⚠︎この物語はフィクションです。登場人物、団体、名称は架空です。
「ねぇ、私と遊ばない?」そんな健気な言葉を今でも思い出す。
「あーあ」いつものため息を吐いたあと、私は足を引きずりながら学校へ向かう。「はーい、出席とるぞ。」担任の吉田が気力をなくしたかのような声で出席を取り始めた。「浅井ー、泉ー、…」「山本。」私の苗字が呼ばれた。「…はい…」「あ?なんだもう少しでけぇ声で返事しろ」「…」吉田の怒鳴り声と同時に、クラスのやつらの笑い声が聞こえる。耳障りだ。それから正直、学校などどうでもいい。勉強したって将来役に立つのはほんの一部の社会適合者だけだ。そんなことを考えながら三限までぼーっとしていた。「山本!!」急に苗字を呼ばれたから、なんだという目で世界史担当の佐藤を見た。「なんだ!!その目は!!授業に参加しろ!!このバカもんが!!」「すみません」そう私が応えると呆れたように舌を打ち、黒板の前に立った。(キチガイかよ)そんなことを思っていると、「あっごめんwww」と嘲笑いしながら田口が私の教科書を落とした。まぁ当たり前のことだが田口は拾いもしない。(人間性疑うわ。あ、人のこと言えないか。)そう私は心の中で答えた。そしてやっと学校が終わった。今日は金曜日だからと私は早足で家へ向かった。「ふぅ」と息を吐きながら玄関のドアを開け、靴を脱ぎ捨てる。家には誰も居ない。父親がいた頃は母が「おかえり」と笑顔で迎えてくれた。だが、今は離婚したため誰も迎えてくれはしない。雑談アプリで愚痴を書いてしばらくすると母が帰ってた。母がリビングに入る、そこには一緒に彼氏がいた。「その人誰」私はわかりきったように尋ねる。「静かにして」返事はいつも通りだ。そう言いながら2人は階段を上がって、上の部屋に行った。「クソババア」私は呟いた。ただスマホを触っているだけで4時間は時が流れただろう。お腹が空いた。案の定母は料理を作ってくれないため、私は近くのコンビニへと向かうことにした。もう外は暗い。早く帰ろという思いで向かっていると。