二回目のリクが嬉しすぎて爆速で仕上げました。
要望どうりですかね?
夜のスタジオ。
薄暗い配信ブースに、ふたりだけの世界がある。
ライトの熱と、パソコンの光。
「今日もおつかれさま」
いるまがヘッドホンを外すと、
なつは隣で小さく笑った。
「いるまがいるから頑張れるんだよ」
「……俺もだよ」
ふたりは同じグループ「シクフォニ」の配信者。
視聴者は何万人。
でも、ここにいるのはふたりだけ。他にもメンバーがいるのに
いるまはなつの肩にそっと手を置く。
その小さな体温が、
今の自分を支えていることを知っているから。
「なつ、最近ちゃんと寝てる?」
「いるまがいるから大丈夫」
「俺に全部頼らないで」
「でも、頼りたいんだよ」
なつが、かすれた声で笑う。
どこか壊れそうな笑顔。
「ステージの上では、
ファンの前では、
平気な顔して笑ってるけどね」
いるまの胸の奥に、
小さな罪悪感と愛しさが同時に広がった。
「俺たち、ちょっとおかしいよな」
「うん。
でも、いるまがいないと、
俺、歌えなくなっちゃう」
その言葉が痛いほど愛しい。
いるまはなつの手を取り、強く握った。
「俺がいる」
「……ほんとに?」
「本当だ」
なつが安心したように笑って、
そのままいるまの胸に顔をうずめた。
マイクの向こうじゃ絶対に見せない顔。
「いるまの匂い、落ち着く」
「俺も、なつの声がないと落ち着かない」
ふたりだけのスタジオが、
心音だけで満ちていく。
「ねぇ、いるま」
「ん」
「俺、いるまが全部でいい」
「……俺もだ」
言葉と一緒に、指を絡める。
互いの手のひらが、熱でじんわりと汗ばむ。
「世界がどう言ってもいい。
君だけがいればいい」
「俺も」
なつが見上げてくる。
目の奥に揺れる光が、
画面越しじゃ絶対に伝わらない温度を持っている。
いるまはその頬を包み、
小さく笑って、囁いた。
「もう、マイクの向こうで隠さなくていい」
そのまま、額を合わせ、唇を重ねた。
画面の外の世界で、
誰も知らないふたりだけの約束を、
そっと確かめるみたいに。
――世界がどう変わっても、
マイクの向こうに君がいる、
コメント
5件
う、ありがとうございます😭 もう…書くの上手すぎます。、、
尊い…尊すぎんか… てか、呼び方すーちゃんで良い?