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122 - 第二章、14話 女神さまからのお願い

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2023年12月04日

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祠に女神像を安置すると、俺はシロと並んで祈りを捧げた。


シロは隣りで舌だしてハッハッいってるだけだけどな。


すると周りは白い靄に包まれ、例によって天界へと招かれた。


眩い光を伴って女神さまが顕現される。


光が収まると目の前には女神さまが…………。


――ぐはっ!


いやいやいや、あやうく粗相をするところだった。


(ご褒美なのか? まだ何もしていないけど)


なんと女神さまが神像 (フィギュア) と同じ姿で立っておられるのだ。


かのベ○ダンディーが着ていた ”女神服” をユカリーナ様が身に着けていらっしゃるのだよ。


おおおっ、なんという神々しさだ。


素晴らしい! 素晴らしすぎて涙でてきた。


”バニーVer.” にしなくて良かった。いや本当に。


――他の神から天誅が下っていたかもしれない。


「女神さまお久ぶりです。こちらでお会いするのは初めてですね」


「……ごめんなさい。こちらの都合で勝手に転移させてしまいました」


「と言うことは、やはり女神さまでしたか。ビックリしましたよ突然だったので」


「まずは私の話をお聞きください。理由は申せませんが、こちらの世界には現在管理神が居りません。それで少し前より ”サーメクス” と ”アース” 両方の管理を私が兼任するかたちになっています。そして今回、”アース (地球) ” においては不測の事態が起きているのです」


「んん、それはここのところの地震となんら関係があるのですか?」


「はい、大いに関係がございます。ここ最近の地核変動は ”複数のダンジョンの起動” によるものなのです。このダンジョン自体はもともとアース (地球) に備わっていた機能の一つといえるもので、その星の環境を整える為に生み出された存在。それが『ダンジョン』なのです」


「それでは向こう (サーメクス) のように、ダンジョンができるのですか?」


「はい、できると言いますか……、今回は眠っていたダンジョンが再稼働しはじめたのです」


「これからは世界規模で起こるということでしょうか?」


「この現象は今のところこちら (日本) だけのようですね。海により隔てられているため、大陸までは波及しなかったようです。ですがアース (地球) 全体の魔素濃度がかなり低くなっているようですので、いずれか他の地域でも同じようにダンジョンの覚醒が進んでいくことでしょう」


「それで俺とシロはこちらに呼ばれたわけですが、何かお手伝いをすることがあるのでしょうか? できる限り協力いたしますが……」


「そう言っていただけると助かります。本来であればこちらの者たちで対応すべきところなのですが、引き継いだばかりで伝手もコネもなくて……」


なるほど、代わりばなでこちらには何の伝手 (聖女) もなければコネ (教会) もないということか。


あちら (サーメクス) ならユカリーナ様の教会があったりするからなぁ。


神意を伝えたりすることも可能なわけだ。


「わかりました。詳細をお聞かせください」


「今の現状を申しますと…………カクカク・シカジカ・コレコレ…………なのです」


「簡単にいいますと、ここアース (地球) で生活を営む ”人類” と ”ダンジョン” との橋渡し役をお願いしたいのです。このまま覚醒が進みますと大混乱が予想されます。ですから、スムーズな共存がなりますようご協力いただきたいのです」


「話はわかりました。少し考えてみますね。それで猶予は、あとどれ位あるのですか? それと向こう (サーメクス) から助っ人 (協力者) を連れてくることは可能ですか?」


「1基目のダンジョンの覚醒が、こちらで言うところの58日後です。2基目、3基目はほぼ同時で118日後ですね。協力者に関しては混乱を招かない程度でお願いします。まぁ10人程度であれば問題もあまり起こらないでしょう。そして【トラベル!】についてですが、サーメクスからはいつでも転移が可能です。しかしこちら (地球) からになりますと、魔素濃度の関係で特定の日以外は難しくなっております。具体的にいいますと『満月の夜』が目安です。月齢でいきますと14日~16日の夜にあたります。この時分にシロさんを介して【トラベル!】を行ってください」


「満月の夜……了解です。どうしたものかと困っていたのです。また覚醒が近くなったら相談にきますね」


「くれぐれもよろしくお願いいたします。それで今回の報酬なのですが、事がなった暁には何かご褒美を考えておきますね!」


女神さまは微笑みながら帰っていかれた。






「………………でへっ!」


ご褒美って……、もう頂いてますがな~。


”女神様コスチューム” めっちゃ良かった! あれは反則だよな。


あれでお願いされては断れるわけがないよなぁ。


――はぁぁぁ。


さて、とりあえず戻りますか。


「シロ、一旦戻るぞ」


隣のシロに声をかけ、俺たちは神社に帰ってきた。


引き戸を開け、


「ただいまー!」


靴を脱ぎ家にあがる。すると、


ドタドタドタドタドタドタッ!!


茂さんが血相を変えて家の奥より飛びだしてきた。


両手をそえるようにして、昨日渡した女神像 (白ビキニ&パレオVer.) が握られている。


「すっ、すごっ、凄いんだ。光ったんだよコレが。そしたらふわっとして……」


「まあまあ話は伺いますから、とりあえずは中に入りましょう」


何がどうしたのか要領を得ないので、慌てている茂さんを宥めつつ一緒に居間へ入った。


座布団に腰を下ろし、あちらの紅茶をカップに二杯注いで、一つを茂さんに差しだす。


「うっ、済まない。……………………おお旨いなコレ!」


「――でしょう」


……だいぶ落ち着いてきたかな。


「それで、何があったんですか?」


「あ、ああ、済まない。つい取り乱してしまって。実は女神像をこのテーブルの上に置いて観賞していたんだが……」


「あまりの出来というか、神々しさに、……お恥《は》ずかしながら祈りを捧げていたんだよ。すると突然神像が輝きだして、次の瞬間には身体がふわっと浮いたようになって。その……、力が漲っているんだ」


あぁ~、そうか。


神社の境内は神域だからなぁ。


ちょっと失礼して、――鑑定!


……あったな、女神さまの加護。


茂さんは日本の神職なのに良いのだろうか?


いや、さっきユカリーナ様はアース (地球) も兼任すると言っていたよな。


すると何も問題ないのか……。


――う~ん。


「ゲンさん。ゲンさ~ん。おーい、おぉーい!」


「あっすいません。考え事をしてました」


ううっ、久しぶりにやってしまったな。(汗)


「えっとですねぇ、つまり茂さんは地球の管理神であるユカリーナ様から加護を賜ったわけです。おそらくは地球で初めて」


「ユカリーナ様の加護……?」


「こうなった以上は仕方ありません。茂さんにもお手伝いしてもらいますからね」


「え、ええ、お手伝い? 女神様のおてつだい……。よろこんでぇぃ!」


今だテンションアゲアゲの茂さん、完全にキャラ崩壊しているようです。


なに、その『よろこんでぇぃ!』って言うのは? ――ねぇ?







7月10日 (金曜日)

次の満月は7月29日

ダンジョン覚醒まで58日・118日


_____________________


上が現在の日付です。下は満月にあたる日付とダンジョンが完全に覚醒 (起動) するまでの日数です。左が1基目、右が2基目・3基目の起動までの日にちになります。φ(ΦωΦ )

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