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『お嬢さん、催眠術って信じているかい?』
記憶の中で誰かが喋っている。
『信じられないなら信じさせてあげよう。何、例は要らないよ。』
例等していないのに何を言っているのだろう。
『この呪いを掛けることによって、些かな刺激で絶頂に達してしまうんだ、後でわかると思うが…….持続性性喚起症候群みたいなものさ、お嬢さんなら分かるね?』
聞いたことはある気がする。確か交わらなくとも肉体的興奮状態になってしまうというものだった筈だ。とても恐ろしい病である。それが自分に?ある訳が無かろう。半分信じず、半分心配していた猫猫はふわふわとした感覚を感じて、暖かな風と共に目覚めた。
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「んっ………」
ぱちりと目が覚めると昼だった筈の空には影が掛かっていた。
「目が覚めたか?」
寝惚けて誰かは分からなかったが段々目の焦点が合っていくうちに顔を歪めてしまった。
「壬氏さま…….」
誰かわかった瞬間潰してしまった蛙を見る様な目で壬氏を睨んだ。それでも壬氏は可笑しそうに、嬉しそうに目を細めた。
「いや、急に居なくなるから探していたら、お前がシロツメクサがいっぱい咲いているとこで寝る姿が可愛かったものでな?だがいつ見てもお前は綺麗だな」
壬氏の整った顔は直ぐに緩み誇らばせた笑みが浮かんだ。今、壬氏が猫猫の顔を覗いてるような状態である。
「貴方様が言わないで下さいよ….」
この御仁も人の事も言えないくらい綺麗で、周りの人間を惑わせる。天女と言われる御方が何を今さら茹で鶏肉相手に綺麗だと言うのだ。いや、鳥骨肉の方が合っているか。
「お前もこんな所で寝てないで、早く仕事に戻れ。水蓮が心配していた。」
「御意」
立とうと腰を上げた時
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バキッ
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木の枝を踏んで折ってしまったようだ。だが何故だろう、いつの間にか力が抜けて細やかな腕で自分を抱いていた。息が荒い、顔が暑い。目の前の御仁は心配そうに慌てていた。
「だ、大丈夫か?… 」
そっと壬氏が猫猫の肩に手を置くと
「ひっ!?やっあぁあああああっぅ!」
確かに肩に左手を置いた、それだけのはずだ。だが身体はビクビクと震わせ地面に座り込んだ。息がさっきよりも荒くなる。壬氏は目を丸くした。驚いた様子で肩に触れていた左手は行き場を失い、宙をかいていた。
「猫猫、少し休むか….?」
心配そうに見る目には少し熱が灯っていた。
壬氏の言葉に甘えて休むとしよう。
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……………….
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「で…..なんで壬氏さまの部屋で休まなければならないんですか?」
寄りによって1番入ってはいけない場所に入ってしまった。壬氏の粘着質な押しには弱い。距離は取りつつも結局は信頼しているのかもしれない。