『LOVE&HATE』
蓮と喧嘩をした。
普段温厚で仲の良い2人がこんな事になるとは、メンバーたちも信じられなかっただろう。
喧嘩の原因、それはほんの些細なすれ違いだった。
関係が長くなり、忙しいと言う状況に甘えてしまっていたのかもしれない。
🌺「もう俺たち、メンバー同士に戻ろう」
🦊「…奨くんが俺と別れると?そんなの無理に決まってる」
🌺「俺はもう…蓮を好きじゃない」
🦊「…そっか」
それが蓮と話した最後の記憶。
どうしてあんなに冷たく突き放してしまったのだろう。
それから数日、蓮とは仕事以外で目も合わせない日々。当然言葉も交わさない。
自分で下したはずの決断だったが、深い後悔の日々で奨は日に日に生気を失っていく。
それを見ていたメンバーたちからは、蓮とのよりを戻すよう説得されるが、こちらから別れを切り出しておいて今更どうこうできるわけもない。
部屋で1人になれば何度も思い出す。
本当は好きだった。
JO1が軌道に乗り始め、俺と蓮が付き合っていることが世間に知られては、グループとして影響を与えてしまう可能性があると、事務所から言われてしまったのだ。
蓮に相談すれば良かったのかもしれないけれど、きっと付き合い続ける為にどうするか考えるだろう。
今後も長くグループを存続させる為には、こうするしかなかった。
俺は永遠に忘れられないだろう…
あの目…あの唇…
謝れば、元に戻れるのか…?
社長に直談判すれば…
だけど、最近の蓮は俺と2人きりになるのを極端に避けていたり、仕事の話以外は全くしない。
謝るタイミングを図って近づけば、2人の距離はより遠ざかる。
練習終わりにマネージャーから明日はオフだと告げられた夜、奨の部屋のテーブルには空の酒瓶が大量に並んだ。
もう蓮との全てを忘れてしまえば、楽になれるのかもしれないと、酒を飲んだ。
そして蓮に電話をかける。
自分が何を言ってるのかも分からない呂律の回らない声で蓮を呼ぶ。
避けられているし、来るはずがないのに。
ガチャ
🦊「奨くん?!」
あぁ…蓮…
これは夢か…俺の都合の良い…
🦊「もうほら、ベッド行くよ。こんなところで寝て、風邪でも引いて仕事できなくなったらどうすんの」
こんな夢の中でも仕事のことを気にする蓮。
もう彼の中に俺という存在は無くなってしまったのだろうか。
蓮に肩を抱かれてベッドルームに連れて行かれる。少し触れたところがジンジンと熱くなる。
もうまっすぐ歩けないほど視界が歪み、足がもつれ、大きく体が傾いた。
バサッ
事故とはいえこの状況。
酒で朦朧とした頭では、夢なのか現実なのか区別もつかない。
別れた選択がもう正しかったのか間違いだったのかも分からなくなった。
気がついた時には、ベッドに蓮を押し倒していた。それなのに目の前の蓮は冷静で、付き合っていた頃なら…
🦊「し、奨くん…////」
顔を赤らめて首に腕を回して俺を求めてきていたのに。
🦊「俺が憎い?」
ニヤリと口角を上げながら見つめてくる“元”恋人は、まるで別人のようで。
俺の全てを見透かしているような余裕の笑みを浮かべている。
🌺「…あぁ」
見つめられた魅惑的な瞳に、思わず吸い込まれそうになる。 忘れられるわけがない。
🦊「シて…?」
吐息混じりの甘い小悪魔な囁きに心を奪われる。
いつの間にか立場が逆転した2人。
バクバクと音を立てる心臓と、かろうじて繋ぎ止めていた理性の糸を引きちぎられた奨は、もうどうしたって止まれなかった。
唇を貪るように奪いながら、互いにはやる気持ちを抑えながらいつもより乱雑にシャツのボタンを外していき、服を床に放り投げていく。
一糸纏わぬ姿に奨はまた心を奪われる。
こんなに美しい人が自分の手で乱れていく様に、誰が抑えられるというのだろうか。
それでも、相手に辛い思いはさせたくないので、まずは指を、と思っていたが…
🦊「解さなくていい…もう…してきたから//」
🌺「ごめん。もう耐えられない」
ズププッ
🦊「あ゛ぁァァ//♡」
蓮の中はまだ奨の形を憶えていて、熱く絡み付いて奥へ奥へと誘ってくる。
奨は中のひだを全て擦り上げるようにねっとりと腰を動かした。
たとえこれが最後になっても、蓮が自分をもっと思い出すように。
🦊「ぁ、んっンンッ、ァァしょ、くっ ハァ、ンンッ//♡」
🌺「蓮…ッ」
蓮の細い体に覆い被さり、折れそうなほど強く抱きしめながら、激しく中を掻き回す。
耳元で聞こえる蓮の高い鳴き声すらも興奮材料。
忘れていた人生のMUSE
🦊「ァッ、アァッきてぇ…//」
蓮だけが俺の生きる理由
深く口付けて、ぎゅっと抱きしめたまま、蓮の1番奥にドクドクッと種を植え付ける。それと同時に蓮も果ててくたっとベッドに体を沈めた。
男同士では意味がないけれど、ずっと蓮の中に俺という存在があるようにと神に祈るように、終わった後も引き抜く事なく抱きしめ続けた。
この人は俺の苦渋の決断を簡単にひっくり返す。 憎くて、愛おしくて、絶対に離れられない。
🌺「蓮…俺、蓮なしじゃ生きていけない…」
🦊「ふふ…もうそれ俺のこと、好きでしょ」
🌺「……好きじゃない」
🦊「じゃあもうしない。碧海にしてもらう」
🌺「ダメ。蓮は一生俺の」
🦊「もー、なにそれ」キュイキュイ
たとえ2人がJO1である限り、“恋人”には戻れなかったとしても、“愛してる”と言えなくなったとしても、もう一度強く抱きしめた奨の背中で、蓮は満足そうに笑う。
奨が別れを切り出す前から全てを知った上で、2人が離れないようにと仕掛けた事だったのだということを、再び恋人に戻ったその日まで奨が気付くことはない。
コメント
1件
よなれんだ!! よなさんお酒飲んでるとか有り得んくらい刺さります よなれん幸せで居て