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あーるただ書いてみたい‥の部屋

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あーるただ書いてみたい‥の部屋

3 - 水白嫉妬あーる?もどき?ある。

♥

1

2025年08月05日

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ふははは(深夜テンションです((



水白のやつかいた‥できるだけ…あーるはいれたつもり‥だと思う!



くんをつけるのがめんどくなったんで‥


呼び捨てで書いてます✨️✨️


ご了承くだサーイ!



それではどぞ!

















「誰にも渡さない」


 昼下がりの教室は、柔らかい陽射しに包まれていた。

 日直の仕事を終えた僕――ほとけは、少し遅れて教室に戻ってきた。


 その光景を見た瞬間、胸の奥がつんと痛んだ。


「ええやんええやん、しょうくん、次も一緒に遊びに行こ!」

「ほんま、あんな面白い男子、初めてやわ〜!」

「もっかいあのゲームやって〜、ほら、あの変な関西弁のやつ!」


 笑い声。

 教室の隅で、女の子たち数人がしょうちゃんを囲んでいた。


 その中心にいる彼は、困ったように笑っていた。

 けれど、その表情には嫌悪も警戒もない。

 むしろ、あのしょうちゃんらしい、いつもの「人たらし」な笑顔だった。


「……」


 胸の中に冷たい何かが流れ込む。

 指先がひやりと痺れた。


 僕と話してるときには見せない顔。

 誰にでも優しいのは、知ってる。

 でも――僕の知らない“しょうちゃん”が、そこにはいた。


 ぎり、と奥歯を噛みしめた。

 見ないふりをしようとした。でも、できなかった。


 放課後。

 廊下を歩くしょうちゃんの背中を見つけた僕は、無言でその袖を掴んだ。


「……いむ?」


「ちょっと。話があるの。こっち来て」


 僕の声がいつもより低かったのか、しょうちゃんは珍しく逆らわなかった。

 僕の手を引かれるまま、空き教室に入っていく。


 ドアが、がちゃん、と閉まる音がして、僕たちは二人きりになった。


「なあ、いむ? なんや急に。そんな怒った顔して……」


「しょうちゃん」


 呼びかけた声が、震えていた。自分でも気づいて、びっくりする。


「なんで……あんなに、他の子と楽しそうにしてたの……?」


「え?」


「僕の知らない顔、してたじゃん。……笑って、手とか振って、からかわれて、嬉しそうに……っ」


「……いむ?」


 しょうちゃんの顔が曇る。

 でも、僕は止まれなかった。


「僕の前では、そんな顔しないのに……なんで……? 僕のしょうちゃん、だよね……?」


 知らない。こんな声、僕知らない。

 吐息みたいに震えて、感情が滲んで。

 でも止まらない。


「誰にも渡したくない。しょうちゃんは、僕のものだよ……?」


「いむ、ちょ……ま、待って、近いって――」


 たった一歩踏み出すだけで、しょうちゃんの背中が壁にぶつかった。

 目の前で、彼の瞳が揺れている。

 その目を見て、僕ははっきりと自覚した。


 ――ああ、僕、嫉妬してるんだ。


 心の中で膨れあがった感情が、理性を飲み込んでいく。

 抑え込んでいた“好き”が、暴れ出す。


「お仕置き、しないとね……しょうちゃん」


「……え?」


 襟元に、指先を這わせる。

 軽く引っ張ると、制服の第一ボタンが外れた。

 しょうちゃんの喉仏が、こくんと上下する。


「そんなんせんでも、俺、ちゃんと……」


「だめ。さっきまで、あんなに楽しそうにしてたじゃん。……だから、お仕置き」


 そう囁くと、しょうちゃんが肩をすくめた。

 震えてる。でも逃げない。

 僕に対して、ほんの少しの罪悪感があるのだろうか。


「……ほんま、いむって、そういうとこ……ずるいわ」


「うん。ずるい僕のこと、もっと見て。……しょうちゃん」


 耳たぶに唇を近づけ、そっと吐息をかけると、彼の肩がぴくりと跳ねた。


「――ひゃっ……! な、なにすんねん……!」


「声、出しちゃダメ。誰か来たらどうするの?」


「う……」


 制服の隙間から、指先を忍ばせる。

 心臓の鼓動が、手のひらに伝わる。


「こんなにドキドキしてる。……僕のせい、だね?」


「……うるさいわ……いむのせいやろ、全部……」


「うん。しょうちゃんの全部、僕のせいでいい」


 こつんと額を預ける。

 鼓動と呼吸が混ざって、境界が曖昧になっていく。


「ねえ、しょうちゃん。……僕のこと、見て。ほかの誰でもなく、僕を」


「……見とるやろ、最初から」


「ううん。まだ足りない。足りないから、こうするの」


 首筋に、唇を落とす。

 くすぐったそうにしょうちゃんが震える。


「いむ……、ほんま、もう……やばいって……!」


「やばくないよ。……好きだから」


 指が、熱を帯びた肌を撫でるたび、しょうちゃんが息を呑む音が愛しい。

 僕だけが知ってる、彼のこんな顔。


 唇の隙間から、小さな声が漏れる。


「……やらしい声、出してる。しょうちゃん……」


「い、言うなっ……!」


「可愛い」


「言うなっちゅうてるやろっ……!」


 その顔があまりに愛おしくて、笑ってしまった。


「じゃあ、もっと言わせてよ。……僕の、可愛いしょうちゃん」


 唇が重なりそうな距離で、息を合わせる。

 しょうちゃんの目が、ほんの少し潤んでいた。


 その瞬間、教室の扉の外から誰かの足音が聞こえて、僕たちは慌てて離れた。


 しょうちゃんの制服は少し乱れていて、僕の頬はきっと真っ赤だった。


「……つづきは、また今度」


「……っ、もう知らん……っ」


 しょうちゃんが目をそらしながら、でも逃げずにそこにいてくれたのが嬉しかった。







「僕にだけ、鳴いて」


 ――カチャ。

 放課後の準備室の鍵を閉める音が、廊下にこだました。


 人の気配が完全に消えたこの空間で、しょうちゃんは僕の腕の中にいた。

 さっきの教室では中断されたから、僕はこの場所を選んだ。


 誰も来ない。

 誰にも邪魔されない。

 ここで、しょうちゃんは僕だけのものになる。


「……なあ、いむ。ホンマに、こんなとこでええん?」


「いいよ。……しょうちゃんが、“鳴く”ところを、誰にも聞かれたくないから」


「……っ、いむ、マジで……今日のん、ちょっとおかしない……?」


「しょうちゃんが悪いんだよ。僕の知らない顔、たくさん見せて……僕、我慢できなくなった」


 そう言って、襟元に手をかける。

 ボタンを一つずつ外すたびに、指先にしょうちゃんの体温が伝わってくる。


 服越しじゃなく、肌に直接触れるたびに、しょうちゃんの呼吸が甘く乱れる。


「……ひゃっ……い、む、そんなん……!」


「声、出ちゃってるよ……」


 耳元でささやくと、しょうちゃんは顔を真っ赤にして、唇を噛んだ。

 けれど、抗わない。


 むしろ――ゆるく腰を引こうとするその動きが、余計に煽ってくる。


「逃げないで」


「……逃げてへん……けど……」


 素肌に触れた僕の手が、彼の背中をなぞる。

 ゆっくり、確かめるように、骨のラインをなぞる。

 その度に、しょうちゃんの身体が微かに震える。


「……熱い、ね」


「当たり前や……いむが、そない触るから……」


「僕が触ったから、しょうちゃん、こんなになってるんだ……?」


 意地悪に囁きながら、首筋に舌先を這わせると、しょうちゃんがびくん、と跳ねた。


「ぅあっ……! い、むぅ……!」


「声……我慢できないの?」


「ちゃう、そんなん……っ、くぅ……!」


 口を塞ぐようにキスを落とす。

 唇を吸って、絡めて、柔らかな音が教室に響いた。


 ちゅ、くちゅ、と生々しい音が、僕の背中をゾクリとさせる。

 彼の唇の温度、舌の動き、息の混ざる感じ。

 すべてが、僕を昂らせる。


「なあ、いむ……なんで、そんな、優しい顔して……」


「しょうちゃんが可愛いから。……全部、僕だけのものにしたいって思ったら、自然とこうなる」


「独占欲……やばすぎやで……」


「うん、僕、自分でも怖いぐらい」


 指先が、しょうちゃんの腰に回り込む。

 布越しに感じる体温と、しっとりとした汗。


 下唇を軽く噛んで、僕はさらに強く引き寄せた。


「ねえ、しょうちゃん。……全部、僕に教えてよ。どこが気持ちいいのか、どこがだめなのか……」


「っ……、そんなん……、聞かんでも……」


「わかるようにしてよ」


 その言葉の直後、僕はしょうちゃんの耳元で、少しだけ強く吸い付いた。

 チュッという音が響いて、しょうちゃんの身体が跳ねる。


「いむっ……や……もう、ほんまに、ムリやって……っ」


「まだ、やめない。……だって、しょうちゃん、もっと感じてるじゃん」


「……っ、くぅぅ……!」


 自分でも信じられないぐらい、声が甘くなっていた。

 いむにしか見せない表情、いむにしか聞かせない声。

 それが、僕をとんでもなく満たしてくる。


 シャツがずり上がり、肌が露わになる。

 しょうちゃんの細い腰に、僕の指が絡まる。


「いむ……、俺、もう……っ、変になるぅ……っ」


「変にさせてあげる。……僕だけが、しょうちゃんを、こうするんだ」


 肩口に噛み付くように唇を押し当てる。

 しょうちゃんの指先が僕の背中をぎゅっと掴んだ。


「……いむ、いむ、いむっ……」


 呪文みたいに名前を呼ばれて、僕はもう限界だった。


 この人を、誰にも渡したくない。

 この声も、肌も、震えも、全部僕だけのものだ。


「もう……しょうちゃん、ほんとに鳴き声、エロすぎ……」


「うるさい……っ、そんなん……!」


 でも、しょうちゃんの顔は、赤く染まりながらもどこか緩んでいて。

 僕に触れられて悦ぶ、その反応が、僕のなかの熱をさらに煽ってくる。


 ――しばらくして。


 乱れた服を直しながら、しょうちゃんは小さくぼやいた。


「もう、俺のこと、誰にも取らへんって……わかったから……」


「うん。でも、また他の子と喋ってたら……そのときは、もっと、ね?」


「……っ、ド変態」


 そう呟いたしょうちゃんの耳は、真っ赤だった。







 準備室の時計は、誰にも気づかれない静けさの中で、ゆっくりと針を進めていた。


 肌と肌が触れ合う、密閉された空間。

 もう何も遮るものはなかった。

 しょうちゃんの制服は脱がされ、僕の手の中で無防備になっていた。


「……はぁ、……いむ……、見んといて、そんな……」


「どうして? 可愛いのに。……全部、見せて」


 肩越しに、舌先を這わせる。

 ぴくんと跳ねたしょうちゃんの背中を、愛おしさで強く抱きしめる。


 指先が腹部を滑り、細い腰のくびれをなぞる。

 熱くなった肌が僕の掌に吸い付くようで、触れるたびに溶けてしまいそうだった。


「こんなに……敏感だったんだね。……触れるだけで、こんな声……」


「や、あっ……ちが、いむ……っ、それ、そこ……っ、やば……!」


 しょうちゃんの声が、喉の奥で裏返った。

 震える太腿に触れ、密かに硬くなった箇所へと手が近づいていく。


「……ねえ、ここ……どうしたの?」


「っ……み、見んなや……! ……うぅ、恥ずかし……」


「僕がしたんだよ? こんなになってるの、僕のせい。……ね?」


 指でなぞると、しょうちゃんが苦しげに息を呑む。


 びくびくと反応するその場所。

 そのたびに、しょうちゃんの手が僕の服をぎゅっと掴んだ。


「なあ、いむ……もう、それ……やばい……、奥が……ずっと……ひくひくして……!」


「じゃあ……奥まで、僕が触れてあげる」


「っ、ま、待ってって……そ、そんなん、入るわけな……っ――!」


 指先を湿らせてから、やさしく、慎重に、しょうちゃんの奥へと触れていく。

 最初は戸惑っていたのに、ゆっくりと馴染んでいく。


「……ちゃんと、受け入れてるよ……しょうちゃんのここ、僕のこと覚えてるみたい」


「い、言うなや……そんなん……っ、あぁぁ……!」


 中を探るように、くちゅり、と濡れた音が響いた。

 快感に打ち震えるしょうちゃんの身体が、僕の腕の中でくずれていく。


「はぁ……いむ……もう、ムリ、身体が、勝手に、くぅ……!」


「声、もっと聞かせて。……僕だけに鳴いて」


「い、む、いむっ……やばいって、もう、でる……!」


「……いいよ。……僕の名前、呼びながら、全部、出して」


「いむぅっ……っっっ……あぁぁぁあっ……!」


 しょうちゃんの絶頂が、僕の掌の中で熱く弾けた。

 震える身体を支えながら、額をそっと重ねる。


「……全部、僕のだよ。……しょうちゃん」


「……うん……、いむの、だけや……もう、誰にも渡さへん……」


 目を閉じながら、小さくそう呟くしょうちゃんの頬に、優しくキスを落とした。



 しょうちゃんの身体が、ぐったりと僕の腕に預けられる。

 けれど、まだ終わりじゃない。

 むしろ、ここからが“始まり”だ。


 目を細めながら、僕は耳元に唇を寄せる。


「しょうちゃん……まだ、僕のを感じてないでしょ?」


「っ……、いむ……それは……」


 かすれた声で、言葉を濁すしょうちゃん。

 でもその目の奥には、怯えと期待が綯い交ぜになった光が、しっかり灯っていた。


 僕は制服のズボンを緩めながら、そっと問いかける。


「ねぇ、入れていい?」


「……ぅ……いむなら、ええよ……」


 その返事だけで、胸が痛いくらい高鳴る。

 身体じゃない。心まで、僕に向けてくれているんだ。


 準備室の机の上にバスタオルを広げて、その上にしょうちゃんをゆっくりと横たえた。

 脚を優しく持ち上げ、少しずつ開いていく。


「見て……全部、僕を受け入れようとしてる。しょうちゃんのここ、すごい……綺麗だよ」


「い、いむっ、言わんといて、そんな……! は、恥ずかしいぃ……!」


「でも、しょうちゃんが一番感じてるじゃん」


 とろけるように熱く、濡れて、誘うように脈打っている。

 僕の指で慣らしたその奥へ――

 いよいよ、僕自身をゆっくりと当てて、慎重に押し入っていく。


 ぬるりとした熱が、僕の中心を包み込んでいく感触。

 それだけで、もう息が詰まりそうになる。


「っ……あっ、く……!」


「しょうちゃん……痛くない?」


「ちょっとだけ……でも、大丈夫……きて、奥まで……」


「……ありがとう。じゃあ、ゆっくり……動くね」


 腰を静かに押し進めるたびに、しょうちゃんの身体が小刻みに震える。

 きゅう、と締めつけるような感触が、僕の理性を奪っていく。


「……すごい……ぴったり……僕の形、覚えて……」


「いむっ……それ、言わんとってって……やばい、ほんまに……気ぃ狂うっ……!」


 ずん、ずん、と中を抉るたびに、ぴちゃりと水音が響く。

 しょうちゃんの目尻から涙が滲んで、でも口元はほんのり緩んでいた。


「しょ……ちゃん、可愛い……気持ちいい?」


「うん……気持ちええ……気持ちよすぎて、こわい……」


「大丈夫……僕がずっとそばにいるから……」


 僕はしょうちゃんの手を強く握って、リズムを深く、そして激しくしていく。

 ガクガクと揺れる身体を、腰で支えて、声で包む。


「いむっ、あっ、も……ムリぃ……おく、おく、きもちいいの、止まらへん……!」


「……僕も、もう限界……しょうちゃんの中、熱すぎて……」


「いって……いってええよ、いむ……俺で、いって……!」


「っ……しょ、うちゃんっ……!」


 刹那、僕の全身が弾けた。

 しょうちゃんの奥深くに、熱を放ちながら、重なった体温の中で、深く息を吐いた。


 汗ばんだ身体と身体が、密着したまま重なり合う。

 どちらからともなく、額を合わせ、静かに唇を重ねた。


「……しょうちゃん、僕に全部くれて、ありがとう」


「……いむやから、やで」


 そう囁いた彼の声は、どこまでも甘く、どこまでも優しかった。


 もう、絶対に離さない。

 この身体も、心も、声も、全部。

 しょうちゃんは、僕だけのもの。




「動けないの、好きでしょ?」


 夕方の教室。橙色の光が差し込む中、カーテンを閉めた窓の内側で、僕はしょうちゃんを机に座らせた。

 その手首を、柔らかい体育用のタオルで机の足に縛る。ぎゅっ、と結ぶと、しょうちゃんが目を見開いた。


「……え、なに、いむ? ほんまに、これ……」


「ちゃんと動かないようにしてあげる。しょうちゃん、自分がどれだけ無防備か、わかってないでしょ」


「……っ、そんなん、俺は……」


「今日の昼、あの女の子と何話してたの?」


「べ、別に、なんもや……! 絡まれただけで、俺は……!」


「……ほんと? じゃあ、僕に何されても、文句言わないね」


 そのまま、しょうちゃんのシャツのボタンをひとつずつ外していく。

 驚いた表情をしながらも、抵抗できない手首。

 布がずるりと滑り落ち、白い肌がゆっくりと露わになっていく。


「なあ、ほんまにこれ……やばいって……俺、ほんまに……!」


「やばいのはこっちのセリフ。……しょうちゃん、僕のこと、ちゃんと見て。動けない君を見るの、たまらなく好き」


 首筋にキスを落とすと、しょうちゃんが小さく震える。

 耳元、鎖骨、胸元へと、舌先を滑らせながら、わざと音を立てて吸い上げた。


「ぅあ……っ、そんなん、音たてんといて……っ!」


「いやだ。音で、自分がどれだけ乱れてるか教えてあげる」


 指先で、シャツの内側をなぞる。

 乳首に触れると、ぴくんと全身が跳ねた。


「ここ……感じるんだ。可愛いね」


「そんなん言うな……あかん、あかんって、俺……!」


 指で転がすように撫でると、しょうちゃんの脚が机の上でぎゅっと閉じられる。

 でも逃げられない。手首は縛られ、体は僕の腕の中。


「ほら、ここも、こんなになってる。……全部、見えてるよ」


「や、やめて……! 見んとって……そんなん、いむ以外に見せたことないのに……!」


「……僕だけの、しょうちゃん。もっと可愛くしてあげる」


 制服のズボンを降ろし、下着の上から、やわらかく指でなぞる。

 そのたびに、しょうちゃんの喉から、くぐもった吐息が漏れた。


 ――ぬるり。


 下着の隙間から、指先を差し込むと、すでにじっとりと濡れている感触があった。


「もうこんなに……濡れてる。ここ……締まってる。気持ちいい?」


「いむ、いむっ……あっ、そ、そこあかんって……!」


「ダメじゃない。しょうちゃんの中が“もっと欲しい”って言ってる」


 その奥を、指でゆっくり撫でる。

 ぐちゅりと湿った音が鳴り、しょうちゃんの目尻に涙が滲む。


「こわい……っ、こんなん……俺、変になってまう……!」


「なっていいよ。僕が、責任とるから」


 指を2本、ゆっくりと中へ。

 しょうちゃんが背を反らせ、机の上で身体を震わせる。


「やば、いむ……っ、奥、くる、くるぅ……!」


「いい子。じゃあ、このまま、僕の全部……受け取って」


 下着を脱がせ、しょうちゃんの奥に、自分の熱を押し当てる。

 寸前で止めると、しょうちゃんが震えた声で懇願してきた。


「……お願い……入れて……。いむの、欲しい……」


 僕はそれを聞いた瞬間、すべてを捧げたくなった。


「解放の音がする」


 僕の熱を、しょうちゃんの奥に当てたまま、しばらく動けなかった。しょうちゃんの身体がびくびくと震えていて、僕の名を呼ぶ声が、かすれて耳元に届く。


「いむ……ほんまに、入れるん……?」


 その声が、涙まじりだった。  けど、それは拒絶じゃなくて、期待と、覚悟と、僕だけに見せる脆さだった。


「うん……しょうちゃんが欲しい。全部、繋がりたい……」


 小さくうなずくしょうちゃんの唇にキスを落としてから、腰を少しだけ押し込む。


「っ、あ……っ、うぁ……っ」


 きゅう、と奥が僕を締めつけてきて、浅い息が互いに交差する。


「大丈夫……ゆっくり、慣らしていくから……」


 しょうちゃんの手首は、いまだに机に縛られているまま。けれど、その無防備な姿が、僕をたまらなく興奮させた。  彼のすべてが、僕だけに晒されているという現実。


 腰をゆっくり、慎重に進めていく。ぬるりとした感触と、狭く熱い内部が僕の理性を焼く。


「いむ……しんどい、けど……気持ちええ……来て、奥まで……」


 甘くねだる声に、僕の腰が突き動かされる。  ぐっ、と奥まで入った瞬間、しょうちゃんが全身を跳ねさせて、口を開けたまま息を飲んだ。


「あぁぁっ……っ、やばい……いむ……っ、なんか……お腹の奥、響いてる……っ」


「しょうちゃん……すごい、可愛い……全部締めつけてくる……」


 手首を縛ったままの彼を見下ろして、僕は彼の身体を抱きしめるようにしながら、リズムを刻み始めた。


 ずん、ずん、と抉るたびに、ぬちゅりと水音が響く。汗が額を伝い、しょうちゃんの涙が頬をつたう。


「もう、ムリ……っ、気持ちよすぎて、わからん……っ、あかんて、いむ……俺……っ」


「いいよ、何も考えなくて。感じて、僕のことだけ」


 僕は彼の唇を塞ぎながら、奥を深く、深く抉る。  しょうちゃんの太腿が震え、足の先までビクビクと跳ねている。


 手首が動けないぶん、全身で感じているのが伝わる。自由を奪われた快楽。


「……っ、いむ、いむ、いむぅ……っ!」


「……僕の名前、呼びながらイって……」


「いむっ、もう、くる……くるっ……っ、イクッ……!!」


 しょうちゃんの身体が強張って、限界の波が襲う。  僕はそのタイミングを逃さず、同時に絶頂を迎えるように、腰を強く打ち込んだ。


「っ……ああぁぁ……しょうちゃん……!!」


 重なるように熱を放ち、二人の身体が震える。  しょうちゃんの奥に、僕のすべてが流れ込んでいく。


 ……それは、心まで繋がるような、甘く、重い瞬間だった。


 呼吸を整えながら、僕は彼の手首の布をほどいた。赤くなった痕に、そっとキスを落とす。


「……痛くなかった?」


「ううん……それより、なんか……幸せすぎて、こわい……」


 しょうちゃんは、微笑みながら僕に身体を預けた。


「俺、動けへんかったけど……いむに全部、委ねるの……気持ちよかった……」


「……しょうちゃんは、僕だけのものだよ」


「……うん。いむだけに、俺、縛られてたい……」


 その言葉が、甘く、胸に刺さった。


 自由を奪っても、なお僕を信じてくれるその姿に、僕はもう、二度と彼を手放せないと思った。


 放課後の教室には、まだ二人の余韻が、静かに漂っていた。





「とろけるのは、君と果実のどっち?」


 窓を少しだけ開けた室内に、夜の湿気と、甘い果物の香りが溶け合っていた。


「なあ、いむ……なんで桃なん?」


「柔らかくて、ジューシーで……しょうちゃんに似てるから」


「……アホや」


 でも、頬を染めながら目をそらしたしょうちゃんを見て、僕はにやりと笑った。


 手に持っていた冷えた白桃を、ナイフでゆっくりと切り分ける。断面から溢れる果汁が、ねっとりと滴って、皿の縁を濡らす。

 ひと切れをつまんで、しょうちゃんの唇に持っていった。


「……あーん」


「……そんなん恥ずかしいわ……」


 そう言いながらも、しょうちゃんは素直に口を開けてくれた。

 桃の果肉が唇に触れ、前歯でそっと噛み切る。すると、果汁が唇の端から、とろりと零れた。


「ほら……こぼれてる」


 僕はしょうちゃんの頬へ唇を寄せ、果汁を舐め取った。


「っ……な、なにして……!」


「甘い……しょうちゃんの肌と混ざって、余計に美味しい」


 次の一切れは、わざとしょうちゃんの鎖骨に置いた。

 冷たさに驚いて声を上げたしょうちゃんが、身じろぎする。


「うわっ、つめた……! なに、こんなん、いやや……!」


「動かないで……溶ける前に、食べちゃうから」


 そのまま、唇で桃をつまみ取り、しょうちゃんの肌ごと舌でなぞる。

 果汁が首筋に伝って、肌にねばついた光沢を残す。


「っ……あ、かん、って……そこ、くすぐったいし、変な感じする……」


「気持ちいいんでしょ。しょうちゃん、耳まで赤い」


 次は、下腹部へ。へその少し下、敏感な皮膚の上に、また一切れ。

 じんわりと溶け出す果汁が、下着の端を濡らしていく。


「やっ……あ、かん……そんなん、下に垂れる……!」


「しょうちゃんのここが……桃の蜜で濡れてくの、すごく綺麗だよ」


 下着の上から指でなぞると、果汁と体温とで布地がしっとりと染まっている。

 そのまま、下着の内側に指を滑り込ませた。


「うぁっ……っ、いむ……冷たいのに……ひゃ、って……なる……!」


「冷たいけど、中は……すごく熱いね」


 果汁まみれの指を、そっと敏感な先端に当てる。ぬるりと滑って、しょうちゃんが喉を鳴らした。


「もう……ムリやって……いむ、もう……やばい、俺……」


「まだ終わりじゃないよ。今度は、いちご」


 手元の皿からいちごを取り、今度はしょうちゃんの太腿の内側に置いた。

 そのまま、唇と舌で押し潰すように果汁を垂らし、ゆっくりと舐めとっていく。


「やっ、そっちは……そっちはほんまに……! だめや、いむぅ……っ」


「しょうちゃんの“いちばん甘いところ”、教えて」


 指を中へと滑らせながら、口で先端を愛撫していく。

 ぬるりと果汁が混ざり合い、舌と肌の感触が重なって、しょうちゃんの身体が何度も跳ねた。


「いむ、もう……くる……っ、あかん、俺、いってまう、いって……!」


「いっていいよ、しょうちゃん。全部、僕に味わわせて」


 その瞬間、しょうちゃんが果実のようにとろけて、僕の腕の中で甘く崩れていった。





「ん……ぅ、いむ……くん……っ……もう……もたへんて……っ」


 絞り出すような声が、口からこぼれる。

 薄いTシャツの襟元は、汗でぐっしょりと濡れて、しょうちゃんの呼吸に合わせて上下していた。


 視界は黒。アイマスクで完全に遮られ、部屋の光も、自分の姿も、いむくんの表情さえもわからない。


 けれど、それが余計に、感覚を研ぎ澄ませる。


 ……ビィッ……。


「ッあ……っ……っ! ……や、また……!」


 唐突に下腹部に走る振動。

 小さなローターが、薄布越しに敏感なところを撫でるように震える。


 しょうちゃんは両手を縛られた状態でベッドに仰向けになっていて、身体を動かすこともできない。

 もがくたびに、布団が汗で湿っていく。

 どこかで、小さく操作音が鳴る。


 ――それだけで、いむくんが近くにいることを知る。


 でも、触れてくれない。

 声も出してくれない。


「いむくん……いむくんっ……もう、あかんて……! なあ、見てへんの……? 俺、めっちゃ……っ……っは、っ、くるし……っ」


 足先が震える。

 ローターが強弱を変えて、間をおいて、また振動を与える。


 息が漏れるたび、胸がぎゅうっと締め付けられていく。

 羞恥と熱、それから、自分が反応してしまっていることへの自己嫌悪が混ざり合って、どんどん涙が滲んでくる。


 ――ほんまは、もっと優しくしてほしい。

 ――手ぇつないで、キスして、「好きやで」って言うてほしい。


 けど、それを求めたら、いむくんは微笑んでこう言った。


「だったら、僕以外のことで満たされない身体にしてあげるよ」


 ……ビィ……ィィ……。


「ッッああっっ……っっ……いむくん……っ……やめぇ、やめてぇ……!」


 ゆっくりとした振動が、熱を持った部分を揺らしていく。


 もう頭がぼうっとして、何度も同じことを繰り返していた。

 両脚は本能的に閉じようとして、けれど縛られた体勢のせいで、それすら叶わない。


 耳鳴りがする。

 でも、はっきりと聞こえるのは、振動の音と、自分の声だけ。


 自分がどれほど乱れてるのか――いむくんがそれを、どんな目で見てるのか――


 わからないことが、怖い。

 でも、怖いのに、もっと、って思ってしまう自分が、いちばん怖い。


 何度目かの振動のあと、ふいに、すべてが止まった。


 ローターの音も、空気のざわめきも、いむくんの気配も――


 全て、ぴたりと静まり返る。


「……えっ……? いむくん……?」


 急に訪れた沈黙に、しょうちゃんは震える唇で声を発した。


「ややや、やめへんの……? なあ、そこまで……させといて……」


 返事はない。


「なあ、嘘やろ……? ここで、放置なん……?」


 涙が頬を伝う。

 目隠しの裏で、瞳が震える。

 熱と恥ずかしさと、いむくんに見捨てられたかもしれないという不安で、胸がぐちゃぐちゃになる。


「いむくん……俺、ほんまに……もう、あかん……って……っ、好きやから……こわい、……なあ……っ」


 と、次の瞬間。


 耳元で、微かな吐息。


「……しょうちゃん、声出しすぎ。可愛すぎる」


 ぞくりとした。


 息を呑むより早く、いむくんの指先が、しょうちゃんの顎をそっとすくい上げる。

 そこにあるのは、ようやく感じられる“体温”。


「泣いてるの、全部見てたよ。ちゃんと、僕だけの顔になったね」


「っ、いむくん……うわぁぁぁ……」


 しょうちゃんは、何も言えずに泣き出した。

 目隠しのまま、いむくんに顔を寄せて、頬をすり寄せる。


「ごめんな、ようがんばったな」


 初めての、優しいキス。

 熱を帯びた唇が触れるだけで、しょうちゃんはくたくたに力を抜いた。





「……なぁ……もう、触れてもええやろ……」


 声にならないほどの熱に、しょうちゃんの唇が震える。

 仰向けにされ、汗と涙で濡れた頬を、いむくんの指がそっとなぞった。


 ベッドの上、ローターはすでに外されている。

 あれほど責められたのに、ようやく肌に触れられる今――


 しょうちゃんの心も身体も、限界を超えていた。


「もう、あかん……全部、いむくんのせいで……俺、変になってもうた……」


 縋るように小さな手が、いむくんのシャツを掴む。

 目隠しは解かれたが、視界は涙で滲んでいた。


 いむくんは黙ったまま、しょうちゃんの額にキスを落とす。


「……しょうちゃん、可愛すぎるよ。泣いてるのに、欲しがってる顔してる」


「そんなん……言わんといて……っ、うち、もう……恥ずかしくて、穴あったら入りたいわ……」


「入れてあげるよ? ……僕の腕の中に」


 甘くささやいたあと、いむくんは首筋へ唇を押し当てる。

 ちゅ、と音がして、しょうちゃんの身体が跳ねた。


「ぁ……っ、や……いきなり、そんなん……」


「しょうちゃんの好きなとこ、ぜんぶ知ってるよ。……ここも、でしょ?」


 指先が、汗ばんだTシャツの上から乳首をなぞる。

 びく、としょうちゃんの身体が揺れる。


「~~っ……っ、なんで、……なんでや……っ、ほんまに、あんた、ずるい……」


「僕だけがしょうちゃんのこと、こうできる。誰にも触らせない」


 唇でなぞる。舌先で撫でる。

 Tシャツ越しに、もう一方の乳首も弄ばれ、しょうちゃんはどんどん声が漏れていく。


「はぁ……っ、くるしい……いむくん、あったかい……っ、ぬくもり、ほしかってん……」


「……待たせたもんね。でも、今は全部あげる。僕だけのしょうちゃんに」


 シャツの裾をゆっくりとたくし上げながら、いむくんの指が腹のくびれをなぞる。

 過剰な刺激はない。ただ、優しい温度とゆっくりとした支配が、しょうちゃんの心を蕩かしていく。


「服、脱がせるね。……全部、僕に見せて」


「っ、……あ、あかん……顔、見んといて……っ、今の俺、ぜったい、エロい顔してる……」


「それが見たいの。だって、僕のしょうちゃんでしょ?」


 耳元で、息がかかる。

 吐息だけで快感が駆け上がる。

 指先が太ももをなぞり、ショーツの上からそっと撫でるだけで――


「ひぁっ……あ、かん……また、っ、また、きてまう……っ」


「いいよ。気持ちよくなって。僕の手で、何度でも」


 やっと触れてもらえたことが嬉しくて、苦しくて、涙が溢れて止まらない。


 いむくんの手は、いやらしくないのに、どこまでもいやらしい。

 愛されるたび、快楽と一緒に“安心”が流れ込んできて、しょうちゃんの身体はもういむくんのものだった。


「ほら、しょうちゃん。ちゃんと僕を見て」


「……ふ、う……いむくん……俺、もう、あんた以外、いらん……」


「知ってる。しょうちゃんは、僕のものだよ」


 キスが落ちる。今度は深く、長く、熱いキス。

 舌と舌が絡まなくても、心が丸ごと、溶けあっていくような。


 いむくんの手がしょうちゃんの背を撫でるたび、震える身体が「もっと」と求めてしまう。


 さっきまでの放置が嘘みたいに、優しく、甘く、支配してくれる。


 そして、しょうちゃんは思うのだった。


 ――この人の愛に堕ちてしまって、もう、戻れない。


【エピローグ】


 朝になっても、ベッドから起き上がれないしょうちゃんを、

 いむくんは腕の中に抱きながら、ずっと「好きだよ」と囁き続けていた。


 もう、放置も、ローターも、支配も――ぜんぶ、愛の一部だった。




 鏡の中には、泣きそうな顔のしょうちゃんがいた。


 スポットライトのように蛍光灯が頭上に一本だけ灯っていて、あとは夜のスタジオに深く影が落ちている。反射したガラスの向こうに、もう一人の自分――いや、**“いむくんに見せられてる自分”**がいた。


「ほら、こっち向いて。顔、隠さない」


 背後から、いむくんの声。低くて静かで、けどどこまでも命令口調。

 首筋を撫でるように指先が這い、しょうちゃんの顎をぐいっと持ち上げる。


「な、なんで鏡の前なん……っ、こんな、恥ずかし……っ」


「しょうちゃんが、どんな顔して気持ちよくなってるのか、ちゃんと見ててほしいから」


 いむくんの手が、しょうちゃんのウエストを抱くように回される。シャツの上からなぞるだけなのに、指の熱だけでぞくりと背中を震わせてしまう。


「恥ずかしがってる顔も、乱れてる顔も……いちばん可愛いから。ぜんぶ、鏡に映して。僕にだけ、見せて」


「……っ、も、もう、やめて……いむくん、そうやって……っ、俺のこと、めちゃくちゃにして……」


「めちゃくちゃにされたいって、しょうちゃんが言ったんだよ?」


 耳元にふっと息がかかる。


 そのたった一瞬だけで、しょうちゃんの目尻が潤む。


 鏡の中で、いむくんに抱きかかえられたまま、膝をくずして座り込むしょうちゃんの姿がくっきり映っている。

 自分の顔がこんなに色っぽくなるなんて、思ってもなかった。


 ……いや、いむくんにしか、こんな顔は見せたことがない。


「服の上から触れるだけで、こんな反応して……。可愛い、しょうちゃん」


「っ、う、うそや、こんなん、俺……普段は……っ、あんたが、変にさせるからやんか……っ」


 そう言いながらも、指先がシャツ越しに胸元を撫でられると、小さく息が漏れてしまう。


 いむくんの手はどこまでも優しく、でも逃げられないほどの圧で、じわじわとしょうちゃんを追い詰めてくる。

 音を立てずに、感覚だけを研ぎ澄ませてくる。


「しょうちゃん、見て。ちゃんと、目、開けて。……映ってるよ、自分がどんなふうに感じてるか」


「う、うそやろ……っ、ほんまに見んの……?」


「見なかったら、もっと意地悪しちゃうよ」


 脅しでも、冗談でもない。

 いむくんの声はいつだって、実行する。


 しょうちゃんは覚悟を決めるように、指で涙をぬぐってから、目をそっと開いた。

 そして、自分がいむくんにどんなふうにされてるか――鏡越しに見てしまった。


「あ……っ、うそ、俺……そんなん顔、して……」


 羞恥で顔が真っ赤になる。


 けれど、いむくんの手は止まらない。シャツの裾をめくり、腰を撫でながら、鏡越しに視線を合わせる。


「気持ちよさそうな顔してる。……鏡に映ってるのが、本当のしょうちゃん」


「やめてぇ……見せんといて……」


「ダメ。僕だけに見せて。しょうちゃんは、僕だけのものだから」


 どこも脱がされていないのに、なぜこんなに恥ずかしいのだろう。


 その理由は簡単だった。


 いむくんの目が、まるで全部を見透かしてくるから。


 誰にも見せたことのない顔、甘えた声、ふるえる腰……

 ぜんぶ鏡に映って、ぜんぶいむくんに見られている。


「鏡にキスして」


「……は、?」


「今のしょうちゃん、すごく可愛いから。……自分で自分に、キスして」


「……っ、そんな、無理……っ、変態やん……っ」


「しょうちゃんが可愛すぎて、変態になるくらい好きになったんだよ」


「……あかん、そんなん言われたら……俺、ほんまに……あかん……」


 羞恥と快感と、甘さと、いむくんの支配と。


 いろんなものが一気に押し寄せてきて、しょうちゃんの目がまた潤んでいく。

 そして、震える唇のまま、鏡に映る自分の頬へ――キスを落とした。


「……偉いね、しょうちゃん。めちゃくちゃ可愛いよ」


「もう、限界や……いむくん……はよ、ぎゅってして……」


「うん。……今日はもう、壊れるくらい、甘やかす」


✦ エンディング


 鏡の中には、ぎゅっと抱き合った二人が映っていた。

 もう羞恥も、戸惑いもなかった。ただ、熱と愛情だけが、静かに溶けあっていた。




 その日、しょうちゃんは昼休みに他のクラスの女子に囲まれていた。


「ねえねえ、しょうちゃんって、彼女いるの~?」

「もし彼氏だったらどうする?」

「え、もしかして、あの静かな男子と仲良いってウワサの……」


 からかわれて困って笑っていた彼の顔を、いむくんは離れた廊下の端で見ていた。


 そして放課後、静まり返った図書室。

 しょうちゃんは突然、腕を引かれ、書庫の奥へと連れていかれる。


「え、い、いむくん!? なにっ……急に、どないしたん……!?」


「声、抑えて。誰かに聞かれたら困るでしょ」


 声は静かだけど、いつもと違うトーン。

 強引に本棚の陰へ押し込まれ、壁に背を押し当てられるしょうちゃん。


「きょ、今日……なに怒ってるん……?」


「……怒ってない。嫉妬しただけ」


 いむくんの指が、制服のネクタイをゆっくり緩めながら言った。


「昼休み……女子に囲まれて、あんな顔してたでしょう。楽しそうだった」


「……あれは、俺が勝手に捕まっただけで……! いむくん以外に、興味なんか――」


「それでも、見せてほしくなかった」


 唇が近づく。

 目の前にあるのは、分厚い棚と、古い本の匂い。

 けれどすぐそばには、息がかかるほどの距離で睨むように見つめる、いむくんの瞳。


「見せて。……今から、僕にだけ、全部」


「……え、ここで……?」


「ここだから、いいんでしょ」


 いむくんの指がしょうちゃんのシャツのボタンを外していく。

 第一、第二、第三――と、無音の中でひとつずつ肌が露出していく。


「や、あ、ほんまに……っ、いむくん、ここ、あかんて……っ」


「誰も来ない。見つかったらどうするかって、想像してドキドキしてるくせに」


 耳元に熱い息がかかる。

 それだけで、しょうちゃんの心臓が跳ねた。


「違うって……! 俺は、別に、そんな……っ」


「じゃあ……なんでこんなに熱くなってるの?」


 指先が、露出した鎖骨の下をなぞる。

 ゆっくり、ゆっくりと。


 しょうちゃんは顔をそむけて言葉を飲み込む。

 だけど、いむくんは構わず、言葉でもう一段階、縛りつけてくる。


「しょうちゃんは、僕に支配されるのが好きなんだよ。……ね?」


「そ、そんなん、好きとかちゃうし……っ」


「嘘。今だって――すごく可愛い顔してる」


 手が制服の中を滑り込む。

 そして、肌に直接、ぴたりと掌が触れた瞬間――


「っ、くぅ……っ!」


 しょうちゃんの膝が、ほんの一瞬、カクンと折れる。

 それをいむくんが抱きとめながら、くすっと笑った。


「すぐ反応するんだね。しょうちゃんの身体、ほんとに素直」


「っ、そ、それ、あんたのせいやろ……!」


「うん。僕だけのしょうちゃんだから、もっと素直になって」


 いむくんの手が、しょうちゃんの制服のスカート――じゃなくて、男子のズボンのウエストにかかる。

 でも脱がさない。

 その上から、じわじわ、ゆっくり、なぞる。


「ぅ、や、あかんって、そんなっ……! あ、ほんまに……っ、あかんてば……っ」


「ダメじゃない。……しょうちゃん、どこがいちばん気持ちいいか、自分で言って?」


「っ、い、言えるかボケ……っ、こんな場所で、そんな……!」


「じゃあ、もっと焦らすね」


 いむくんの指が止まる。


 その瞬間、しょうちゃんの表情がぎゅっと崩れた。


「っ、……や、やめんといて……動かんほうが、余計しんどい……っ」


「だったら、言って?」


 しょうちゃんの目が潤む。


 羞恥に濡れた声で、震えながら、やっと小さくつぶやいた。


「……いちばん、奥、のほう……っ」


「ふふ。えらいね」


 いむくんはようやく、優しくしょうちゃんを撫でた。


 時間はゆっくり過ぎていく。

 外では部活の音、笑い声。

 でもこの小さな書庫の空間では、いむくんの声としょうちゃんの息だけが満ちていた。


 誰にも知られない。

 けれど、誰かに見られてしまうかもしれない――そのスリルと、

 何より、いむくんにだけ支配される幸福感が、しょうちゃんの中に甘くしみこんでいく。


✦ エピローグ


「……なぁ、いむくん……」


「ん?」


「こんなんされて……俺、もうあんたに支配されすぎて、どっか壊れてまうわ……」


「壊してるんじゃなくて、ちゃんと僕が“作ってる”んだよ。……しょうちゃんの全部を、僕好みに」


「……ほんま、ずるい」


「しょうちゃんが、いちばん可愛いから」





次回は水桃(桃水)♡100でいかせてくれ((













17000字おつかれさまんさ〜!




…結構頑張ったくない?



ほめろほめろ((




つぎは‥水桃(桃水)かく!



♡指定なのは…あーるってかくの疲れるから((





それでは 〜!

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っふあああああ!!! まじで尊いッッッ! もう美しい(?)

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