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宿儺との戦いが繰り広げられる一角。瓦礫と煙が舞う中、突然、乙骨憂太の周囲に異様な空気が広がり始めた。空が不自然に歪み、乙骨の目の前に浮かぶのは、まるで祝儀袋の装飾のようなあわじ結びが空間を取り囲む光景。その瞬間、空気が一変した。
乙骨:「領域展開…『真贋相愛』」
突如として、周囲の景色が一変する。荒廃した地面に無数の刀が刺さっている。切断された鋼鉄が無造作に散らばり、その中に乙骨がコピーしてきた術式を内包する刀が無数に立っている。その刃には呪力を持つ複数の術式が封じ込められているのだ。
宿儺:「領域を展開してきたか…、面白い。だが、この俺に通用するか?」
乙骨の領域内で展開されたのは、模倣という生得術式を駆使した、非常に複雑で高度な戦闘空間だ。この領域では、乙骨がコピーした術式を無限にストックし、任意で選び出して使用することができる。ただし、道具のように使われる刀がその中に埋め込まれており、その一刀につき一度きりの使用に限られるという、危険かつ戦略的なデメリットが存在する。
乙骨は周囲の無数の刀を手に取りながら、その一つ一つの内に込められた術式を確認していく。だが、刀にどの術式が内包されているかは乙骨にも分からない。試しにいくつかの刀を手に取り、その刃を使って術式を発動させていく。
乙骨:「これだ…!」
乙骨が手にした刀から発動したのは、式神の軌道を曲げる術式。その刀を使って、乙骨は宿儺を無効化し、反撃を繰り出す。
宿儺:「なるほど…面白い術式だが、ここからが本番だ。」
宿儺はその場を蹴り、乙骨の攻撃範囲外に一瞬で跳躍する。だが、乙骨はそれをも計算に入れていた。再び刀を手にし、その一刀で空間を変化させる術式を発動する。乙骨の領域内では、空間の変動を操る術式が発動し、宿儺を捉えた。
乙骨:「僕にリカを使えることを忘れるな。リカちゃんは僕の手のひらの中なんだッ。」
リカは乙骨と深く結びついており、乙骨の領域内でも自由に動き回ることができる。リカは宿儺に一撃を加えようとした瞬間、乙骨が彼女を制止する。
乙骨:「待て、リカ。宿儺を本気で倒すためには、さらに計算された攻撃が必要だ。」
宿儺は冷徹にその言葉を聞きながら、反撃を開始する。宿儺の力は強大で、乙骨の術式が一度切りの制限を受けているため、戦闘の主導権を握りにくい。しかし、乙骨は戦いながら冷静に判断を下す。
乙骨:「無下限呪術や、六眼の呪術は使えない。それでも…」
乙骨は一歩一歩、状況を有利に進めていく。戦術は相手の予測を超え、さらに宿儺を追い詰める。
その時、乙骨に宿儺の隙間が見える。逃すわけにはいかない。乙骨は即座にその隙間を突き、選んだ刀から予知の術式を発動させる。刀が不意に光り、宿儺が次に動く先を予知することができた。
乙骨:「来い、宿儺。D戦杖ッ!」
その瞬間、乙骨は予測された動きに従い、刀を一閃。宿儺がその攻撃を受ける直前、乙骨が設定した必中術式が発動し、すべての攻撃が宿儺を貫いた。
宿儺:「っ…!」
宿儺は驚きの表情を浮かべながら、乙骨に対して無念の表情を見せる。しかし、完全には倒されていない。宿儺はその場で怒りを爆発させ、再び乙骨に対して猛攻を仕掛ける。