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まさか負けるとは思っていなかった。
全力で力をぶつけたし、立花さんみたいに手加減はしなかった。
それでも負けた。
「真広すげーなぁ。強いとは聞いてたけど負けるとは考えてなかったな。」
まぁ、流石に力を鋭利にして刃物状にして飛ばす俺の必殺技は、真広が真っ二つになっても責任とれないので、最後まで使わなかったが、真広の方もたぶんそういう本当に危ない技は使おうとしてなかったので、やはり俺の負けだ。
そういえば、バリア破られたのも初めてだった。
真広に負けた翌日の放課後。
俺は飛べる妖怪を探しに虫とり網を持って近くの山に出かけた。
虫とり網は使うかわからないが、一応持ってきた。
「あ!そういえば立花さんみたいに紙にあやかしってどうやってしまうんだろう?まぁ、捕まえた後に聞けばいいか…」
今日、立花さんと真広にも飛べるあやかしを一緒に捕まえに行こうって誘ったのに二人とも断られてしまった。
立花さんは、今日はお爺さんと修行する日だからむりだと、真広は用事があるからとそそくさと帰ってしまった。
「全然いないなぁ、居ても虫みたいな妖怪で、とてもじゃないけど乗れそうじゃないし、こっちの言ってることもわからなそうだしー。」
かなり山の中を歩いてきたが全く乗れそうなあやかしがいない。日もだいぶ沈んできた。
悩んでいるとこの間声をかけてくれた一つ目のあやかしが通りかかった。
「おーい!ちょっと聞きたいことがあるんだけど!」
「なんだ、お前無事だったのか。」
「もちろんだとも!なぁ、ここら辺に乗れそうな飛べる妖怪いるか?」
「ん?なんだ?式でもつくりたいのか?向こうの山の方なら飛んでるやつは多い気がするなぁ。」
「あの山だな!ありがと!」
そう言うと俺は駆け出した。
「あ!待て!その山は今は土地神が治めていて、勝手なことすると…あぁ、行ってしまったか。これであいつが土地神に殺されてしまったら私が殺したみたいじゃないか…はぁ、仕方ない。追いかけてやるか。」
トントンと足を踏み鳴らし、「鬼雲」と言うと足元から紫色の雲が出てきた。
それに乗り、一つ目のあやかしはその山に先回りするのだった。
「はぁはぁ、結構距離あったな。おぉ!たしかに飛んでるあやかしがたくさんいるなぁ!」
遠目から見ても乗れそうな飛んでるあやかしが何匹か居た。
「よぉーし!捕まえるぞー!」
そう言うとあやかしを虫とり網を持って追いかけ始めた。
しばらく色々なあやかしを追いかけ回したが、なかなか捕まえられない。
「やっぱ飛んでるだけあって逃げ足が早いなぁ。おっそいやつ捕まえても意味ないしー。」
「おい!お前!この森であやかしを捕まえようとするとはいい度胸だなぁ!」
そういうと目の前に二足歩行の着物を着た牛が現れた。
「なんだお前。」
「俺は牛田だ。お前があやかしを追いかけ回していると聞いてなぁ。成敗しにきた!」
そう言うとこちらに突進してきた。
「お前にやられるかよ!」
そう言うと俺は無数の霊力の弾を飛ばした。
「ぐあぁぁーー!」
なんと全て当たってるのにその牛田と言う妖怪は、耐え切りこちらに向かってくる。
「丈夫だなぁ!ならもういっちょ!」
そう言うと俺はもう一回無数の霊力の球を飛ばした。
「がはっ!」
流石に耐えられず牛田という妖怪は飛ばされた。
「なかなかしぶといやつだったな。」
「そこまでだよ。」
後ろから声が聞こえて、振り返るとそこには白い仮面をかぶったあやかしとその後ろに紫色の綺麗な着物を着た顔がのっぺらとした妖怪が立っていた。
「お前もこいつの仲間か?」
そういうと俺は霊力の弾をそいつらに飛ばした。
「無駄だよ。」
そういうと白い仮面を被った妖怪のバリアに俺の霊力の弾が全て吸収されてしまった。
「はぁ!うそだろ!?」
一瞬でこの妖怪がヤバいやつだと悟り俺は必殺技の霊力を鋭利にして刃物状にしたものを無数に飛ばした。
「そんなこともできるんだ。」
しかしその白い仮面のバリアすべて防がれる。バリアには傷ひとつついていない。
紫色の着物のあやかしが前に出ようとして白い仮面のあやかしが手を上げて止めた。
「紫は控えてて。僕がやるから。」
「わかりました。お気をつけください。」
そう言うと少し下がりお辞儀した。
どうやら白い仮面のあやかしの方が立場が上のようだ。
「お前たちなに者なんだ。」
「僕はこの森の土地神だよ。君はなにをしにきたのかな?」
「飛べる妖怪を捕まえに来たんだ。」
「んー?式を作りに来たのかな?でも、僕の森で勝手は許されないよ。」
そう言うと白い仮面の妖怪はこちらに手を向けた。
その手の平に力が集まっていく。
やばい!やばい!あの力はやばすぎる!
「身の程を弁えなきゃね。」
あれ、これ俺死ぬんじゃね?