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タイトル「ENDR∅LL-エンドロール-」
ープロローグー
少し不気味な世界だと、自分でも思う
記憶を失っているが、それだけは理解できる
そして、やるべき事も
世界を「EndRoll」へと導く事と言う宿命を俺は今、背負っている
ーーーー
世界の裏側である「裏世界」
ヤクザとかじゃなくて、異世界
そこに住む全員葬り去ること
ーチャプター1「ZONE」ー
「WORLD」の一つ、「ZONE」の商店街の街を歩き、手当たり次第に壊す
頭の中は陶器のようになっており、脳は無い
しかし、生きてはいる
不思議な生物だ
まあ、俺もだが
俺は神に近い体…と言うか神の使いである事を覚えている
なぜかは知らん
そんなことを考えながら闊歩する
バットや拳に陶器の破片が刺さっていたい
ーーーー
適当なSUGARの胸ぐらを掴み、バットを頬に押しつけて問いただす
「何があった?俺の宿命は誰に指示された?知ってるのか?」
しかし当たり前に答えようともしない
「知らないですよ!てか、だいいち何で私達SUGARを破壊し回ってるんですか!」
そう叫んで耳障りだったので、思い切りバットを振るう
パキンと鳴ってSUGARは倒れ込む
中身が空な体は、ただ日に照らされてテカっていた
白黒の世界だからわかりづらいけど
ーーーー
電車にのった後もSUGARを破壊しまわる
破壊し回り、全滅させたあとにすることがある
「End」と書かれたスイッチを押すこと
各「WORLD」にあるそのスイッチを全て押せば、世界は「EndRoll」に導かれ、再び世界は産まれる
この裏世界で俺は、それをするために
ーーーー
電車の車掌も破壊した後、本格的に「ZONE」のスイッチを探す
SUGARから情報を聞き出し、その後破壊する…と言う事を繰り返しながら
そしてどうやら、スイッチは適当にあるわけでは無いらしい
各「WORLD」を支配する者が所持している
つまり強奪をすればいい
そして目的地は、裏世界有数の企業ビル
「OLD」と言うSUGARを破壊し、Endスイッチを手に入れる
ーーーー
ビルにいるSUGARをまた破壊しながら、最上階へと進んでいく
飽きてきたが、そんなことは言ってられない
エレベーターに設置されている鏡で自分を見てみる
自分は誰だ?
何かに縛られるのが嫌いな俺が、今指示と言う束縛に縛られている
今思えば、誰の指示だ?
ーーーー
そんなことを考えながら最上階へとつく
社長室のドアを叩き、ドアを開ける
OLDと言うSUGARの男が口を開く
「誰だ?」
名前を語る
「Loadだ。世界を再生成する宿命を持つ者だ」
そう言いながら、バットを力いっぱい構える
「私はOLD。この社長だ。君の目的がわからないな…。会社を潰すためにきたスパイか?」
「違う、Endスイッチだ。さっさと渡せ、じゃなきゃ潰す」
脅しをとるも、OLDは怯えることもせず、淡々と言う
「Loadよ。お前は、創られたのか?産まれたのか?」
頭の上に疑問符ができるほど、唐突で意味がわからない
「すまない。話し方を変えよう。自分の存在意義に対して何か知ってるのか?」
何もわからない、そう答えようとした
しかし、考えているウチに、頭の中で一部の記憶が現れた
女性がいる
その女性は、俺に何か話した後、俺を送り出した
そこまでの記憶しか出ず、それ以外は消え去った
OLDは、俺の顔を見た後、ニッコリと笑った
「私はね、君のような人が大好きだ。1回、自分の心に手を当てて考えてみなさい。正しいのか?それが?」
優しく、しかし、俺の全てを否定している
黙れ、否定するな
バットを構え、振るう準備をする
「そうか、残念だ」
OLDの頭はパキと音を立てて壊れる
スイッチを回収し、スイッチを押す
「ZONE」が消えた
ーチャプター2「room」ー
2つめのWORLD「room」へと足を運んだ
あれから考えても、ずっとよくわからない
街でみる女性の像をみるたび、思い出させそうで思い出せない
喉に突っかかって気持ち悪い感覚
room
都市だが、名前がroom
不思議なもんだ
SUGARを破壊し回る手に震えが出て来た
SUGARをなぜ破壊するのだろうか
考えずに破壊しても、たまに震えが止まらなくなる
それでも、やらなくちゃ、いけない
ーーーー
「LAB」と言う場所が刻まれた白衣のSUGARを破壊した
回りのSUGARを脅しながらLABの場所を聞くも、誰もわからないと言う
用済みなら壊すだけだが、一瞬躊躇いが出る
バットを振ろうとしたとき、ある少女が間に入った
「な、何してるの!」
「なんだ?お前。名前は?」
「AID…。じゃなくて、何をしてるの?私のパパや他の人達を破壊し回って…何が目的?」
AIDと言う少女は、後ろにいるSUGARの娘らしい
「世界の再生成」
簡単に伝え、突っ放してAIDの父らしきSUGARの頭部めがけバットを振るう
バキンとして倒れ込み、AIDはそれをみて顔面蒼白になった
「…なあ、アンタ。LABって?」
AIDは数分間考えたあと走り出した
ーーーー
後をついていくと、地下に「LAB」と言われる施設があった
昔、この裏世界を治める女神「ROM」が、更なる発展を目指して作ってくれたらしい
少女におもむろにスイッチについて尋ねる
「Endスイッチ…っての、知ってるだろ」
「うん」
「どこにある?」
「教えない」
「教えろ」
喉元にバットをやると、少女は怯えながら後退りする
しょうが無いので振る準備に入ると、間をすり抜け走り抜けた
「!まて!」
ーーーー
倉庫に置かれた段ボールや謎の機械の間をAIDはらくらくと走り抜け、逃げていく
それなりの運動能力はあるが、それでも追いつくのはキツい
AIDは、急に止まり、積まれた段ボールを蹴り倒して妨害する
はあ、はあ、と息を吐きながら、走り続ける
ーーーー
どのくらいたったか
AIDの方が先にバテてしまい、倒れ込む
AIDの首にかけられたEndスイッチを奪うと、AIDは必死に取り返そうとする
「返してよ!不審者!」
反射的にバットで頭を破壊する
AIDは動かなくなり、陶器のような空の中身だけが見えた
「…」
忘れたくて、Endスイッチを押した
ーチャプター3「hotel」ー
roomが消えた後、「WORLD」の1つ、「ROOT」の中の「hotel」という場所で、Endスイッチを探していた
SUGARから聞き回ったからだ
廊下に倒れたSUGARが転がっている
怯え、逃げ出すSUGARの服を掴んで引き戻すと、そのままバットの餌食になる
「女性…?女性…?女性…女性…」
自分の奥底に眠る記憶を掘り出そうとする
頭痛と耳鳴りと共に、また記憶が蘇る
女性の名前は「RUM」
RUMに見送られたあと、誰かに襲われた
これだけの記憶を思い出した
しかし、やはり突っかかる
RUMとは?
誰に襲われた?
この記憶とこの使命の共通点は?
フラフラ歩きながら、倒れたSUGARの上を歩く
何かが飛来してくる気配を感じ、バットを構えて振るう
バットによって弾き返されたそれは、石だった
誰がしたんだ?
目の前には支配人と思われる存在が、石を投げる準備をしている
「御前が石を投げたのか?」
問うと、無表情のまま支配人は答える
「私はこのhotelの支配人です。石を投げたのも私です」
名札に書かれた名前には、「RIE」と書かれている
「私は、殺戮者であるあなたを倒す。私の正義の下で」
独自の正義を貫くRIEは、石を頭めがけ放つ
それをバットで弾き返して行きながら前進する
すると、石を投げるのを辞め、頭部に叩きつけようとする姿勢に移行する
バットを横向きに傾け、パリィをしようとたとき、記憶が一瞬蘇った
見覚えがある、この構図
俺は、RUMという女性に見送られた後、誰かに襲われた
そう言えば、RUMという女性は、明らかSUGARではなかった
もっと上の、遥か上の存在
女神
RUMは、女神か
一部の記憶が蘇ったと同時にバットは、RIEの喉元をめがけ突きをはなつ
「ぐ…」
後ろにジャンプして躱すRIEに、ゆっくり近づき、角へと追い込む
「許されることじゃない。誰かが許しても、僕は決して許さない」
そう叫ぶRIEの頭めがけ、バットを振るう
許されることじゃない?
冗談じゃない
許されることじゃないなら、何で俺は、こんな事を
ーチャプター4「Lambda」ー
Endスイッチを押せば、WORLDは消える
全てのボタンを押して、最後に、女神の持つ「EndRollスイッチ」を押せばいい
ただ、ただ、それだけのことなのに
女神RUMが世界を創造し、RUMがこの世界に愛想を尽かしたから俺を創った
ここまでは覚えていても、未だわからない
「WORLD」の1つ、「Lambda」の中にある山を登りながら考える
「Lambda」の山を抜ければ、村がある
そうすれば、Endスイッチを入手できる
SUGARに聞いて破壊するだけの日々に明け暮れながら、歩き続ける
2つ前くらいの「LAB」で「AID」がEndスイッチをもってたのは、「LABがroomを陰で支える場所であり、LABの研究所長である父から授けられた」と言う解釈が自然だろう
しかし、俺の記憶は戻るわけではない
そう言ったのも束の間、もう何度か見た女神RUMの像を見るとフラッシュバックが始まる
女神RUMは、俺を創造し、Endスイッチの回収とEndスイッチを押すことを命じ、送り出した
そして天界から裏世界へ向かう途中、女神RUMの思想に反対意見の天使達が俺を襲った
そして、記憶喪失と、なった
頭が、痛い
いや、違う、この記憶は、違う
俺は、最初、反RUM派だった
俺は、人一倍力も強かった
RUMが俺を攫った
RUMは俺に使命だけを与えて、他の反RUM派の天使を葬り去った
俺の記憶は、弄られているものだ
「Load」
女性の、声が、する
「無駄なことは考えないで」
RUMか?
うるさい、うるさい、黙れ
「貴方はもう、天使に戻れない。Load。貴方はもう、世界を終わらす私の使いだ」
違う!黙れ!
破壊の女神RUM!
ーーーー
拳が、痛い
辺りを見渡すと、拳がヒリヒリと赤くなっていた
壁をずっと殴りながら、叫んでいたらしい
バットを手に持って、Lambdaを後にした
もう、辞めた
ーチャプター5「ANGEL」ー
天界
裏世界の空の上の、別の世界
目の前に居るRUMは、微笑みながら言った
「お帰りなさい」
お帰りなさいとは、誰に向けたか
誰に向けた事か?
「黙れ」
単刀直入に話すと、RUMは、一瞬微笑みを崩した
破壊の女神RUMは、かつて封印された破壊神
RUMは、俺達天使や裏世界を創り、そして裏世界の統治をする創造の女神「ROM」と対立している
元々は俺は、「ROM」に使える天使だった
RUMは、破壊神でありながら、カリスマ性があり、信者も一定数いた
しかし復活し、反RUM派である俺達に襲いかかった
人一倍力も強かった俺に目をつけ、攫い、「使命はEndスイッチを押すこと」と洗脳した
天界から裏世界へ行く途中、反RUM派の天使により襲われた
ああ、なんと簡単な答合わせだ
バットを縦に振るおうと構える
RUMの髪は乱れ、涙が浮かんでいる
「許して?」
許せるものか
神殺しの天使になる覚悟はある
RUMは、命乞いの台詞を吐き続けた
「裏世界は、腐敗していた。SUGAR達が私達神々に反抗する事だって起きた。だから私は、私は」
「だからといってし過ぎだろう。反RUM派である俺と仲間を襲い、皆殺しにし、残った俺の記憶を改ざんしたんだ!許せるものか!」
RUMは、哀しい顔を為ながら言った
「でも、その手段しか」
「黙れ!」
バットを振るうと同時に、RUMはEndRollスイッチを押した
パギンと音がして、RUMは倒れた
ーーーー
目の前が、白い
結局EndRollスイッチは押された
裏世界は全て消えた
消える瞬間、「∅」と言う記号に吸われるのを見た
しかし、なぜか俺は生きている
体は透明だが、実体はある
ある病室に吸われるようにはいると、少年がいた
彼は息を引き取っている
彼の周りに、遺族と思われる者達が佇み、涙を流している
少年は、ノートに「ENDR∅LL」と言うタイトルの小説を書いていた
「ENDR∅LL」の内容は、俺自身がしたこと全てだった
全ては、創作物だった
ただ俺は、そこに佇んでいた
ーーENDーー
作:ねこむすび
コメント
3件
第1話、一気に読了しました。終始漂う白黒の世界観と、自分が誰かの創作物だったというラストに息を呑みました。Loadの記憶が断片的に蘇るたびに自己否定と使命の板挟みになる心理描写がとても丁寧で…特にAIDの少女を壊した後の空白が胸に刺さります。最後の病室のシーン、全てが摂理に収まったようでいて、じゃあLoadの苦しみはどこへ行くんだろうと、しばらく余韻が消えませんでした。壮大な物語をありがとうございます。