テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
・何でも許せる方向け・出てくる全てのこと、物、人に関係なし
・ドドド捏造
・青井×つぼ浦CP表現有り
・多分もう付き合う
・キスあり
上全て理解出来た方のみお読み下さい。
青井とつぼ浦が夏祭りに行く話。
「どこ行こっか。」
ふと聞き馴染みのある声がして、目を開ける。
目の前には、普段つけている鬼面を外した、浴衣姿の青井。
『ン…あ、?』
「どしたのつぼ浦。大丈夫?」
『いや、えっと…はい。大丈夫です。…、ここどこだ?』
ザワザワとした雰囲気で、周りを通り過ぎる人達は私服の人もいるが、浴衣姿も見かける。
カコンカコン、と下駄の音。
チャリンチャリン、と金を落とした音。
遠くからセミの鳴き声、風鈴の音。
太鼓の叩く音、笛が吹かれる音。
人々の楽しそうな声。
夏特有のむわりとした熱気。
屋台で焼かれる美味しそうな匂い。
暖かく照らす提灯の光。
周りを見回した感じでは、どうやら祭りのようだ。
「ほんとに大丈夫?お祭りだよお祭り。一緒に来たじゃん。疲れてる?」
『あ、いや、…そう、だったな。すんませんちょっとぼーっとしてました。』
「んふふ、まぁ最近つぼ浦疲れてそうだったもんね。今日はいっぱい楽しもうね。」
『あー、うす。』
何故自分がここに来たのか、何故青井と来たのか。直前の記憶も何もかも分からないが、青井にゆるく手を引かれ優しく微笑まれると、そんな些細な事は虚空に溶けてなくなった。
「ねぇつぼ浦、やっぱり祭りといえば屋台でしょ?なんか買おうよ。」
『なら俺は焼きそば食いたいぜ。あと唐揚げとポテトと、わたあめ、りんご飴、それからー、』
「多い多いw 荷物多くなるから、その中からふたつに絞って?」
『ふたつゥ?そうだなぁ…』
先程から緩く吹く風に乗せられ、沢山の美味しそうな匂いが流れてくる。うーーーーーーん……。ガツンと鼻に来る焼きそば、甘くちょっとした味変のりんご飴。よし、このふたつに決まりだな。
お願いしようと青井の方を向くと、ちょうど青井もつぼ浦のことを見ていたらしく、ばちっと目線が合う。
「ん、決まった?」
『あ、はい。焼きそばとりんご飴にします。』
「りょーかい。いいね。俺にもちょうだい。」
『え〜〜』
「別にいいでしょ!俺が奢ったげるんだから。」
『えマジすか!あざす!』
またゆるゆると手を引かれ、焼きそばの屋台につく。
「おっちゃん、焼きそばお願い。」
「あいよ!」
手馴れたようにお願いした後、浴衣の袖からがま口財布を出し、五百円玉を机に置く。
『え、アオセンがま口財布なんすか?』
「そうそう、浴衣に合わせて来たんだよ。」
『へぇ〜!和風で洒落てますね』
「そう中々いいでしょ?」
『いいっすね』
屋台のおっちゃんが焼きそばを作ってくれている間、2人はしょうもない、いつも通りの会話を重ねる。2人とも減らず口なので会話が止まる事は無い。
温かくて良い香りのする焼きそばを貰う。おっちゃんに礼を言って、次はりんご飴を買いに行く。青井は奢ったのだからとつぼ浦に焼きそばを持たせる。
「お姉さん、りんご飴ください。」
甘い香りが漂っているその店の定員に声をかける。
「もちろん!素敵なお兄さん達!…あら、もしかして、お2人はカップルですか?」
明るい定員の女性は、手を繋いでいる青井とつぼ浦に勘違いをしたようだった。
『あ、いや、』
「ふふ、実はそうなんです。最近付き合ったばっかりなんですよ。」
否定をしようとしたつぼ浦に被さるように、青井は繋いでいる手を定員に見せながら肯定する。
「あらあら素敵!なら割引いたしますね!少々お待ちください!」
定員はニコニコしながらりんご飴を用意する。
つぼ浦は何故青井がそんな嘘をついたのか分からなくて困惑している。
「つぼ浦、つぼ浦。」
困惑しているつぼ浦を知ってか、青井はヒソヒソと耳打ちする。
「右にある紙見てよ。」
『紙?』
カップルの方は割引!
『あ、!』
「そうそう、割引だからカップルのフリしたって訳。ごめんね?」
『いや、全然大丈夫っす。割引は有難いからな!』
意味がわかり安心するつぼ浦に青井は優しく微笑む。
お幸せに!と満面の笑みでりんご飴を渡してくれた定員に申し訳なく思いながら受け取る。
「食べ物買ったしどっか座るとこ探そっか。」
『そっすね。』
段々増えてきた人々を掻き分けながら、青井の手に引かれて進む。つぼ浦は青井と自分の手が繋がれていることにはて?と疑問を持った。
『アオセン、もうりんご飴の屋台から離れたから手は繋がなくてもいいんじゃないっすか?』
青井はつぼ浦の方に振り返らずに答える。
「んー?そうだねぇ〜…人が増えてきて、はぐれたりしたら面倒でしょ?だからかな。」
『ふーん。』
「それともつぼ浦は、俺と手繋ぐの嫌?」
今度は振り返って、足を止めてつぼ浦と目を合わせながら言う。
『いや、嫌じゃないっすけど。』
「そっか。よかった。」
つぼ浦は、なぜ自分は手を繋ぐのが嫌かという言葉にすぐ否定したのか、青井のよかったとはどういう意味なのかという新たな疑問を頭に浮かべながらも、青井のにこりとした笑顔に全て流された。
「お、こことかいいんじゃない?」
程々に歩いて、周りにあまり人がいないベンチを見つける。
『いいっすね』
二人並んで座り、つぼ浦は焼きそばをさっそく開けて食べる。
『ん!うま!』
「いい食いっぷりだねぇ。俺にもちょうだい。」
焼きそばを渡そうとしたところで止められて、青井はつぼ浦に向けて口を開ける。
「あーんしてよ。」
『は?自分で食えよ!』
「むりむり。俺つぼ浦にあーんしてもらわなきゃ食べられない体になったから。」
『いやどういうことだよ!!…くそ、、…あーん、』
箸で焼きそばをつかみ、おずおずと青井の口の中に入れる。
「あー、…ん、おいし〜」
『…ッ、はぁ、、何させられてんだこれ…』
残りの焼きそばを素早く食べて、気を取り直してりんご飴に手を出す。
「食べんのはや 笑」
『ん、りんご飴もうめぇ。やっぱりんご飴だよなぁ〜!』
「よかったねぇ〜」
微笑みながら見る青井につぼ浦は聞く。
『アオセンは食わねぇんすか?』
「うん?そうだなぁ〜…俺別に甘いのそこまで好きってわけじゃないんだけど…』
『まぁ無理にとは言わねぇが、、アオセンが買ったもんなんだし食べないの勿体無いぜ?』
「…そうだね、折角だし貰おうかな。つぼ浦から貰っていい?」
『ん、いいっすよ。』
つぼ浦が差し出したりんご飴を無視して青井はつぼ浦の頬に優しく片手を添える。固まったつぼ浦に楽しげに微笑んで優しく口付けをして、薄い唇をぺろりと舐める。
『…え、』
「ん、ほんとだ甘いね。」
ゆっくりと状況を理解し始めたつぼ浦はじわじわと自分の顔が熱くなるのを感じる。
『や、な、何やってんだ!?!?』
「んはは、つぼ浦顔真っ赤〜つぼ浦から貰っていい?って聞いたのに 笑」
くすくすと笑う青井と真っ赤なつぼ浦。
口付けをしてきた青井に文句を言おうとしたつぼ浦の口は、大きな花火によって遮られた。
「あ、花火始まっちゃった。」
『びッくりした…花火なんてあるんすね』
「そりゃやっぱ祭りといえば花火でしょ!」
綺麗な花火に皆が顔を向ける。
「…ねぇ。」
つぼ浦は青井に目を向ける。青井は花火に目を向けたままだ。
「つぼ浦って花火みたいだよね。キラキラチカチカしてて、派手で、綺麗で、飽きなくて、みんなに愛されて。…でもさ、俺、花火みたいなつぼ浦を独り占めしたいんだよ。」
青井はつぼ浦を見る。
青井の深海のような瞳と、つぼ浦の太陽のような瞳がお互いを見合う。
「つぼ浦、俺お前のこと好きなんだよ。」
重ねられた手に、びくりと肩が揺れる。
「俺とずっと一緒に居てくれる?」
返事を待つその瞳に、ドキドキとうるさい心臓を押さえつけながら掠れた声を出す。
『ぉ、…おれ、俺も、アオセンの事が__』
がばりと、本署のソファで目を覚ます。
まだドキドキとしている心臓に、とんでもない夢を見ていたことを自覚する。
俺はなんて夢を見てるんだ!!アオセンと祭りデートして、キスして、、それで、、
自分で改めて考えて頭がかぁっと熱くなる。てか俺告白になんて答えようと…!?!?
俺キモすぎだろ!!とガシガシと頭をかいて取り敢えずソファから立ち上がる。
ドライブでもして頭を冷やそうと思ったところでスマホがブーブーと揺れる。ポケットから取り出すと、青井 らだおと書かれていた。今1番話したくない相手であった為に、3コールほど渋ってから電話を取った。
「あ、繋がった。つぼ浦ー?」
『…はい、なんすか?』
「なになんか不機嫌?…まぁいいや。明日さぁ祭りあるの知ってる?」
それはもちろん知っている。市長がTwixでお知らせし、オルカやひのらんなどの女子軍がウキウキで準備をしていた。自分も楽しみであり、だからこそあんな変な夢を見たのだ!あんのクソ市長め!とつぼ浦は市長にどう責任を取らせようかと考えながら返事をする。
『あぁ知ってますよ。それがどうかしました?』
「俺とさ、二人で行かない?」
びくりと驚いた評しにスマホが落ちて、ドンと音が鳴った。つぼ浦の胸はドキドキと強く高鳴った。
つぼ浦の返事はもうどちらもとっくに決まっていて、また新たにロスサントスにカップルができることを、花火だけが知っていた。
夏祭りはキューピット ー終ー
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