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「放課後の距離」第三話
数日後、学校の昼休み
体調が回復したトド松は、いつものように教室で同級生たちと楽しそうに話していた。
モブ松「もう大丈夫なの?無理しちゃダメだよ。」
トド松「うん、平気平気!心配してくれてありがとう~。」
女子たちに囲まれ、笑顔を振りまくトド松。その様子を、廊下からおそ松が眺めていた。
おそ松「またあいつ……なんでそんなにニコニコしてんだよ。」
おそ松は不機嫌そうに呟くと、教室の中に入ることもなくその場を離れる。
放課後、帰り道
トド松とおそ松は偶然一緒に帰ることになった。
トド松「ねぇ、おそ松兄さん。最近、機嫌悪くない?」
おそ松「は?別に。」
素っ気なく返事をするおそ松。トド松は少し不満げな表情を浮かべた。
トド松「そう?なんか、僕のこと避けてない?」
おそ松「避けてねぇよ。」
トド松の言葉に少し焦りながら、おそ松は視線を逸らした。
トド松「でもさ、何かあるなら言ってよ。僕、ちゃんと聞くから。」
いつになく真剣なトド松の声に、おそ松は一瞬言葉を詰まらせる。
おそ松「別に……何もねぇよ。ただ、お前がヘラヘラしてるのがムカつくだけだ。」
トド松「は?何それ。おそ松兄さんの機嫌取るために生きてるわけじゃないんだけど。」
二人の間に一瞬の沈黙が流れる。しかし、トド松がふっと笑った。
トド松「まぁ、そんなおそ松兄さんも嫌いじゃないけどね。」
その一言におそ松は少し驚く。トド松の言葉に込められた優しさに気づき、胸がじんわりと熱くなる。
夜、松野家のリビング
兄弟全員が集まっている中、おそ松はいつもの調子で場を盛り上げていた。
おそ松「でさ~、カラ松がまたキザなセリフ言いやがって、めっちゃウケたんだよ!」
みんなが笑い声をあげる中、トド松はそんなおそ松の姿をぼんやりと見つめていた。
トド松「……やっぱり、おそ松兄さんは変だな。」
その視線に気づいたおそ松が振り向く。
おそ松「なんだよ、俺の顔に何かついてるか?」
トド松「別に。ただ、ちょっとおそ松兄さんらしいなって思っただけ。」
トド松の何気ない言葉に、おそ松は少し照れくさそうに頭を掻いた。
深夜、それぞれの部屋
おそ松はベッドに横になりながら、トド松の笑顔を思い出していた。
おそ松「なんなんだよ、俺。弟のことばっか考えて……。」
自分の感情が少しずつ形を変え始めていることに気づきながらも、それを認めたくない気持ちでいっぱいだった。
一方、トド松もまた、おそ松の表情や言葉を思い返していた。
トド松「おそ松兄さんって、ほんとに変……でも、嫌じゃないかも。」
二人の想いが少しずつ交差し始めた夜だった。
次回予告:
おそ松とトド松が学校の文化祭でペアを組むことに。二人の関係が周囲の目によって変化し始める――。
「お前、俺のことだけ見てろよ。」
その言葉に隠された本音とは?