テラーノベル
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この世界で生きていくのは、あまりにもハードモードすぎる。
朝、目が覚めた瞬間にログインを強制されるこの現実というゲームには、リセマラなんて機能はない。
重たい頭を抱えて起き上がり、昨日脱ぎ捨てたままの制服に袖を通す。
家族が作った朝ごはんも、ろくに味がしない。
今日一日、何も生み出さないのに、栄養なんて取っていいんだろうか。
「・・・行ってきます」
誰にも聞こえない声で呟いて、ドアを開ける。
外の空気は刺すように冷たい。校門までの数百メートル。
一歩進むごとに、耐える。耐える。
私を認めてくれる人の前で、泣かないために。
教室のドア。
あの薄い板の向こう側には、私を摩耗させる無数の視線と、正解のない空気が渦巻いている。
それでも、私は扉に手をかけた。
まだ、耐えられる。
耐えたその先に、いつか、この難易度が下がる瞬間があると信じていたから。
そんなバカみたいな楽観視を昨日まで、していたから。
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