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突然ですが皆さん。俺の事を1発殴って下さい。
目を開けると目の前には5歳くらいの見た目をした宿敵にそっくりの奴が。ついでに猫耳と尻尾もついている。こんなの漫画でしか見た事ない。
猫耳と尻尾を除けばただのかわいいかわいい寝顔をしている5歳児なんだが····どうにもあいつの顔がチラついて腹が立つ。落ち着け、相手は(猫耳と尻尾が生えた明らかにありえない姿をした)5歳児だ。
とにかくしっかり顔を確認するために起こすか。
「おーい、起きろ〜」
うとうとと、まだ焦点のあっていない目を擦る姿は可愛らしいものだ。胸の辺りがキューっとくる。これが母性本能というものか。未だチラつくあいつの顔は頭から追いやろう。今はこの可愛い生物を眺めていたい。
「····?」
やっと目が覚めたのか、焦点のあった瞳で俺をじっと見つめる。金髪の髪に毛先から青くグラデーションがかかっている。猫耳がピクピクと動いていてこれがまた愛らしい。
「····たい」
「ん?」
「この変態ぺド野郎!!俺に何をする気だ!!お前みたいなやつは社会のゴミって言うんだろ!俺は知ってる!」
前言撤回。コイツは紛れもなくあの男だ。あいつと違う所があるとすれば容姿のみだろう。愛くるしい容姿をした子供にぺド野郎と言われると少々····いや、大分心を抉られる。尻尾の毛を逆立て耳を倒している姿は実にかわいいのだが···。
まずは誤解をとこう。
「俺はぺド野郎でもないし変態でもない。ましてや社会のゴミでもない」
「じゃあなんだ!?ゴミ以下の存在か!」
「だーかーら、幼児を襲う趣味何てものはないしただの一般人だっての」
「口ではなんとでも言える」
コイツ····ガキの癖に生意気だ。てゆうかぺド野郎とか変態とか可愛い子供の口から聞きたくなかった。どこで覚えてきたんですかその言葉!!
口は悪いが見た目が可愛らしいからかそこまでイラつかないのが救いか。猫耳がピクピク動いているのも尻尾がひらひら動いているのもかわいくてかわいくて····こいつなら何でも許せる気がする。
その可愛さに見惚れているときゅるると音が鳴った。音源は当然俺ではない。となればミニ猫カイザーのみ。
「なんだ、お腹すいてんのか?」
「す、すいてねぇもん!」
何コイツかわいい。頬っぺたを膨らませてそっぽ向く姿が子供らしくてこれまた母性本能がくすぐられる。お腹いっぱいになるまで食べさせてやりたい。しかし、あいにく此処は食堂でしか食べ物を手に入れられない。あのクソ薔薇とその従者にバレたら絶対面倒臭い事になる。黒名と氷織と雪宮はもう食堂言ってるみたいだし、どうしたものか。
きゅるるる
「···やっぱお腹すいてんだろ」
「ちがう!」
うッ、こんな可愛い子を空腹のまま放置するなんて世一出来ないッ。
今は8時半くらいなのでそこまで人はいない···と思いたい。
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「いいか、絶対に声を出さないように」
コクコクと頷く姿に胸を押さえながら食堂へ向かう。猫耳と尻尾がついていることにはもう慣れた。まぁそれも可愛い要素に入っているので問題なし!可愛いは正義なのだ!
歩く度ぺたぺたなる足音がまた俺の心をキューっと握る。一体ミニ猫カイザーはどれだけ俺をおとせば気が済むのだろうか。
食堂に来てやっと気付いた。
猫って何食べれんの?
チョコがダメとか聞いた事あるな···あれ?それ犬か?猫は塩分だったか?ダメだ··よく分からん。とりあえず自分の食事を受け取って席に着こう。いくら人が少なかろうと棒立ちだと目立ってしまう。
まぁ、本人に食べれる物を聞けば解決か。俺天才。
「なぁ、お前って何食べれんの?」
「····にく」
お、丁度いい。俺の食事は野菜炒めだし肉も少しある。しかしまぁ、ツンとした態度にこれ程可愛いと感じた事は後にも先にも今だけだろう。
はぁ、かわいい。写真撮りたい。
肉を箸でつまみミニ猫カイザーの口へと運ぶ。
「はい、あーん」
「···あー」
何コイツかわいい(Part2)
変態だなんの罵った相手からのご飯普通食べるか!普通!あーもうかわいい。もぐもぐ一生懸命食べてるのもかわいい。本当にあのクソ薔薇野郎と大違いだ。え、待って。尻尾ぶんぶん振るのなんて聞いてないよ。耳も、ぴくぴくさせてる。
あ、俺今日命日かな。
····ちょっとくらい触っても良いよね。うん。ほ、本物か確かめるだけだし!
し、失礼しマース。
「ぴッ!」
ハウっ!可愛さが俺の心に直撃蹴弾された。
もう無理、可愛すぎる。このままだと鼻血出しすぎて死んじゃう。子供ってこんなに可愛かったのか····
「さわるな!」
睨んでるつもりでしょうけど逆効果ですよミニ猫カイザーくん。可愛くてもっと触りたくなっちゃうじゃないか。
それでも肉をあげれば口を開けてくれるミニ猫カイザーが可愛過ぎる。もうずっと可愛いとしか言ってないような気もしなくもないがそれ以外でこの可愛さをなんて表せばいいのか。目がきゅるきゅるでもふもふの猫耳に尻尾。ぷにぷにな頬にとぅるとぅるの唇。ムチッと子供らしさを感じさせる手や腕は本当に可愛い以外の言葉では表せない。本当に可愛過ぎる。お前らも見たら分かる。まぁこんな天使見せるわけないが。
はぁ〜、お肉を沢山頬張って食べてる姿癒される〜。見てるだけでもうお腹いっぱい。ふりふりさせてる尻尾も最高に可愛い。
「なんだ?変な顔して何を見てるんだ世一ぃ〜」
「げっ」
「カイザーに向かってその態度、不敬にも程がありますよ世一」
幸せな時間とはそう長く続かないものだ。
あぁ、コイツらが来なければずっと天使のきゅるきゅるうるうるな顔面拝めたのに。今日も憎ったらしい顔面してるクソ薔薇ことカイザーは本当にミニ猫カイザーと瓜二つだがどうしてこんなにも変わるのか。
···頭の中で顔面入れ替えてみたがダメだ。鳥肌がたつ。
「今頭の中で失礼な事考えましたよね?レッドカードですよ世一」
「····この人達だれ」
あぅッ!袖をキュッと握るのは反則だって!下手したら死人がでてたぞ。いや、これ冗談抜きで。だって誰でも上目遣い&袖キュは反応せざるおえないだろ。
「は、世一ぃソイツは誰だ」
「ついに幼児にまで手を出すとは···心の底から軽蔑します」
「ミニ猫カイザー、コイツらは空気だから、気にしなくていいぞ」
「···みひゃ、みひゃって呼んで···」
あぁ、もう本当に無理。くりくりなお目目が涙目になってるのも最高に良い。カイザーとネスは固まってるが今は放置だ。この可愛い生物···みひゃを眺めてたい。
「よ、世一。今その生き物みひゃって言いました?ていうかその猫耳と尻尾は···」
「は???」
2人とも揃ってワナワナ震えてるのオモロ。普段見れない顔ゲット!
今更だが説明するの面倒臭いな。しかもよりによってこの2人。まぁ適当に流してこの場を離れるか。
「子供だ。猫耳と尻尾が生えたカイザーの(に似た)子供」
「はぁ!?誰がそんな嘘に騙されると思ってんですか!クソ世一!」
こうなるから会いたくなかったんだ。本当にうるさい。ほら見ろ、かわいいかわいい俺のみひゃが怖がってるじゃないか。
「そうか···世一、責任はしっかりとろう」
何の責任??
ていうかそろそろみひゃが泣きそうなんで戻っていいすか?
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ころころとまだ短い足で懸命にボールを転がす姿は俺が悶え苦しむには十分であった。
一生懸命ボールを足で転がして、一生懸命に目を使って···あぁもうダメ、泣けてきた。これが成長する子供を見る親の気持ち···。ようやく理解出来たよお母さん。
何故今みひゃがサッカーボールで遊んできるのか、それはほんの数十分前に戻る。
「世一、これなに?」
「あぁ、それはサッカーボールっていうんだ」
「サッカーボール?」
こてんと首を傾げるのは無自覚なのか、どちらにせよ可愛いものに変わりは無い。
「そ、こうやって足で転がしたりして遊ぶためのボールだよ」
「···世一!俺もサッカーボールつかいたい!」
今思い返しても可愛かった。あんなきらきらした目、見たのはいつぶりかな···。それはもう、本当に何よりも可愛かった。
一生懸命ボールを転がしている姿はとても愛くるしいのだが、少し複雑な気持ちだ。
「世一、この人!この人のシュート?ってやつすごい!」
みひゃの言う”この人”はあのクソ薔薇クソ皇帝ミヒャエル・カイザーである。いや何故そこチョイスした?と聞きたくなるがアイツが天才なのは事実で覆ることの無いもの。実際俺もアイツを天才だ不本意ながらに認めてはいる。(人としてはゴミ以下だが)まぁそんなカイザーのシュート、皇帝衝撃波をみひゃが大層気に入った様でさっきからずっと練習している。ついでに言うとそのみひゃの隣でカイザーが皇帝衝撃波を見せつけるかの如く打ちまくっている。
「おいチビ猫。お前にはまだこれは早い。諦めろ」
「俺にだってできるもん!」
あぁ、このクソクソカイザーが居なければ完璧なのにな。こんな奴とみひゃを一緒にしたら教育に悪いよ。
「その短い手足で何を出来ると言ってるんだ?(笑)」
このクソカイザー、よくもうちのみひゃの事を悪く言ったな。100殺。
「みひゃ、あんな奴ほっといて練習しような」
「うん!」
「世一ぃ、俺よりそんなにこのチビ猫がいいのか?」
「当たり前」
当たり前。そんな当たり前なことあ聞くなよ。ていうかお前と比べたら勝負にもなんねぇだろ(笑)
よくもまぁみひゃと同じ舞台に立てると思ったな。この勘違いクソ道化。
「そんな寂しい事言うなよ世一ぃ。ツンデレだなぁ?」
「うわきしょ、触んな」
てか腰に手を回すな。みひゃに悪影響だ。
あぁ、ほら!かわいい顔でこっち見てるよ。さっさと離せクソカイザー!
「世一!見ててね!」
「おう」
「カイニャーインパクト!」
まだへにょへにょなボールだが可愛いので良しとする。可愛いは正義(Part2)
「はっ、なまるぬいシュートを打つなチビ猫」
本物を見せてやるとかなんとかほざいていたがコイツには微塵も興味がないためスルーする。
とにかく今は頑張ったみひゃを褒めまくるんだよ。