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※出水公平の夢小説
※キャラ崩壊注意
※原作とは関係ありません
「」→夢主 『』→出水公平〔〕→その他のキャラ
〈〉→モブ ()→小さな声で呟く
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夕焼けに染まる街を、息が切れるまで走った。頭の中は真っ白で、足が勝手に動いてた。胸が苦しいのは走ってるせいだけじゃない。
「先輩...!」
先輩の背中を見つけた瞬間、色んな感情が混み上がってきた。
『...夢ちゃん?どーしたの?』
やっぱり、少し冷たい先輩の声。
「...私には、彼氏なんていません!」
自分でも驚くくらい大きな声でそう言った。
「噂になってたの、...多分お兄ちゃんのことです!」
出水先輩は驚いたような、どこかほっとした顔をしていた。
『それを言うためにここまで走ってきたの?』
さっきとは違う先輩の優しい声。私の大好きな人の声。でも、今は
「違います!私がここまで走ってきたのは...!」
「私...先輩のことが好きです!大好きです!助けてくれたあの日から、私はずっと先輩のことが大好きなんです!」
ずっと言いたかった言葉は、簡単には止まらなかった。
『え...』
沈黙の中で、風がそっと通り抜け。
先輩がゆっくり顔を伏せて、小さく息を吐くのが見えた。
『...ごめん。』
その言葉を聞いて、やっぱり先輩にとって私はただの後輩としか思ってないんだって思った。でも、先輩は続けて口を開いた。
『俺、噂聞いてさ勝手に落ち込んで、あんな冷たい態度とって馬鹿だよな、ほんと。』
その声は、少し掠れていて、悔しそうで、でもどこか優しかった。
『...本当は、嬉しかったんだ。電話かけてきてくれたことも、ここまで来てくれたこともなのにあんな冷たい言い方して...俺、最低だなって思った。』
先輩がゆっくり顔を上げた。その瞳が、泣きそうなくらい真剣で、見てるこっちの方が泣きそうになった。
『でも...そんなことより、夢ちゃんに言わせちゃってごめん』
「え...?」
『俺も夢ちゃんのことが好きです。俺と付き合ってください』
先輩は、何か気持ちが晴れたような清々しい笑顔で目に涙を浮かべてそう言った。
「...っ」
その瞬間抑えてた想いも、不安も、全部その言葉で溶けていった。そしてただ一言
「...はい!」
2人で顔を合わせて微笑んだ。冷たい風がそっと吹いたけれど、何故かとても暖かく感じた。