テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
132
191
夜。
部屋の明かりは少しだけ落としてある。
「……なあ、ライ」
緋八マナが呼ぶ。
「うん?」
伊波ライが振り向く。
少しだけ、緊張している。
「今日、ちょっとええか」
「どうしたの?」
⸻
少し沈黙。
いつもなら軽口で流すところ。
でも今日は違う。
「……ちゃんと、言いたくて」
「うん」
⸻
ゆっくり、息を吐く。
「俺さ」
「うん」
「これから先も」
言葉を探す。
でも、飾るのはやめた。
⸻
「ずっと一緒におりたい」
⸻
ライが、少しだけ目を見開く。
「……マナ」
「喧嘩もするやろし」
「うん」
「めんどいこともあると思う」
⸻
それでも。
「それでも、一緒におりたい」
⸻
静かな空気。
でも、重くはない。
⸻
「……これってさ」
少しだけ笑って。
「プロポーズ、でええんかな」
⸻
ライは一瞬黙ってから。
ふっと優しく笑った。
「うん」
⸻
「俺も」
一歩近づく。
「マナと、ずっと一緒にいたい」
⸻
「……ほんまか」
「ほんと」
⸻
そのまま。
手を取られる。
「よろしくね」
「……こちらこそや」
⸻
ゆっくり重なるキス。
今までで一番、静かで。
でも一番、ちゃんとした意味を持ったもの。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!