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あれ?

ここ、何処だろ?

寒い…え?国内?

何で?さっきまでロシアと…

ん?ロシア?

待って、今何処にいるの?

「んぁ…ロシア…?」

目に前に拡がっている景色は、さっきまでとは異なり、真っ白な雪の世界だった

「は…?どういう事…?」

さっきまでヨーロッパにいたはずだ

なのに…何で…

「よ、露帝!」

「誰…!?」

真っ白な世界に黒が見える

だってそれは…

「え…?プロイ…セ…」

「んぁ?どうした?」

信じられなかった

だって、だってだって…

プロイセンは…プロイセン王国はもう既に死んだってのに

ましてや僕みたいに現国に取り憑いて現世にいる訳じゃないのに

「ど、どうして…?」

「はぁ?お前今日おかしいぞ?」

どうして、目の前にいる?

「お前寒くておかしくなってんのか?ほら、おいで」

プロイセンは両手を広げる

抱きつきたい、私だって抱きつきたいよ

でも、おかしいじゃん、こんな事ありえないもん

「?、早く来いよ」

「ッ…あ…」

アホらしいじゃないか、こんな、こんな偽物

こんな偽物なんかに…私は騙されない…

懐に入れてあるナイフを震える手で取り出し、自分の頭に向ける

「は?露帝?お前何して…」

「うるせぇんだよ偽物ッ!!!!」

力任せに自分の頭にナイフを突き刺す

怖かった、確かに怖かった

でも、あの人の偽物に騙される方がよっぽど怖かったんだ

大好きな、大好きな先輩の偽物なんかに騙されてたまるか…




「…..はッ…?」

気が付くと、そこはベッドの上だった

「じいちゃん?起きた?」

「ロシア…うん、起きた」

近くにある椅子に座り、紙に何かを書いているロシアの姿が見える

「ここ何処?」

「ホテルだよ、覚えてない?疲れて寝ちゃったじゃん」

「あぁ…確かにそうだった気がする」

フランスまで向かう途中でオスマン達に会って、はしゃぎ回って、寝ちゃったんだった

「ベラは今近くで買い物してきてくれてるから」

「ん、分かった」

「…あー…何か甘い物食べたいな、ベラに頼も…」

「甘い物…マカロンとか?」

「うわぁお…さすがお出しするものが高級だ…」

「フランス姉様によく食べさせてもらってたからね」

フランス姉様と同盟国になってからの記憶は、他の記憶より一層濃い気がする

勿論、プロイセンやオーストリア帝国兄さんと過ごした日々の記憶だって大好きだし、一生忘れる事は無いだろうけど…

フランス姉様は、きっと僕にとって特別だったんだろう

「また会いたいな…」

ポツリと本音がこぼれる

「…誰に会いたいんだ?」

「大切な人」

「大切な人ね…ま、大切な人は誰でも会いたいよな」

「ロシアにとって大切な人って誰?」

在り来りな質問だ、でもなんか気になった

「えぇ…?そりゃあベラとかカザフみたいな兄弟達もそうだけど…やっぱり…大切な人聞かれたら父さんが真っ先に出てくるかな」

「……あぁ…あの子ね…」

ロシアの返答で、嫌な記憶が脳みそに出てきた

大好きな息子に殺された記憶

どうやって殺されたんだっけ、首切られたんだっけ、出血多量だっけ

普通じゃ考えない様な考えばかりが脳みそで渦巻く

「…あっ!?ごめんじいちゃん!絶対嫌な気分になったよな…」

「いや、良いよ。あれは僕の実力不足だったって事で…」

実際、あれは日本に負けてドンドン弱くなってしまった事も原因の一つな訳で、文句を言える立場では無いだろう

「ふふ…楽しいね…」

「え?何が?」

「戦争の事とか微塵も考えずに人とお話できるってこんなに幸せなんだって思って…」

「…..」

体が段々重くなる

なんか、死んじゃう直前みたいに

「幸せだなぁ…いいな…こういうの…」

何でだろ、声も上手く出せなくなってきた

「……..」

あぁ…また寝ちゃうんだ…

「おやすみ、ゆっくり休んで」

ロシアの優しい声が聞こえた気がする

そういう事、死んじゃう直前にも言われたかったなぁ…

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