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「無駄なことは嫌いなんだがな」
俺、無陀野無人は考えていた。どうにかして淀川真澄に会う方法はないか考えていた。前回俺があいつに会いにいったら、俺が腕を掴んでいたからだろう。真澄は腕を斬ってまで俺から逃げた。ホテルに連れて行こうとしたのがまずかったのかもしれない。ただホテルでディナーを食べて近況を聞きたかっただけだ。まぁ、あわよくばそのまま二人でホテルに泊まれればいいなという気持ちがあったことは否定しない。その時、花魁坂京夜が俺に話しかけてきた。
「ダノッチ、元気ないじゃーん。僕の保健室に来る?」
「あいにくと俺は健康体でな」
「まっすーとご飯食べた時の写真もあるけど……」
「保健室に行こう」
俺はすぐに京夜をひきずって保健室に向かった。どこの料亭だろうか、そこには無表情ながら嬉しそうに食事を食べる真澄の写真があった。京夜はそれをコルクボードに貼って飾っていた。
「いつ真澄と食事にいった?」
「まっすーの誕生日だよ、まっすーすごく美味しそうに食べてくれたんだ」
「あの時、真澄と会っていたのはお前か」
「ダノッチはさー、押し過ぎなんだよ。だからまっすーがひいちゃうの」
「ライバルに助言をするとは余裕だな」
「だって僕まっすーに腕斬られてまで逃げられないもん」
「俺だってその件は反省してるんだ」
「ダノッチはガツガツし過ぎなんだよ」
俺はあまりにも料理の美味しそうに食べている真澄の写真が可愛いので、京夜に俺にもくれと頼んだ。
「まっすーに内緒にするならいいよ」
「すまん、助かる」
「どうせならありがとうって言ってよ、ダノッチ」
「ありがとう、これでいいか」
まぁダノッチだから仕方がないかと京夜は言って、俺にも真澄の写真を分けてくれた。俺も部屋に貼って毎日眺めようと思った。本物の真澄にはしばらく会えない、俺は休暇の申請がしばらくできないからだ。まぁ、偵察部隊の会議を邪魔したのだからこれくらいの措置は当然だろう。だが、真澄に会いたい。元気にしているだろうか、腕に後遺症など残らなかっただろうか。
「あっ、ムダせんじゃん。何してるの?」
「消灯前の見回りだ、お前は何をしている」
「俺? 俺は消灯前に手紙を出しにいくとこ」
「手紙か、さっさと出して部屋に戻れ」
あれから真澄には謝罪の手紙を書いたが読んでくれただろうか、腕を斬り落としてまで俺と来るのを嫌がったのだ。手紙も読んでくれていない可能性が高い。四季の奴が羨ましくなった。こいつも真澄に惚れていて手紙を出し続けている、優しい真澄のことだそれを読んでいるだろう。面倒くせぇと言いながらもきっと読まないで捨てるということはしない男だ。俺もまた手紙を書いてみるか、ひょっとしたら真澄が読んでくれるかもしれない。
”真澄、俺は無理強いするつもりはなかった。必ずまた会いに行く。その時はどうか、逃げないで欲しい”
俺としたことが手紙を書く手が震えた、真澄の優しさにつけ込むようだが、気紛れでもいい読んで欲しいと願った。
コメント
2件
読了しました。第7話、無陀野さんの心情が丁寧に描かれていて、すごく引き込まれました。特に「押し過ぎ」と指摘されて反省しつつも、真澄くんの写真を欲しがるギャップに胸がときめきました。ラブレターを書く手が震えるシーンも切なくて、思わず応援したくなりました。真澄くんが読んでくれるといいですね。次回が楽しみです!