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第318話読みました!もうね、六駆の「お金ください!」からの名案詐欺、最高すぎる🤣 いきなりスカレグラーナに門生やして竜人拉致ってくるとか、やりたい放題すぎて笑ったわ。バルナルドさんが「何千年も生きて来た古龍」って自負してるのに「見た事ないものが多くて怖い」ってドン引きしてるギャップがたまらん💀 南雲さんの「後出し正論」も含めて、重くなりすぎない絶妙なバランスで今回も楽しかったです!
アタック・オン・リコの中で、和泉正春が南雲に申し出た。
「南雲さん。小生はこの基地にごふっ。残ろうと思いますがはっ」
「なんだって!? 君の回復スキルはこれからが必要な場面だと言うのに!!」
和泉は「お気遣いは結構でげふっ」と答えて、さらに続けた。
「逆神くんがいる以上、万が一の回復は彼に任せて良いでしょう。なにせ、死の淵から南雲さんを救って見せたのですからげっほげほ。それよりも、多くの怪我人が出てしまっているこの基地の治療に小生は当たりたいのですモルスァ」
「それならば、和泉くんの治療が終わるのを待とうじゃないか! それから一緒に行けば良い! 君だけを敵地のど真ん中に置いて行けるものか!!」
「南雲さん。あなたはとても優しい人です。ですが、その優しさに判断を惑わされてはいけない。既にデスターに駐屯基地崩壊の報が届いているでしょう。そう考えると、我ら急襲部隊に猶予はありません。迅速に大地を駆け、1分でも1秒でも早く軍事拠点に到着をしなければ。あべすっ」
和泉の言う事はもっともだった。
現実問題として、既に軍事拠点・デスターには基地崩壊の一報は届いており、それどころか南雲は身バレすらしている。
まさに飛ぶが如く進軍を再開しなければ、状況は刻一刻と悪くなっていくだろう。
「ううむ。では、もう2人ほど和泉くんに付けるとするか」
「それにも及びません。選りすぐりのメンバーを分散させては愚の骨頂。南雲さんがそれに気付かれないはずがありません。がはっ」
南雲修一は優し過ぎる。
五楼京華や逆神六駆もそう評している。
人間としてそれは褒められるべき長所であり、南雲の人間性が極めて高次元に達している証拠でもあった。
だが、指揮官は時に非情さも求められる。
それでも、南雲修一は優しい指揮官であり続けられる。
何故ならば、彼の傍にはあの男がいる。
「南雲さん! 僕に名案があります!! お金ください!! あ、間違えた! 聞いて下さい!!」
非情さならお任せ。異世界転生周回者の逆神六駆、その人である。
彼は「ちょっと待っててください! 実際にやった方が早いや!!」と言って『門』を出現させた。
◆◇◆◇◆◇◆◇
スカレグラーナ。
そこにはホマッハ族が住む。
かつて逆神大吾が古龍を中途半端に封印し、その結果むしゃくしゃした古龍たちがちょっとヤンチャしたものの、逆神六駆の手によって平穏がもたらされた異世界である。
そのヌーオスタ村に、巨大な門が生えて来た。
「おおおっ! この門には見覚えがある!! おい、誰か! 竜人殿を呼んで来い!!」
「分かった! おおおおい! バルナルドさん!! 来てくれー!!」
竜人・バルナルドが本日の警備を担当している。
3人の竜人はシフト制でスカレグラーナの地を守り、1人が仕事をしている間に2人は趣味の時間を過ごす。
竜人・ジェロードは鍛冶にハマっており、竜人・ナポルジュロは超巨大なボトルシップを作っていた。
「うぬっ! この煌気は間違いない! 卿は逆神六駆!!」
「どうもー! お久しぶりですねー! えーと、あなたは金色だから、バルナルドさんだ!!」
ついにミンスティラリア以外の異世界も自分の都合で使い始めた六駆。
だが、それを咎める者はスカレグラーナにはいない。
「おお! ナグモと違って救いの神! サカガミ!!」
「ナグモ、最近また返事ない! サカガミは来た!」
「再会のバトルロイヤルを開催するぞ!!」
ホマッハ族は既に六駆を見たら思考放棄して歓迎するレベルに到達していた。
「卿が再びこの地に参られるとは。一体何事であるか?」
「いや、ちょっと人手が足りなくてですねー。竜人さんって3人いるじゃないですか! 誰か1人でいいので、ちょっと来てくれないかなって!!」
「余は卿に命を救われた身。卿の求めとあらばどこへでも馳せ参じるが。いずこへ行けと申すか?」
「キュロドスって異世界です! ちょっと今、戦争やってるんですよ! メンバー足りなくて!!」
「……少しだけ考える時間をくれぬか。……戦争? 怖いではないか」
バルナルドはテレパシーでジェロードとナポルジュロを呼び出した。
結構ガチのトーンで呼びかけたので、2人ともすぐに飛んできたのは幸いだった。
「これは逆神六駆。壮健そうで何より。貴公とまた会えるとはな」
「貴公は未だに戦いに身を投じておられるか。まっこと、生まれついての戦士の家系よ」
気付けば3人の竜人が勢ぞろいしていた。
「よくぞ参った。ジェロード。ナポルジュロ。内容はテレパシーで申した通りだ。逆神六駆が竜人を1人所望しておる。よって、我らの中の誰かが代表として出向く必要がある。それが恩人に対する義であろう」
「では、バルナルド殿。頑張ってきてくれ。こちらの世界で応援している」
「我もご一緒できず残念至極。バルナルド様の奮戦を期待しておりまする」
「どうして余が行く流れになっておるの? 卿ら、冷たくない? ここは普通に考えて、話し合いか、それでダメならくじ引きとかするであろう?」
「本日のシフトはバルナルド殿ではないか。これは異な事を申される」
竜人たちの間では既に上下関係が撤廃されており、古龍そうなヤツはだいたい友達、古龍そうなヤツとだいたい同じ。
シフトをガッチリ厳守する姿は、バイトテロなどと言う凶行に及ぶアルバイトたちに見本として提示したい。
「じゃあ、バルナルドさん! ちょっと戦争に付き合って下さい!!」
「……待て。いや、待たれよ。逆神六駆。卿の言う戦争について、まずはだいたいの規模と範囲と危険性について知りたい。ひとまず、見積もりを出してはくれぬか」
「またまたぁ! 何千年も生きて来た古龍が何言ってるんですか! 戦争って言っても、ちょっと強い人間同士のヤツですから! 竜人なら、余裕、余裕!!」
「確かに余は数千年の時を古龍として生きて来た。が、竜人としてはまだ、1年の時も過ごしてはおらぬ。つまり、その部分がデリケートではないか?」
「バルナルド様。お早く。我はボトルシップの帆を張るのに忙しゅうございます」
「ナポルジュロ……。卿、昔はそんな風じゃなかったではないか……」
竜人バルナルドは、その金色に光る翼を六駆に掴まれる。
軽いタッチで触れて来たのに、絶対に逃がさないと言う確固たる意志を感じたバルナルド。
「仮に翼がもげたとしても、多分この男は余を連れていくだろう」と悟った彼は、だいたい正しかった。
活きの良い竜人を捕まえて、六駆は再び『門』をくぐった。
◆◇◆◇◆◇◆◇
「さ、さ、逆神くぅん!! 君ぃ!! どこ行ったのかと思ってたら、スカレグラーナ行ったの!? で、バルナルド様連れて来ちゃったの!? ダメだよ、戦争によその異世界巻き込んだら!! ルベルバックの時はやむを得なかったけど、今回は協会本部に増援頼めば良かったじゃないか!!」
南雲修一、そのセリフがあと30分早く出ていれば、こんな事にはならなかったのに。
「……ナグモ? ……余は何をすれば良いの? ……見た事ないものが多くて、結構な勢いで怖いのだが」
「ああ! すみません! これは移動要塞で逆神くんが作りました! こっちの瓦礫はさっきまで敵の基地で、なんやかんやあって崩壊しました!!」
数千年の時を生きた元古龍が、ドン引きしていた。
「ヤダ、人間って本当に恐ろしい。優しいスカレグラーナの民って本当に素晴らしい」と心の中で何度も反芻したと言う。
メンタルが若干心配ではあるが、竜人・バルナルドは戦力としてはこの上ないほど強大である。
六駆は彼に和泉の護衛を任せるつもりでいるのだが、アトミルカとの戦いのパワーバランスがこの瞬間、また少し動いたのだった。