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水 × 赤
微 ホラ ー 。
地雷さん 、 ホラ ー 苦手さん 🔙 推奨
7歳 の夏 。 廃神社の裏山で水と遊んでいたあの日を思い出す 。
「 …… み ー つけた 。 」
俺が木陰を覗き込むと 、 水が飛び出してくる 。
「なんで ー ? ! 赤くん 、 水のこと見つけるのはやすぎ ! ! 」
「 水は隠れる場所が単純だからな ー 」
「 ね ーー 、 もう 1回 ! ! 」
「 しゃ ー ね ー な 」
あの頃は 、 それだけで幸せだった 。
だけど 、 成長するにつれて俺の家では 「 まだ赤い糸は見えないのか 」と責められる日々が続くようになった 。
運命の相手と結ばれる赤い糸 。
それが見えない俺は 、 いつしか息苦しさに押し潰されていた 。
もうあれから 10年 も経ってしまった夏の夕方 。
水に呼ばれて昔よく遊んだ廃神社へ行くと 、 水が嬉しそうに駆け寄ってきた 。
「 赤くん ! ! 聞いて ! ! 」
その顔は 、 子どもの頃と変わらない笑顔だった 。
「 あのね 、 水 、 赤い糸が … ! ! 」
その瞬間 、 俺の中で何かが切れた 。
「 …… なんで 」
「 え ? 」
「 なんでお前ばっかりなんだよ … っ 」
水が驚いて口を開く 。
「 違う 、 赤くん 、 聞いて ____ っ 」
だけど 、 俺は聞かなかった 。
聞けなかった 。
怒りと嫉妬と苦しさが一気に溢れ出し 、 水を突き飛ばしてしまった 。
水の身体がよろめく 。
次の瞬間 。
顔を逸らした俺の背後からゴッ …… という鈍い音が響いた 。
岩に頭を打った水は 、 そのまま動かなくなった 。
「 水 … 水 っ ? ! 」
何度呼んでも返事はない 。
怖くなった俺は 、 水を神社の裏山に埋めた 。
誰にも知られないように 。
全部なかったことにする為に 。
家に帰った俺は 、 ふと自分の左手薬指に赤い糸が結ばれていることに気付く 。
信じられなかった 。
両親に報告する 。 父親に抱き締められた 。
「 … ようやくか … 」
その言葉が 、 胸を刺した 。
そういえば父親に抱き締められたのはこれが初めてだな 、 と思った 。
運命の相手を見つければ 、 きっと救われると思った 。
だから必死に糸を辿った 。
糸は 、
あの廃神社へ続いていた 。
嫌な予感がした 。
心臓が痛いほど鳴る 。
それでも足は止まらない 。
糸の先 。
そこは ____
赤い糸は土の中へ伸びている 。
全てを理解した 。
水が言おうとしていた言葉も 。
なぜあんなに嬉しそうだったのかも 。
俺はその場に膝から崩れ落ちた 。
涙が止まらない 。
あの頃 、 水と一緒にかくれんぼをした裏山で土を握りしめながら 、 俺は震える声で呟く 。
「 …… 見つけた … 」
にゃん
コメント
1件
あ、これ1話で完結してるやつですね。読み終わってしばらく呆けてました。7歳の夏の無邪気なかくれんぼと、10年後の「見つけた」が同じ言葉で重なる構造が凄く巧い。水が言いかけた「赤い糸が見えた」がまさか自分と主人公を結ぶものだったとは……嫉妬と怒りで突き飛ばしてしまったあとに、ようやく自分の指に糸が現れて、辿った先が土の中。切なさと背筋が冷える感じが同時に来ました。「父親に初めて抱き締められた」の一文も、家族のプレッシャーを感じさせて胸が痛い。設定の裏の設計がしっかりしてて、とても好きです。