テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
段々と、足取りが早くなっていく
いつの間にか、抱えていた枝は手元から落ちていた
遠くから、声が聞こえた
低くて、落ち着いた__” 声 “
『……!』
視界が開けた瞬間、
私はその場で立ち止まった
倒れている千空がいた
声も、表情も、
そこにはもうなかった
大樹は千空を抱いたまま、泣いていた
杠も声を押し殺して泣いている
そのそばには 司が立っていた
__ただそれだけの光景なのに、
胸の奥が、ぎゅっと潰れた
『…せんく、?』
呼ぼうとして、喉が詰まった
私はふらつく足で近づいた
あと一歩で、
手が届く距離だった
司「…苦しんではいないよ 」
司「せめて 友達の君たちが手厚く葬ってくれ」
その言葉を聞いた瞬間、
大樹がふらりと立ち上がり、大きな岩に手をかけた
杠「大樹くん!?」
『な、何してるの…、?』
大樹「心配ないぞ…2人とも
俺は 冷静 だ…!」
杠/自由『「…! 」』
大樹「すまん…もしもの時は…っ」
杠は一瞬だけ目を伏せ、
すぐに顔を上げた
杠「…大丈夫だよ 大樹くん
あの時、約束したんだから…」
杠「きっと上手くいくよ…!そういうのって…っ!」
大樹「…あぁ!ありがとう、杠…! 」
そう言って、大樹は
大きな岩を司の真上へと放り投げた
司は一瞬驚いたが、すぐに冷静さを取り戻し、
大樹から目を離さなくなる
__きっと、あの岩は囮だ
その隙に、
杠が千空の残した火薬の方へと駆け出し、
司に向かってそれを投げつけた
大樹「さらばだ、司!」
その声を背に、
私たちは千空を抱え、森の中へと身を潜めた
空が急に翳り、雷鳴が低く轟き始めた
千空をどうにか生き返らせようと、
大樹はその後も、何分も心臓マッサージを続けている
それでも__
千空は、ぴくりとも動かない
焦ったのか、
大樹は人工呼吸をしようと、千空の体を持ち上げかけた
杠「あっ、!首は、動かさない方がいいかも……!!」
杠が、声を震わせて叫ぶ
杠「さっき……司くんが、首を……!」
杠「千空くん…私の、代わりにぎせいになって…っ」
『杠…』
そう呼んだのに、
それ以上、言葉は続かなかった
だって私が来たときは、
全部が終わった” あと “だったから
まにあわなかったから
あと一歩早ければ
もう少し、早く勘づいていれば
そんなことを考えるたびに、
胸の奥が、じくりと痛む
目の前で大樹が必死に手を動かしているのに、
杠が泣いているのに、
私は__何もできない
助けることも、
代わってやることも、
ただの一言でさえ
私はただ、立っていただけだ
でも__
ほんとに、何も方法はないの?
胸の奥で、焦りがぐっと膨らむ
助ける方法
生き返らせる方法
どんな小さな可能性でもいい
必死に頼りない頭で記憶を掘り返す
… 私は、千空の” 高校時代 “を、隣で見たことがない
千空のことを、分かっているとは言えない
性格も、癖も、考え方も
だからこそ__
『……ねぇ
3700年前の千空と、今の千空って…… 同じ、だった?』
大樹「同じ……って、どういう意味だ…? 」
『えっと、、千空が… 何か、
ヒントを残してたりしないかなって…思ったんだけど、! 』
『だって、何も考えずに終わる人じゃないでしょ、?』
杠「…くび、」
『…!』
杠「千空くん、あの時わざと首に誘うみたくして…
司くんに攻撃させてたのかも…」
一瞬、沈黙が落ちた
大樹「そういえば…
なんであんな首ばっか気にしてゴキゴキ鳴らしてたんだ…? 」
私たち三人は、同時に千空の首元へ視線を落とした
杠「!首のところに石化が少し残って…!! 」
『…!ねぇ、2人とも覚えてる…?千空が言ってたこと、! 』
大樹「あぁ……! 確か、杠の足の石化を解いた時だ…!!
” 石化が戻る時細かい破損は繋がる “って、!!」
杠「大樹くん…!!” 石化復活液 “…!!!」
そう言って、杠は震える手で復活液を大樹に差し出した
ぽたり__
透明な液体が、
千空の首元へと落ちていく
パキッ!
杠「石化が解けたっ、!」
大樹「知ってるぞ…!お前はこんな所で死ぬタマじゃないってな…!! 」
大樹「千空、お前は…!” 人類の文明の希望の星なんだ!! “」
大樹「頼む…!目を覚ませ…!!」