宇「うぅ……」
白「ふふ、大丈夫ですか?宇津木さん」
宇「ちょっと気持ち悪いかも……」
なんかよくわからん光景が広がっていた。いやホンマ意味分からんねんけど!?どゆことこれ!? 兎「宇津木さあああん!!!大丈夫ですかあああ?」
宇「うん、兎川さんの元気があれば大丈夫だよ……」
兎「それならよかった!」
白「宇津木さんも大変ね」
そう言うのはこの家の家事を全て引き受けている少女。名前はシロエというらしい。
なんでもこの家に住むことになった経緯とか色々あるみたいだけどそれは今は置いておくことにする。それよりも今この状況だ 兎「宇津木さん大丈夫かなー」
心配そうな顔を浮かべながら宇月の背中をさすっている金髪の少女の名はうさぎちゃん いつもニコニコしてて可愛い。とにかく可愛い 兎「もう!だから飲み過ぎちゃダメですよぉ〜って言ったじゃないですかぁ〜」
そう言って頬を膨らませる。怒っていても全然怖くないのは彼女が持つ愛くるしさゆえか。
宇「ごめんなさい…….気をつけるよ……」
彼女は謝りつつも申し訳なさそうにしているわけではない。なぜなら酒が回っているせいで顔真っ赤にしてヘラヘラしているからだ。その証拠に「えへへぇ〜☆」なんて言いながら机の上で突っ伏していた。これはかなり酔っていますねぇ……. そんな彼女を見つめていた。なんだろうすごく胸騒ぎがするんだ。まるでなにかを予感させるような嫌な感覚だった。すると彼女の隣に座っていた黒髪ロングの女性に声をかけられた 「どうしましたか?巴さん?」
兎「どうしたのー!宇津木さんが気になるのかぁ〜」
2人が同時に声をかけてくるが今の僕には2人の言葉を聞き分ける力はなかった 巴「あっごめん。考え事してただけだよ……」
嘘ではないのだが、本当でもない。僕の心には先ほどから違和感が拭えなかったのだ。しかし今はその正体を探る余裕がなかった。だからとりあえず僕は話を変えることにした。話題はもちろんあのことだ 兎「そっか!てっきり私を見てドキドキしてるのかと思ったぞぉ!!」
はいキマシター。この人もう酔い過ぎだろ 白雪先輩が呆れた様子で呟いていた。ほんまですね……。てかこいつらの絡みとか見てるとマジヤバいんだけど!!え?なに?なんでこうなったんだっけ……?たしか今日仕事が終わったあと皆集まってご飯行こうぜ!みたいな流れになって、それで居酒屋に来て飯食って酒飲んで酔った勢いで馬鹿みたいに笑っていたら気づけばこんな状況になっていたのだ。ちなみに俺は今の状況に頭を抱えていた。だってそうだよね、普通この状況おかしいじゃん?だってみんなめっちゃ酔っているんだぞ。なのになんでそんな呑気に喋ってられるわけぇ!?もう訳分かんねえよ。誰か助けてくれ……、このままだと頭がおかしくなる。
白「あの~皆さんそろそろお会計をしたいんですけれどもいいかしら?」
兎&宇「はいはーい!」
こうして俺らはなんとかお金を払って店を後にすることができたのだがこの後一体誰がどうやって家に帰るのか全く想像がつかなかった。正直言うと一番帰りたいと思っている人が目の前にいるんだよなぁ。だから俺は思い切って声をかけた。
健「宇津木さん帰れる?」
宇「帰れます!!」
おい、嘘つけ絶対無理だろお前 完全に足元フラついてるやんけ。これは放っとけないな、仕方ないか送っていくしかないかな。そう思って歩き出そうとしたときだった―――。宇津木さんが急に立ち止まったのである。
宇「わ、忘れ物をしてしまいました……」
白「あらそうなの」
兎「じゃあ取りに戻りましょう!」
そしてまた歩き出したと思った瞬間彼女はいきなり転んでしまった。
兎「宇津木さーん!!今日は一緒に帰りましょう!!」
宇「そうだね、そうしようか」
え、待てや待ってくれ。
まずこの二人なんなんやろ。仲良すぎへんか。
白雪先輩とは仲良くなりたい思ってたから嬉しいんやけどこればっかりは何とも言えん。
それに兎川さんってあんなキャラやったっけ?もっとこう静かな感じやと思ってたんやけどなぁ。
宇「ごめん、トイレに行ってくるよ。先に帰っててくれるかな?」
兎「はい!気をつけて行ってくださいね!」
白「じゃあいきましょーか!!」
兎&宇「おー!(おー)」……