コメント
0件
この世界には不思議な病気がある。
病気には色々な種類があり、治すことが困難である。
その病気を、”奇病”という。
今日も1人、暗くて静かな部屋に閉じ込めらる。どのくらい経ったんだろ、あの日から。
お母さっ、助けて、からだっ、身体がッ、!
なんなんだ?この病気は?
___?大丈夫だからね?
誰か!誰か水を早く!
この子を最低温度の冷凍室へ!!
覚えてるのはこのくらいの言葉だけ。他はほぼ覚えてない。
だって、”頭がもう完全に溶けかけてたから。”
手も、足も、顔も、全部….周りがあっという間に水浸しになるくらい溶けた。 痛くはなかった。けど、自分の存在が全て何も残らずに消えてしまうのでは無いかという恐怖があった。
お医者さんが冷たい水をくれたり、涼しい部屋に連れってってくれたから何とか無事だった。
多分この病は寒い所に居ないと溶けてしまうんだと思う。そして中の水分が無くなったら温度問わずに溶ける、だから冷たい水を飲むんだ。
いつこの病気は治るんだろう、なんでこんな事になってしまったんだろう。色んな事が頭に浮かぶ。まぁ暇だから良いんだけどさ
そんな事を1人で考えていたら冷凍室の扉が嫌な声を上げながら開く。 そこにはジャンパー手袋、マフラー….南極にいるのかと言うくらい厚着の女性が顔を見せた。
「どうぞ、これ飲んでね」と少し震えた声で、優しくそう言ってくれた。私は軽く頷いてその女性に手を振った。
水、飲まなかったらどうなるんだろう。 自分でも分かる、変な事。 でも、自分の心の中でもう終わりにしたいって聞こえる。自分なのに自分の事を分からない、死にたいのかも、生きたいのかも。
お母さん言ってたな命は大切にしなさいって。そして、その言葉で苦しめられる人も居た。 今ならその言葉の意味が分かるかもしれない。生きたくもないのに、つまらない事しかないのに、少しでも希望を持って生き続けてる。今考えたらほんとに馬鹿みたい。
ぴちゃっ、と水音が聞こえた。 そろそろかな身体の水分もうほぼ無いや あ、この水どうしよう飲まなかったってバレちゃう。 空っぽな頭で考えた結果コップを倒して水を全てこぼした中の水が凍っていない特殊なコップなのだう。
こんな事をしてる間に片目が見えなくなって来た、左手も使えない。いや、もうほぼ力が入らない。ここでお終いかな
来世は病気になりたくないな。
体内から外側に溶けていく。
寒い所に居ないと溶けてしまう。
冷たい水を飲み、体内を冷やして固める。
溶けてしまったら何も残らずに無くなる。
治療法:世界で1番寒い所で数日間生活する。 薬はない。