零落れモノ
イ: ……
真一郎。
しんいちろう。
シンイチロウ。
オレの、たった一人の血縁者。
たった一人の味方。
オレだけのたった一人のお兄ちゃん。
オレは真一郎だけのたった一人の弟。
そうだと、思ってた。
なぁ?なんで裏切ったんだよ……
お兄ちゃん。
稀:落ちぶれたなぁ?黒川イザナ。
イ: ……??
イ:誰だ、テメェ。
これが。
こんなたった数分の会話が。
このたった一人の男が。
オレの。這い上がる引き金だった。
稀:一瞬だったな?イザナ。
イ: ……そうだな。
本当に。一瞬だった。
寿限無総長も。
六本木のカリスマも。
元9代目BD総長なんか言葉だけで着いてきた
敵の裏切り者は姿を見せただけで
邪悪と、尊敬を含んだ笑いを起こし
部下と見える奴も連れてきた。
モチロン。
カクチョーもな❤︎
稀:〝佐野〟エマを殺す。
イ: ……そうか
憎い。
オマエはいくつオレから奪う?
奪う、?
ちがうな。
元々。オレのじゃなかった。
オレのものはシンイチロウだけだ。
オレのモノだった。
それなのにアイツが奪った。
シンイチロウを奪った。
アイツが何を取ろうとどうでもいい。
シンイチロウを奪った。
それを考えただけ。
たったそれだけで
憎悪が。
それを上回るほどの苦しみが。
辞めろよ。
オレを。苦しみと憎しみで。
包むな……
稀:イザナ。佐野エマは殺した。
稀:マイキーとドラケンは来ねぇ。
半:総長、副総長が来ねぇんだぜ❤︎
半:東卍だって来ねぇよ❤︎
イ:やっぱりか。
稀:いや、来る。
バブーーーーーーッ
イ:へぇ、面白ぇ。
抗争中。
千:もう辞めろタケミっち!
千:お前が死ぬぞ!!
千:もう、東卍の負けでいい……!
千:オマエはよくやったよッ!!!!!
武:東卍は、負けねぇ……ッッッ!!
さっきから。
ずっと。
気圧が重い。
頭が痛い。
気持ち悪い。
なんなんだ。アイツは。
似てる。
気味が悪いくらい。
真一郎に。似てる。
真一郎の真似をするな。
この世に。オレの記憶に。
真一郎は1人でいい。
俺が潰す。
イザナvs武道
イ:ガッ
鶴:もう立つな…タケミチ……!!
イ:しつけーヤローだ
武:テメェらがマイキー君を狂わした!
マイキーに人生を狂わされた。
武:オレがマイキー君を
武:守るんだあああぁぁ!!!!!
イ:!!!
マイキーを守る?
守られてんだろ。オマエは。
オレは守護を倒してるだけ。
それがオレの。
ヴィランの役目だろ。
マ:少し、タケミっちと話がしたい。
イ: ……
なんで?
なんでマイキーが居る?
なんで?なんで、なんで!!!!
……
まぁ、いい。コイツも。もう終わりだ。
コイツは。
もう。空っぽ。
イ:真一郎を亡くし、エマを亡くし、
イ:どうだ?
イ:カラになった気分は。
ド
ヵ
ッ
バ
キ
ッ
ゴ
ッ
バ
コ
ッ
押されてる、?
何もかも失って空虚のコイツに?
違う。違う。
オレは押されてない。
負けてない。
違うだろ。
勝つのはオレだろ?
マ:オマエはどこまで。
マ:自分は孤独だと決めつける?
は?
オマエもだろ。
オマエもッ”!!!!!!!!
イ:オマエも”孤独だろーがッ!!!!
マ:違うよ。
マ:オマエには弟が居て
マ:オレには兄が居る。
マ:兄貴。オレはオマエを救いたいんだ
マ:もう、当たんねぇよ。
マ:ドカッ
マ:バキッ
そんな顔して殴って来んなよ。
なんで、オマエが苦しそうな顔してんだ?
なんでこんな、当たんねぇんだよ。
マ:なんで。オマエは兄弟を愛せねぇ?!
うるせぇ
マ:オマエさえ心を開けばっ!!!
うるせぇ…
マ:オレもエマも、快く受け入れた!!!
知った口を利くな…!
マ・真:なんでなんだよ!?!?
は?
うるせぇ。
うるせェうるせェうるせェうるせェ!!!
うるせェェェェェ”!!!!!
ド
ゴ
ッ
くそっ
イ:真一郎…
マ:!?
イ:エマ”…
イ:なんでそっちに居るんだよ?
マ:イザナ。オマエの負けだ。
違う。違う違う違う……!!!!
オレは孤独。
コイツだって孤独。
オレは、人に頼るような。
縋ってついて行くような、
落ちた男じゃない……
オレは落ちてない。
オレは負けない。
負けれない。
パシっ。
あ、?
何が起きてた?
オレは何をしてた?
カクチョーが、目の前にいる?
オレの手を叩いた?
鶴:もういいだろ?
鶴:オレらの負けだ。
は?負け?
イヤだ。
こいつには負けたくない。
鶴:__________。
カクチョーが何か言ってやがる。
俺の為?
喜んで死ぬ?
鶴:そんな醜態を晒すな。
醜態、?
何言ってやがる。
ここまで来て。
負ける方がッ……
醜く、情けねぇだろうが。
カクチョー
テメェの見たい見たくないなんか
どうでもいいンだよ…
イ:早くコイツ殺せよ。
バンッ__。
イ(カクチョーが撃たれた、?)
バンッ、バンッ、バンッ。
オレ、撃たれたな……笑
これが、正解だったよな。
今あるもので十分愛されてた。
十分、1人では無かった。
稀咲、オマエが合ってた。
オレは落ちぶれてた。
大事なモンに気づかねぇくらい。
イ:体が勝手に動いちまった。
カクチョー、ずっと叫ぶなよ。
せっかく、助けてやったのに、
死んだら許さねぇからな
オレは落ちぶれて終わる。
オマエは落ちぶれるな。
オマエが天竺を作れ。
オレらみたいな。
孤独〝だった〟奴らを救うための。
昔からの夢の。
天竺。
落ちぶれたオレはその国には入れねぇけど。
オレの願いだぞ。
オレの為に喜んで死ねるなら。
これくらい。
生きて、クニを作るくらい。
楽勝……だろ。
イ:こんなオレを救えるか?
こんな、零落れもの。
イ:救いようねェだろッ……?
END
コメント
36件
イザナが孤独だったのはきっと事実だったんだろうな 独りじゃないけど独りじゃないのに気づけるような環境じゃないのが間違い 最後は咄嗟に自分の体が動いたことで気づけるとかかっこよすぎだろ かっこよタヒするわ 孤独だった人を救える日がいつか、いつか来ますように そして天竺がいかに尊いのか知った貰えますように
ふふふ、もうこのコメ欄見られないでしょーって事でネタバレ。 これの鶴蝶かマイキーバージョンも出しまーす(〃・ω・)ノ🎉・:*:・。パーン
原作どうりなはずなのにめっちゃイザナについてしれた気がする。 イザナ主役初めて見れたかも……やっぱりはかのやつは見れるかも。最高だったよ。 イザナにもいつか暖かい日がきますようにー