コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
目を開けると、辺りはまっくらで、壁は白のコンクリート、古びててカビくさい。左右を見ると、ここはせまい、細長い廊下で、壁にランプはあるけど、チカチカ点滅していたり、ついてなかったり。天井は真っ暗の闇。 「ママ…」立ち上がろうとした、でも立てない、痛い。ひざを見ると、膝のガラスが割れて中の空洞が見えるくらい大きなヒビ、もしや落ちたショックで…? こわい、ごめんなさい、いたいよ、こわい、さびしい…… わたしはまた涙を出して、声を殺して、地面の黒カーペットにうずくまった。 「「へんなの」」 わたしの頭の光は、暗さに満ちていた。 …すると。 「俺の前で泣きべそかいてんじゃねぇっ!!」 振り向くと、壁のコンクリートに、大きな男の顔が…!
「壁がしゃべったぁ!?」わたしはそう言って、涙目のまま死んだふりをした。ドキ、ドキ。 「いやタイミングずれっずれじゃねぇか、てか死んだふりて、俺は熊か!?」わたしがキョトンとしていたら 「ツッコめ!壁やないかーいって!!」 「か、かべやないかぁ〜い」 「よろしい」 壁は目を閉じてドヤ顔を浮かべ、フンッ…とした。怖いと同時に…なんか、おかしいけど、わたし、すこしホッと安心してしまった。わたしは壁に生えてる顔をじっくり見たくて、好奇心で近づこうと立ち上がろうとすると… 「立つな。痛いだろ?」と真剣に言われたので、ビクッ!としながらわたしはまた座りこんだ。壁は続けて言った。 「自己紹介よりまず…ここを説明しようか。だっていきなり目覚めたらくら〜い廊下!そして突然のしゃべる壁、し!か!も!イケメン顔!!(イケメン顔?)混乱してるだろうしな」壁はゴホンと咳払いして、わたしに丁寧にゆっくり語ってくれた。 まず。ここは〝闇の鍵穴〟という世界だ。ここに落ちてきたやつらは〝鍵穴の住民〟もとは光のガラスのガラス妖精だった。全員どっかに鍵穴がある。胸や腕、手のひらやさまざまだ。ちなみに…俺だったらおでこ、ほら見てみろ!空いてるだろ?鍵穴が。それは心を閉ざしてる証拠、なにか傷ついた過去があるからだろうな(わたし、さっき傷ついて落ちてきちゃったな……)そして人の形までも、心の比喩表現に変わる。俺みたいに壁だとか… 私は心配になり、聞いた「なにか、傷つくことがあったんですか…?」 すると「しょうもねぇことだ。聞かんでよろしい!」とニヤッと笑って返してきた。壁は続けた。 んで、この世界のボスは言ったんだ。心が傷つくなら、ここも、光のガラスのガラス妖精たちの心も、全部みんな消してあげよう!とな。 「消すなんて、だめだよ!」 私は言った。すると壁は「だろ?消したら、生きてないのと同じだもんな」と言い、話を続けた