テラーノベル
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終わったあと、ベッドで音楽を聴くのが好き
選曲はその日の気分によって違う
ノリが良い曲のときもあるし
しっとりとした曲のときもある
これが僕の余韻の浸り方
もちろんイヤホンをして
隣のやつを起こさないように
チソンはいつもすぐに寝てしまう
普段はそうでもないのに…
移動の車や飛行機に乗っても
練習室で休憩してるときも
収録の控室での待機中も
他のヒョンたちがウトウトしてても
ひとりだけ起きてるようなタイプ
深夜にいきなりインスタライブを始めても一番に早起きするようなやつ
もちろん末っ子というのもあるんだろうけど、いつも神経質なほどまわりに気を配っている
座ってじっとしているより、立ってうろうろしているほうが落ち着くみたいな変なところもある
常にあちこちに電波を張っているような感じ
それが僕の前でだけ
僕とふたりでいるときだけ
僕とこういうことして終わったときだけ
まるで電池切れみたいになってすぐに寝てしまう
まぁ、気を許してくれているのだと思うと別に悪い気はしない
こいつのこんなところ見れるのも多分僕だけなんだろうし
今日はポップスを聴こうか
弾けるみたいな電子音が気持ちいいやつ
じゃれ合ってる最中のリズミカルに軋むマットや、滲んで光る汗や、小刻みに漏れる声の感じと頭の中で重なる
チソンとするのはゲームやスポーツをする感覚とも似ていて、楽しくておもしろくてすっきりするんだ
もちろん多少疲れはするけど、リフレッシュできるみたいな
多分僕らの相性も良いんだと思うけどね
くすぐり合って、いろんなとこに口付け合って、お互いの気持ちいいところを探り合って、ちょっと無理そうな体勢(体位ってゆーの?)にも挑戦してみたりして
声出したら負けとか、先にイったほうが奢りとか、そうやって楽しんでる
色っぽいのとか、そういうのないない
遊んでるのの延長みたいな感じ
まぁ元々最初にしちゃったときもそうだったし
隣のやつがもぞもぞと動いて寝返りをうつ
うっすらと開いた目がこちらを見上げた
「…寝てたのかと思った」
「チョンロの声で目が覚めた」
「うそ、無意識に鼻歌でてた?ごめん」
チソンは自分の腕を枕にして頭を起こした
「何聴いてるの?」
「えっとね、」
イヤホンの片方を外して相手の耳にはめようとすると、その手をぎゅっと掴まれる
「いい、チョンロが歌って」
リクエストにお応えして、流れる曲に合わせて少しだけ口ずさむ
隣には満足気に微笑む顔
「もっと近くで聴きたい」
「へ?」
掴まれていた腕が引かれたと思えば、そのままぐいっとシーツの中に引き摺りこまれた
覆いかぶさるようにされて、何度も降ってくる唇
「んぁ…ふ…っ」
「チョンロの声、好き」
「っ…口塞がれたら歌えないんだけど」
「んはは」
そのまま甘えるみたいに体重を預けてくるので、重くて苦しくて少し抵抗してみる
でも逃がしてはもらえず、腕の力は強まるばかりで降伏せざるをえなかった
頭を捕らえた大きな手がふわっと髪を撫でて耳の輪郭をなぞる
イヤホンがコロッと外されてベッドサイドに置かれた
「ね、チョンロ…もっかい、”ゲーム”したい………」
「…すぐ電池切れになるくせに」
「え?」
「んーん、なんでもない」
この長い指と低い声と厚い唇が
いつも僕を負けにする
コメント
7件
めっちゃいいやん