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いや何か本当に…、文章力がありすぎてるし…表現が上手い…尊敬します
これまで投稿不定期を極めてたんですが、この度から月1投稿を心がけようかと考えてます! また、ネタにできそうなイベントがあったさいなどは臨時でかくかもしれません~ 不束者ですがこれからもどうか可愛いうちの♀太中を見てってください♥
⚠
♀太中付き合って…ル!!
かっこいい太宰はいません(攻)
かっこいい中原はいます(受)
背後注意。色々許せる方お先にお進み下さい。
♡
♥
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バレンタインデー。
性別問わずチョコレェトを渡し合い、仲を深める。
男女であれば、それは一層盛り上がり、人によれば一生の思い出にもなり得る日。
なんて、現実はチョコレェトのようにそんなに甘いものでは無い。
男は、見栄の張り合いの戦争。女は如何に低予算で相手に恩を売れるかの冷戦。
だが、そんな戦いに目をくれず、同日他の戦いに勤しむ奴らもいた。
女同士の禁断の恋愛。なんて華々しい一言で語るには余りに馬鹿らしく、かと言って彼女らの間には言葉で表現し得ない耽美な雰囲気を醸し出す女たちの
これは、そんな醜い、それでいて甘美な戦争を描いた物語である。
2月11日。
珍しく暖かい気候に恵まれた日。絶好の自殺日和だ。
そんなことをつらゞと考え乍、頬ずえをついて机を睨む。
例年どうり教室はバレンタインデーの話で持ちきりだ。薄ら寒い笑みを浮かべた女と、緊張した様子の男。
盛り上がりは例年と同じか、それ以上に賑わっている。
強い陽射しを遮るカーテンから漏れる陽気な光が彼らを照らした。
どうでもいいなぁ。そんなことより私にはやるべきことがあった。
「おはよう中也!今日も今日とて小さいね!」
「おはよう。朝から減らず口だな太宰、 」
「なんか余裕あってムカつく~、中也のくせに。」
そういや、今年のチョコレェトはどうするの?」
「ん~、特に気になるヤツもいねェし今年もクラス全員分の友チョコ作って渡すかな、」
「ふぅ~ん」
「どうしたんだよあからさまに不機嫌な面してよ、不満か?(笑)」
「なんでもないよばかちゅうや。」
「それより今日古文の小テストじゃね?」
「そ~じゃん!!?面倒臭いなぁ、まあ、私にかかれば御茶の子さいさいだけれど。」
他愛のない会話。
いつも通りを装ってバレンタインデーの話を持ち出すもどうやら私の可愛い犬(自称)は去年の二の舞をする気らしい。
何を隠そう、彼女は去年友チョコと言ってクラス全員分のチョコレェトを作って寄こしたのだが、
素直に喜ばれるだけならまだ好いが、勘違いした男どもに言い寄られて、虱潰しをする羽目になった。
今年はそんなの勘弁である。
それに加えて、去年は私までほかのモブ共と同じものを渡された。
今年こそは!特別扱いを!させて!やる!
勿論これは飼い主としての犬の躾であって…
断じて私が彼女が好きだからとか…他の奴らと同じ扱いなのが不満で嫉妬するとか…そういう訳では…ない……うん。顔が真っ赤だって?煩いな気の所為だよ
まぁそれはいいとして…、今回の作戦を考える。
目的は中也に特別なチョコレェトを貰うこと。
その為に手段は選ばない
例年の中也の傾向だとチョコレェトを準備しだすのは13日から、
つまり作戦が実行できる期間は今日と明日だけ。限られた時間でどうにかして目的を達成する!
「で、君たちに意見を求めたい。」
ゲンドウポーズをキメながら駅前のスタバで
私の可愛い1学年下の後輩、敦くんと芥川くんに意見を求める。
「それ普通に中也さんにチョコレェト欲しいって、言えば良くないですか?」
「僕も同じ意見です」
「チッチッチッ!
ちがぁう…分かってないな君たち。直接中也に云って御覧よ。めちゃ莫迦にしてコケにして死ぬまで弄ってくるに決まってるでしょう!?」
「信用無さすぎだと思いますが」
「太宰さんがいっつもやってる事ですね。」
「ってか、これいつもの痴話話だよな芥川…さっさと奢ってもらったぶん食べて帰ろうよ(小声)」
「珍しく同感だ人虎。(小声」
「ほらそこォー!!!?私語は厳禁!!」
「はいゞ
で、どんな感じで伝えたいんですか?」
「さっきも話した通り直接はいえないから、遠回しに伝えられるようにしたいのだよね」
「成程、それなら良い方法がありますよ太宰さん」
「なぁにそれ?君の意見にはあまり期待していないけど一応聴いとくね」
ごにょごにょ
「!?それいいじゃない芥川くん!見直したよ!」
「有難う御座います太宰さん!ご武運を願っております!(褒められて嬉しい)」
「有難う芥川くん!あ、財布忘れてきたから払ってて芥川くん!」
「了解です太宰さん!(褒められて嬉しい)」
「…奢るとは…????????」
2月13日。
一昨日に比べると少し肌寒い。私は極度の冷え性なのでもう正直死にそうである。
昨日芥川くん達と話し合った最高の作戦の実行日という訳だ。
と言っても仕込みは昨日から済ませておいた。
この作戦はこう。まず初めに中也を慕っている奴らを全員中也の写真で買収。餌を撒いて、中也が私にチョコを作りたくなるように仕向ける……完璧の作戦
と言ってもあの女がなんと言ったら私にチョコを作りたくなるのかは知らないから本人らに適当にやって貰う!
ただちょっと不確定要素が多くて怖いからこの死角の壁から見ておく事にする…
おっと、買収したやつが動き出した
『中原パイセン!太宰パイセンが中原パイセンから特製チョコが欲しいって言ってました!!!!』
いやいやいやぉおおおおい!???そんな直球ってことある??マ?
んでなんで彼奴は親指立てて逃げ出したの??はぁあ???
「ふぅ~ん。
でもやっぱ、当人の口から聞きたいよな。
なァ? 太宰 。」
「…何故バレたし」
「隠れてんのバレバレ過ぎんだよ。手前のそのクッソ長ぇ髪の毛で一発で分かんだわ」
「で?欲しいんだろ?なんて言えばいいんだ?
お前の口で言ってくれないと今年はお前の分はなしかもな~~」
はぁぁ…屈辱すぎるあっちが犬のくせになんでこうなったの……芥川くんめ…()でも言わないと、
「ちゅ、中也のつくったチョコレェトが欲しい……れふ」
「了~解。 楽しみに待ってろよ」
当日
昨日の言葉の真偽は分からないし、私のことを弄ぶ気なのかもしれない。最悪他の人にばらしてる可能性もあるしな、
…てか、まだ渡されてないの可笑しくない??もう下校中だよ?????帰ってるよ??中也どっか行ってるし…はー。もう一遍川に飛び込んでくるk
「おい太宰ィ」
後ろから声がする。
「お望みのブツはこれだろ」
妙に圧のある口調とは似つかわしく私に後ろから抱きつき手を前に出してチョコの入った袋を見せる。
「嬉しいか太宰」
顔は見えないが背中からじんじんと熱を感じる。
「ええ、とっても。でも他の奴にはこんなことしていないのだよね。」
私たちきっと同じきもちでしょ。
「私は好きでもないような奴にこんなことするような奴じゃないのは誰より知ってるんじゃないか?」
「どうだか。証明してよ」
「ハ?そりゃまたどうやって」
「………」
「黙ってちゃわかんねぇんだけど?」
「…口移しとか」
「なんだよソレ 笑 思春期のドーテーかよ」
「うっさいなもぉ」
中也が袋から1つチョコを取り出して口に含んで口移しする。垂れた銀の糸が余りに妖艶に映る。
「甘すぎないミルクチョコ。私の好みよく分かってるじゃぁないの。」
「…なにだよじりじりと迫ってきて」
「いや、君にチョコ貰えて凄く嬉しいからさ。
「のお返しは家でたっぷり、朝まで 。 ね。」