テラーノベル
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あなたを誘えなくても
※Ωバース
🌸side
打ち明けるのが怖かった。
シクフォニとしてみんなで活動していく上で、俺だけが迷惑ばっかかけちゃうのが嫌だったから。
いるまはαだった。
Ωという性も大嫌いだし、αも苦手。
活動を始める前、会社で襲われた。
ヒートを上手く管理できないから、αの上司の言うことを聞くしかなかった。
ある日、上司が俺と番になりたいと言った。
その時、俺は会社を辞めれた。
優しいβの先輩が、俺を逃がしてくれた。
それでもΩという性が変えられない以上、この性を隠さないといけないと思い、抑制剤を乱用した。
その結果───
俺はフェロモンが出なくなった。
活動を始めて約1年が経ってもこの嘘がバレることはなく、毎日夢へ向かって走っている。
───なのに。
4月18日、事件が起こった。
同じメンバーのなっちゃんのヒートが来た。
それも配信中に。
なっちゃんも、Ωなことを隠してた。
リスナーさんにバレないようにとか、αのいるまを遠ざけたりとか、とにかく大変だった。
👑)と、とりあえず配信止めな!
☔️)こさめ止める!
🍵)ありがとこさめちゃん!ほら、いるまちゃんあっちの部屋行くよ
📢)ん”っ…
🍍)…ッ///
…なんで?もうヒート来てから結構時間経ってるよね?
なんで…抑制剤を飲むどころか、取りに行こうとすらしないの?
🌸)…なっちゃん抑制剤は?
🍍)…ない、
🌸)じゃあ俺の飲める?
🍍)え?でもらんって…
🌸)いーの。
🍍)…ちょっとトイレいってくるッ
🌸)あ、うん…
珍しいタイプのΩだなぁ…
Ωなら抑制剤常に持ち歩くのが普通なのに。
あ、部屋は別れてるとはいえいるま大丈夫かな…
すちいるから大丈夫だと思うけど、念の為いるまんとこ行っとくか
ガチャ
🌸)いるまぁ?だいじょうb…え?
📢)ちょ、やめろって!ヤバいからっ///
🍵)ひまちゃん!早く離れて!
🍍)ねぇいるま俺じゃだめ…?
🌸)…なっちゃん?
🍍)あ…らん…
🍍)…ッいるま、
🍍)お願い、俺の番になって。
📢)は…?
🍍)番の意味…分かるだろ?
🍍)ねぇ…噛んで
🍍)もうッ辛いッ…ポロポロ
🍵)ひまちゃん…
📢)はぁっ…はぁっ…
あぁ、本気なんだ。
なっちゃんは本気でいるまが好きなんだ。
番になるってことは、生涯を共に過ごすってこと。
抑制剤を我慢してたのは自身の放っているフェロモンでいるまを誘うため。
なっちゃんはもう体をいるまに預けてるし、あんな近距離にいてαのいるまが我慢できるわけもない。
…でも、嫌。
分からないけど、いるまの番がなっちゃんになるのが許せない。
特別な関係になるのを拒みたい。
ごめん。自分勝手で。
でも恨まないでね、なっちゃん。
…ほんとは俺も、いるまが好きなの
🌸)ドンッ
🍍)…ッ
📢)らん…?
🌸)バッ(抑制剤を飲ませる)
🍍)んっ…はぁっ…
📢)…終わっ、た?
🌸)うん、終わったよ、なつのヒート。
📢)ありがとな…らん、
🌸)…別に。なっちゃん、ちょっと来て
🍍)…うん
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