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「やっぱり、俺じゃダメ?」
摩理之介君が言う。
その摩理之介君の顔は、綺麗に建物の影が覆い被さっていて、見ることができなかった。
けど……摩理之介君の声で、現状は大体把握できてしまう。
摩理之介君の声色は…すごく静かで、………少し震えていた。
多分………傷ついてる。私が、傷つけたんだ、と分かった。
多分…さっき、摩理之介君を振ったのと同じだから……かな。
「…摩理之介君…………」
かける言葉が見つからない。
私が傷つけたのなら、私がどんな言葉をかけたって、傷つけてしまうから。
私は、何も言えない唇を噛んだ。
…と、摩理之介君が口を開いた。
「……俺さぁ、ななっし〜さんになら何を捧げても良いって、゛昔から゛思ってたんだよね。だけど………ななっし〜さんが俺を選ばないなら、その行動の数々は意味がなかった、って事だよな〜…」
………えっ
私は、摩理之介君の言葉の一部に違和感を覚えた。
………その、『昔から』と言う言葉に。
横にいるさもくんを見上げると、さもくんは、俯いていた。
……これは、私の問いの答え、って事で良いのかな。
『昔から』って言うことは……摩理之介君と私、昔にあった事があるってことで、さもくんと摩理之介君もあった事がある、って事だよね。
……じゃあ……さもくんが引っ越したのも摩理之介君関係?
私が見てしまうのもその関係?
分からないっ、分からない、けどっ。
聞かなくちゃ何も始まらないんだ。
行動を開始しないと、何も状況は変わらないんだよっ。
この状況で聞くのは、怖い。
人間性を疑われても仕方ないと思う。
けどねっ。やっぱり、何も行動しないで、さもくんが離れてしまう方がずっと怖いから……っ。
これは、私のわがままで自分勝手だって分かるけど……これだけはやっぱり何があっても譲れない。
今の状況で聞くのは自分勝手って承知の上だ。
でも……聞かなくちゃいけないって本能が言う。
「摩理のーーー((」
「ななっし〜…っ!!」
摩理之介君の名前を呼ぼうとしたら、さもくんに手首を掴まれ、止められた。
………さ、さもくん?
「…どうした?」
私が、困惑しながら尋ねると、さもくんが自分のもう片方の手で拳を握りしめた。
そして………私の頭に手を伸ばして髪をくしゃくしゃしてしてきたあと、小さく口を開いたんだ。
「………聞かないで」
と。
「…さもくん…………」
私は無意識にさもくんの名前を呼んでしまった。
私をもう一回映したさもくんの瞳は、切ない色をしていた。
……………こんなにも、さもくんが私に言いたくない事って……どんな事なの?
私だって一応彼女なんだから………一人で抱え込むのなんてやめてよ……って言いたい。
けど………そんな事を言ったらきっとさもくんを困らせてしまうって分かってしまうんだ。
だから………私が一人で考えなくちゃいけない。
どんなにめんどくさい人って思われても…………この事は私、譲れないから…っ。
べるさんが言っていた『広い視点で見たほうが答えが見つかってくる』と言う言葉。
きっと…………今の私だけの視点じゃ、その答えは見つからない…って事だよね。
今じゃなくて………昔を鮮明に思い出せ、って事?
それとも、他の人の視点で物事を考えた方が良いってこと?
………………いや、2つ目の案は、多分ないよね。
他の人の視点で考えて見たって、さもくんと摩理之介君の過去を知ってるのはあの人達だけだし、あの二人の情報なんて一つもない状況で考えられない。
だから、きっと…………昔を思い出すしかないんだ。
私は、さもくんが引っ越して行ったあとの…………黒髪少年と出会ったあの時を必死に思い出す。
(次回こそは!!ストーリーを進めよう、うん。 と言うかですね……今回の話が今までで一番考えました……。朝からずっと頭を悩ませてましたね………っ)