけんな、リア充爆発しろ。」
どうやら後者だったみたいだ。
人目を気にせずバカップルぶりを披露する2人を放置して、彼はクソ甘いフラペチーノを寒い中飲みながらそのまま帰宅した。
コメント
18件
え、何!?俺だけ真っ白なんだけど、なんで!?
う〜ん✨💕 これは中華民国さんにハマりますわね🥰🥰 最後のあの一コマがかっこよすぎますわ((* ˘꒳˘))゛ そして日帝さんの恋愛事情を聞かされる中さん… 何故か媚薬を常備していた中さん… 好きですね✨✨😎
最高すぎます😇😇😇😇 中国サンも絡むとは(いい意味で)ビビりました🫢💗 次回のド健全(エッティ)のお話、日々の楽しみに待っております😇🫶💗