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トド村
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父は、いつも古い靴を履いていた。
息子が新しい靴を買おうと言っても、父は笑って断った。
「まだ歩けるからいい」
父が亡くなり、靴を整理していると、靴底に小さな紙が貼ってあった。
――この靴で、君の入学式へ行った。
――この靴で、君の初めての試合を見に行った。
――この靴で、君が帰ってくる音を何度も待った。
息子はその靴を捨てられなかった。
翌朝、彼は父の靴を履いて家を出た。
少し大きくて、歩きにくかった。
それでも、不思議と背筋は伸びた。
コメント
1件
読了しました。じんわり温かい涙が滲みました。父が黙って履き続けた靴に、こんなにもたくさんの思い出と愛情が詰まっていたんですね。息子が父の靴を履いて背筋を伸ばすラスト、すごく好きです。言葉少ないのに、父の存在がずっとそこにあるのが伝わってきました。素敵なお話をありがとうございます。