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永遠 / srnk

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永遠 / srnk

1 - 永遠 / srnk

♥

841

2024年08月28日

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onkn / srnk


何を書きたかったのか、

自分でもわからないです。


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


変な時間に起きちゃったな。

時計の針は午後六時をさしていた。

夏だから、まだ外は夕暮れレベル。

冬だったら何も見えないほど暗いだろう。


蛇口の水を出して、胃に流した。

不味い。

都会の水。


再びベッドに横になる。

水は重力に従い、 身体の中で動き回る。

気持ち悪い。

なんか今日メンタルおかしいな。

何となくわかる。

「ニキさーん、そろそろ起き…」

不意に馴染みのある声が響く。

身体の向きを変えると、暇そうにした彼が、ベッドから顔を出してこちらを見ていた。


「ああ、…ごめん…おはよ」

「おはよ」

身体を起こして、再び時計を見た。

針の場所は午前二時をさしていた。


寝たはずなのに、目の辺りが重い。


「…ニキ?どうした?」

顔疲れてるように見える、と指摘が入る。

そんなに?

鏡がないから、確認しようがない。


「そう?気のせいじゃない?」

「そうか…」

なんかまた呟いてるけど、小さくて聞こえない。

また強がっちゃったな。

もし素直に言えたら、

楽になるのかな。



素直にって、何?

何を素直に言うの?辛いって言うの?

そんなの誰にでもある。

なんで辛いかなんて知らない。

自分のことなのに。


「散歩行こうや」

「こんな時間に?」

「おん、 沢山寝たやろ、少しは身体動かせ」

「まあ…いいけど」

なにか企んでる?なんかしたっけな。



「…、」

いや無言過ぎない?


三時。

都会なら灯りが着いているけど、

歩き出した方面は全く都会じゃない方。

少し外れたところにある、

街灯もその他灯りも無い公園。

こんなところあったんだ。

都会は何処も明るいところだと思っていたから、ちょっと不思議。

いや都会住みなんだけど。


目が暗さに慣れてきて、彼の顔が見える。

真顔だけど、優しい顔。


優しく手を引かれ、公園の奥へと歩く。

公園にあるのは、

錆びたブランコと、小さな砂場。

そしてベンチ。

辺りを木で囲まれているから、

闇に包まれた気分だった。



ぎい、とブランコの揺れる音。

ブランコに腰掛けるなり、ちょっとした雑談が始まった。

静かに笑う姿が、綺麗だった。

普段は高い声で笑うのに、

響き渡るのは低い声。

違う一面を見たみたいで、どこか嬉しかった。


「ん、煙草」

「…ありがとう」

休憩がてら煙草を差し出される。

普段は電子だから、なんだか見慣れない。

受け取り横を見ると、ちょうど火を付けている所だった。

上へ舞い上がっていく煙。


ふと目が合った。


「っ、え、…」

頬に手を添えられ、顔が近くなる。

普段は自分から距離を近づけるから、

向こうから来られると、地味に恥ずかしい。


貰い火。

ライターの代わりに煙草の火を移されている。

火を見続ける彼の目。

やっぱり綺麗で。

吸い込まれてしまいそうだった。


「…、はい」

なぞる様に頬から手を離され、

顔の距離も遠くなる。


「ありがとう、」

苦い。

まだまだ自分も子供だな、と思い知らされた。



運良く煙草を捨てるゴミ箱があったので、

二人で捨てた。

火が消えて、再び暗闇に包まれた。



今度はベンチで軽く話した。

雑談…と言うよりかは、過去の二人の話を淡々としていた。

その話を聞いていると、

凄く泣きたくなった。

なんでかは知らない。 考えたくもない。


ぐっと堪えはするものの、返って声が震えてくる。


「…ニキ、?」

「、ごめ、ごめん…、」

心配するかのような声に、反射的に謝ってしまう。

溢れ返る涙。

手に落ちて、冷たくなる。


背中をさすってくれるものの、状態はなおりそうにない。


“ 抱き殺して欲しい “


静かな空間に響く不意に出た言葉。

本能の声。


息が詰まる程、臓器が圧迫される程、

強く、強く抱き締めて欲しい。



縋る様に肩を掴んで、ひたすら泣いた。

顔は見れないけど、彼は動きからしてきっと動揺してる。

抱き殺せ、なんて言われてすぐさま理解する奴はそうそういないだろう。


「…う”っ…、え、」

諦めつつ肩を掴む力を緩めた時。

強く引き寄せられ、抱きしめられた。

どんどん力が強くなっていく。

苦しいけど、暖かい。



この時間がずっと、続けば。


“ ずっとなんてないよ “


頭を、自分じゃない自分の声がよぎった。

いつか終わる。

永遠なんてないと、周りは美化する。

美化された綺麗な言葉。強い違和感。


永遠に縋っていたいに決まってる。



優しくされる度、幸せと終わりが来る恐怖に呑まれていた。

彼の優しさに素直になれない自分が、

何より大嫌いだった。


それが悔しくて悔しくて。

肩に顔を埋めた。



「いつでも甘えにくればええのに」

小さく笑いながら、彼はそう零した。

独り言のような小さな声だった。

脳が一気に回転する。


寂しさには終わりは来ない。

愛しの人と居続ける以上、それは付き物。

彼はそれを理解している。


終わりのないこの寂しさに、いつまでも構う気でいるのだ。

傍に居続けてくれると。


声が出なくて、礼が言えない。

でも、それでも応えたくて、自分も強く抱きしめ返した。



「可愛いなあ、」

突然すぎる愛情表現。

その言葉に、頬が赤くなる。

咄嗟に身を引いてしまった。

引いたはいいものの、しっかりと目が合って。


途端に目を塞がれ、 唇に何かが触れた。

視界が自由になって、前を見ると、

優しい笑顔を浮かべた彼がこちらを見ていた。


その状況理解するのには時間がかかった。

唇に触れたのは相手の唇。

そう理解した瞬間に顔を見れなくなり、慌ててそっぽを向いた。


馬鹿…、



「ニキ?」

「…なんですか、」

そっぽを向いたのが悪かったのか、

あるいは素っ気なく返したからか。

低い声で耳打ちされてしまった。


「愛してるよ」


その瞬間何かが溢れかえってきて。

首元を掴んで、唇を重ねた。



顔を離した時の彼の表情は、

永遠に忘れることがないだろう。


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


なにか出さなきゃって考えた結果です。

焦りは禁物。

この作品はいかがでしたか?

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コメント

4

ユーザー

あ“あ”あ“、好きですほんとに りあるに貰い火してて欲しい

ユーザー

前回に続け投稿ありがとうこざいます、投稿のスパン早くて尊敬ですお茶さんの書くsrnkが解釈一致で好きです待っているので焦らなくて大丈夫ですよ急かしたようなコメントになってすいません

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