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「どうして私を見捨てたりしたの?」
「私のこと、キライだった?」
少なくとも私はお前のことが嫌いかもな、と声を出す前に目が醒めてしまった。さっきまで見ていたはずなのに砂糖菓子のように消えていく夢の内容を必死に、忘れないように日記に書きながら徐々に身体を起こしていく。
どくどくとうるさいぐらい早く脈打つ心臓と、それに反比例してまるで氷のように冷たい身体に嫌気が指しながらもどんどん意識が覚醒していく、最近はほぼほぼ、目覚めてからのルーティンの様になっている、こんなモーニングルーティンなんてさっさと辞めてしまいたいが辞めてしまったら今度こそあの夢の続きが見れなくなる、どんどん酷くなるが私はこの夢の結末を見届けなければいけない。
それがこの私、夢羊の【ネムラム】の仕事だから。
さっきまとめた夢の内容を見返しながら情報を整理していく、相変わらず支離滅裂で重要性のない夢に順序を見出しそれをレポートとしてだすなんて、気が狂いそうだ。
「やぁネムラム、随分と苛立っているじゃないかい」
ひょこっと鳥籠の中から出てくる人影を見た、こいつの名前は…あぁ思い出した、同僚の【ネズ】だ、私は彼のことがハッキリ言って嫌いだそして特に関係が深いというわけでもない彼が何故ここにいるのかはよくわからない、だが今の私にはそれを指摘するほどの元気は生憎無かった
「…分かってるんだったら話しかけないでよ、こっちはお前と違って業務中だ」
そんな言葉も無視して彼は柏槇の近くにあった石臼の中に手を押し付けて遊んでいた、こう言う急に突拍子もないことをやりだすところが嫌いなのだ。
そんな彼を横目に私は夢の内容をもっと深く探るためもう一発睡眠をすることにした。