私 「魅上さん!どうしたんですか!?」
魅上さん 「ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!お願い、何も奪わないで!」
魅上さんの身体は震えている。腕は血が滲んでいて、見ているだけで痛そうだった。
私 「大丈夫ですよ!僕は何も奪いませんから!」
私は力いっぱい魅上さんを抱きしめた。
泣き声が徐々に小さくなって、そのまま眠った。
私 「ゆっくり休んでくださいね」
私は魅上さんの頭を撫でた。
魅上さんはホッとしたような顔で眠っていた。
翌日
魅上さん 「ん…此処は…?」
私 「おはようございます。大丈夫ですか?」
魅上さん 「済まない、迷惑をかけて、もう大丈夫だ」
私 「あの…話してくれませんか?どんなになっても、私は味方です」
魅上さん 「…そうか…ただ、お前のせいでは無い事だけは分かってくれ」
そう言って魅上さんは話してくれた。
魅上さん 「私は心臓が弱かったんだ。移植手術をしなければ二十歳になる前に
死んでしまう。その中で親友が私に自分の心臓を移植したんだ。その親友が君と
そっくりだったんだ」
魅上さんはポロポロ涙を流していた。
私は何て声を掛ければ良いか分からなかった。
でも、魅上さんは辛い思いをしてまで私を抱きしめてくれたのだけは分かる。
私 「魅上さん…こういう時、私は何て言ってあげたら良いか分かりません。
それでも、苦しくて、辛かった貴方の気持ちを理解したいんです。
どんなになっても、私は貴方が大好きです。私を絶望から救ってくれたのは紛れもない
貴方ですから。本当に、ありがとうございます。だから今度は、私が貴方を支えますね」
私は本心を伝えた。
泣きじゃくっていた私を抱きしめてくれた。
怒り狂っていた私を助けてくれた、それは貴方だから。
寧ろ大好きな親友と重ねてくれて嬉しかった。
大切な存在になれたから。
魅上さん 「私は情けないな、君に励まされるなんて、私が助けるって言ったのに。
本当に、優しいな。私は君に救われて来たんだ。友人も居ない、支え合える存在も
居なかった。そんな時に君の事を見つけたんだ。私の前で笑ってくれてありがとう。
私の傍に居てくれてありがとう。大好きだぞ」
魅上さんは優しく笑ってくれた。
自然と私も笑顔になった。
私 「ありがとうございます。私も魅上さんの事がずっと大好きです!
これからもずっと一緒に居させてください!ずっと貴方の味方ですから!」
魅上さん 「ありがとう、烏丸、ずっと一緒だからな!」
魅上さんは私を強く抱きしめた。
何処か父親の様に優しい彼の暖かさに触れて、
私は安心して静かに涙を零した。
コメント
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烏丸さん優しいので親友の優さんと重ねて思い出しちゃったんですね。確かに心臓の移植をとても仲の良い神友がしてくれて、しかも子供の時ってなると結構ダメージありますよね😭でも最後はお二人が明るい未来を歩けそうで良かったです!三話も書いていただきありがとうございました!!