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そして、戦いの日となった。それぞれベルゼン殿と私は、3千の兵を与えられ、森の北と南に布陣した。
開始の笛の音がなり、私たちの軍は森の中に入っていく。
こちらは、前衛は軽装歩兵隊、その一歩後ろに槍隊、そして、弓隊…
一般的な陣形である。
ただ、森の中ということで、歩兵隊は軽装にした。
「前方に500の敵発見!」
ラッセル殿が言う。
「軽装歩兵隊突撃せよ!」
私は罠であると知りながら、あえてそう言った。
そして…
ベルゼン殿のある合図と共に、我が軍の軽装歩兵隊の頭上から矢が飛んできた。
ベルゼン殿は木の上に陣を張ったのだ。
よほど鍛えられた部隊なのだろう。
普通は木の上から矢を射るなど、到底出来ない。
これこそが、ベルゼン殿の策…!
「行きますか?」
ラッセル殿のその言葉に私は深く頷いた。
「騎猫隊突撃用意!
突撃!!!」
騎猫隊…それは、ラッセル殿に頼んで作らせた新たな部隊であった。
つまり、大猫又族を調教し、その背に乗るという部隊だ。
大猫又族は木登りを得意としており、木の上に上り、弓隊を引きずり降ろし始めた。
さらに、鋭い爪での攻撃が得意であり、木の上から悲鳴が聞こえ始めた。
「敵兵残り1200ほどを発見!」
ラッセル殿が言う。
「槍隊突撃せよ!
騎猫隊も跡を追って突撃!
弓隊射よ!」
私は号令をかける。
そうして…
ベルゼン殿の軍は壊滅し、勝利の女神は私に微笑んだ。
「…殺せ!
生き恥を晒すくらいなら、騎士長として死んだ方がマシだ!」
ベルゼンは興奮した面持ちでそう言った。
「ベルゼン殿。
命と言うのは真に大切な人・物を守る時に賭けるものです!
私との勝負が、メンツが、そんなにもあなたの大切なものか!?
違うはずだ…
きっと、あなたの大切な人は、あなたを心配しておられるでしょう…」
そう私が言った時、皇帝陛下が白馬で現れた。
「2人の決戦見せてもらった…
まさに、見事…
俺はそなたら2人がこの国の宝の一つである事を確信した。
ベルゼン、悔しいならば、今後の戦いにて挽回せよ。
それがお主に与えられた使命なのだ。」
それを聞いて、私は深く一礼し、ベルゼン殿は足元から崩れ落ちた。
こうして、ベルゼン殿との一騎打ちは無事に終わったのだった。
それ以降、騎猫隊はベルゼン殿の指揮下に入れられ、ラッセル殿も副騎士長として、その辣腕を振るった。
はぁぁ…
冷たいビールでキュッとやりたいものだ。
久しぶりにルードラの街の酒場にでもいくか。
私は一件落着し、そんなことを考えながら、相変わらずトパーズの後宮へと帰っていった。