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【赤桃】大きな買い物

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【赤桃】大きな買い物

1 - 【赤桃】大きな買い物

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2025年02月07日

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(注意)

こちらはnmmn作品に該当いたします。

賽子様のお名前をお借りしておりますが、本人様とは一切関係ございません。

スクリーンショットなど拡散になる行為はお控えください。


irxs赤桃

性的行為の匂わせ・催眠・洗脳などの描写がございま

それでも大丈夫な方のみ、お進みくださいませ。




◇◆◇◆◇




──催眠アプリ。誰しもが一度は二次創作で嗜んだことがあるであろうシロモノ。

それが今、俺の手元にある。




◇◆◇◆◇




事の発端は遡ること1日前。仕事帰りに見かけた怪しい小売店での出来事だ。

いつも歩いている薄暗い通りには見合わない程、ギラギラした煌びやかな外観だった。深夜テンションも相まってか、俺は悩むことなくその店に入ることに決めた。

仕方がない、男の子はいつまで経っても派手なものが好きなのだから。


カランカラン、と軽快な鈴の音ともに扉を開けると、待ち構えるかのように目の前に店主が座っていた。美少女でもない限り、許されんばかりのシチュエーションに動揺して、桜色の瞳を揺らすと店主は挨拶もなしに言った。


「何をお求めで?」


ここいらのやり取りを事細かに話していると、かなりの時間を催すので少しばかり端折らせていただこう。


その店には、不思議なもの…言葉を濁さずに言うと二次創作でよく見かける『ご都合アイテム』なるものが多種多様に揃えられていた。

惚れ薬、精力剤にTS薬。それらが小学4年生にしてヲタに染った俺の目を惹かないわけがなく、血眼になってめぼしいものを探した。


王道なものじゃつまらない。せめて、ひとひねりあるものを──


「──催眠アプリ?」


そこで、店主からオススメされたのがそれだった。

銅貨が揺れる映像と脳に刺激を与える特殊な音波で、性的興奮を高める効果があるらしい。決して安いとは言えない値段だったが、その特効性は本物なのだろうと俺の中の勘が訴えていた。



◇◆◇◆◇




以上が回想だ。

今、俺のスマホの中にはしっかりと該当アプリがインストールされている。ホラだのウイルスだの、色々心配する点は多々あるが、『これ無くしたら人生終わるセット』をよく無くしてる俺にとっちゃこれが失敗したってなんて事ない。


そして何より、『催眠』は──流行っている。

某爆速1億再生ボカロ曲だの、某音源に合わせたTikTokの催眠ネタだの…とにかく俺の知る限りでは最先端の流行りだ。

流行りに、時代に乗るのが俺。だって、俺は新世代歌い手グループいれいすの──!


「ないくんなんかニヤニヤしてる。どうかしたの?」


そう俺を現実に引き戻す言葉をかけたのは、俺の恋人──りうらだ。

つり上がった大きな緋色をこちらに向けて、「またクマ増えてるし。」なんて付け足しながら怪訝そうな顔で俺を見る。

りうらに催眠アプリ試すのが楽しみすぎて寝れなかっただなんて、死んでも言えない。言ってはいけない。


「別になんもないよ。」


乾いた笑いをひとつ零すと、「なら、いいんだけど…」なんて言いながらりうらは眉をひそめた。

よもやこの後、『催眠』されるだなんて露知らずに…バカなりうら。



◇◆◇◆◇




すっかり日も落ちて、冷たい闇が窓の奥に広がっている。東京の真っ暗な夜空を見つめながら、りうらが風呂から上がってくるのを待つ。

別に今夜、約束している訳では無いのだが。


「あれっ、もう金ロー始まっちゃってる?」


風呂からあがってくるなり、テレビの心配か。

せっかく久々に家に泊めてやってるっていうのに、家主に対してもう少し敬意を持った方がいいんじゃないのか。別にいいけど。


「30分遅刻。今から見ても展開ついていけないでしょ。」


「えぇ、楽しみにしてたのに…」


「録画してあるから、明日にでも見ようよ。」


あからさまにしょんぼりするりうらの頭をぽんぽんと撫でながら、雑に励ましてやる。

しかし、それでも何か腑に落ちないらしくむすっとした顔を向けられてしまった。


「なんで今見せてくれないの?」


「金ローより見て欲しいもんがあるんだよ。」


「───?」


片眉を上げて不思議そうな顔をするりうらに、スマホを取り出して見せる。

それでも、彼の表情は変わることなく訝しげに俺を見つめるだけだ。


「これ、つけて。」


予め接続しておいたワイヤレスイヤホンをりうらに手渡しながら、口角が上がりそうになるのを必死にこらえる。

きょとんとした顔のまま、首を縦に振って了承してくれたりうらと全世界に感謝を伝えながらスマホを操作する。


りうらがイヤホンを付けたのを確認してから、『アレ』を開いて視界にスマホの画面しか映らないような距離までグッと近づけてやる。


「この銅貨、よーく見てろよ?」


「──なんか胡散臭いけど…」


もはや口角が上がるのを堪えるのを諦めて、ニヤニヤとした顔のまま「いいから」と付け足してりうらからの反応を待つ。

音波が出ると言っていたから、イヤホンさせて俺には『催眠』がかからないように。精度が下がるから視界にはできるだけ銅貨だけが映るように。店主が言っていた手筈通り出来ているはずだ。

即効性もあると言っていたから、すぐにでも『催眠』がかかってもおかしくは無い。現に、りうらは先程から黙って画面だけを見つめているし。これマジで本物だったかもしれない。いい買い物したわー。


──刹那、スマホを見せつける俺の手を押しのけて、力強く押し倒してきた。


「ないくん。」


前言撤回、全くいい買い物じゃなかった。聞いてた話と違うじゃないか。特効性も即効性もあって、革命的アイテムだと思ったのに。全く効果ないやん。

あー、もうりうら怒ってんじゃんかよ。目も虚ろでさ。とりあいずいい訳、言い訳──


「ないくん、聞いてる?呼んでるんだけど。」


「ああ、ごめん。とりあいずまあ手順を追って説明しますので…そこに一旦Stay。kneel。」


おふざけドムサブをするも、無反応なりうら。少し悲しい。ネタが伝わらなかったんだろうか。確かにりうら、そういうの疎そうだもんな。


「おすわりなんてしないよ。」


途端、俺の両頬をガッチリホールドしてグイッと持ち上げる。所謂、顎クイと言うもので──


「んん…ッ!?」


語り手で実況する間もなく、りうらは強引に口付けをしてそのまま舌を侵入させてきた。

歯列をなぞり、上顎を撫でられ──

ゾワゾワとした快感が身体中を駆け巡り、思わず腰が抜けてしまいそうになる。


本能のままに動く野生動物かのように制御が効かないりうらの顔は、異常なまでに目が虚ろだった。酒席で酔いに酔った、とろんっと座った目なら見たことはあったがその時のものとは大違いで。


まるで、正気ではないような──


「…りうッ…ん、ん゛…ッ」


もう、俺の声など届いていないようだ。ただひたすらに、口内を蹂躙され続ける。

嫌になるほどねっとり舌を絡められ、吸われて。頭がどうにかなってしまいそうだった。


この様子ではもしかしなくても、りうらは『催眠』にかかっているようだ。でも、こんなのおかしい。だって店主は、脳に刺激を与える特殊な音波で、性的興奮を高める効果があると言っていた。相手が積極的になるなんて──


──ああ、『性的興奮を高める』しか言われてねえや。受け身になってくれるだなんて、一言も。


別に、りうらを『催眠』して『洗脳』して『服従』させるつもりはなかった。ただ、可愛いりうらが見たかっただけなのだ。

実際、今のりうらは可愛い。瞳の奥が見えないほど黒くなった虚ろな目も。ほんのり俺色に染まる頬も。今の彼自身全てが、俺を求めているに違いないものであることも分かるし、普通に嬉しい。

嬉しい、のだが──


「こんなことになるなら、金ロー見せてた方がまだよかった!」


大きな買い物はもう少しよく考えるべきだと痛感した出来事だった。














受けちゃんが催眠にかけられて積極的になるのもそれはそれで爆メロきゅるかわでビックラブリーなのですが、攻めちゃんが催眠にかけられているのを見たことがないので書いて見ました。

この作品はいかがでしたか?

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