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ピーンポーン
「はーい」
こんな夜中に誰だと思いながらもドアを開けると、そこには麗子の姿があった。
「みっちゃん〜♡」
ドアを開けた瞬間に抱きつかれた。完全に酔っ払いに仕上がっている。
「なんやあんた気持ち悪いなっ!!」
抱きついてくる麗子を引き剥がそうとしても無駄だった。ずっとくっついてくる。抱きつかれた状態で部屋に入れると、麗子は抱きつくのをやめて部屋に入っていった。
「あんた、ちょっと待ちなさいっ」
「みっちゃんのベッドにばーーん!!」
「コラ!!荒らすな!!」
麗子が私のベッドで思いっきり大の字で寝転んでいる。私はそんな麗子を起き上がらせようと腕を掴んだ。その瞬間、掴み返されて私はベッドに横たわった。
「なんやねん、痛いやろ…あんたはよ水飲みなさい…」
麗子は私に近寄ってきて上に覆いかぶさってきた。
「なぁみっちゃん」
「なんやの」
「私フラれちゃったぁ」
その瞬間、麗子はまた私に抱きついてきた。
「なぁみっちゃん、こんな可哀想な私を慰めて」
「あんた何言ってんねん、そんなアホみたいなことばっかりしてるからフラれんねん」
「だってぇ、デート中もなんか緊張しちゃってぇ、上手くいかなくってぇ…それでぇ…」
「麗子?」
麗子が私の肩に顔を埋める。肩がじんわりと暖かくなっていく。そして、麗子の声もだんだん震えていく。
「みっちゃんに会いたくなっちゃってぇ…っ」
「なんやねん、私慰め役やん」
そういうと麗子は起き上がり、ベッドに座った。私も隣に座ると、目の周りを赤く染めた泣きっ面の麗子と目が合った。ここまで泣いているところを見るのは初めてで少し驚いた。
「私おかしくなっちゃったのかも」
「なんやの、元からおかしいのがさらにおかしくなったんか!?」
「違う!!!…やっぱりそうかも… 」
「で何よ、」
「あのね、みっちゃん私さ、さっき振られて、悲しくてひとりで飲んでてさ、ほんまに好きな人から振られてさほんまに悲しくて思ってたより飲んじゃって、しかもさ酔ってるからか知らんけどみっちゃんに会いたいっていきなり思っちゃって、そっからみっちゃんのことずっと考えてたらさ私頭おかしくなっちゃって、みっちゃんと付き合いたいとか思っちゃって、だってみっちゃんとずっと一緒におるん楽しいしさ、なんかみっちゃんとこの先もコンビとしてもおりたいけど、恋人としてもおりたいなって!って、私何言ってるんやろ、本日振られるの2回目になりそうですっ!!」
元気な声で話していても顔は暗かった。今の私にできることはなんなのか、抱きしめてあげることなのか、いつも通りツッコミを入れたらいいのか、そんなことを頭の中で考えていると、つい何も言葉を発せずに黙り込んでいた。
「そうか、ありがとう」
「みっちゃん、お願いちょっと聞いて」
「なに」
「みっちゃんとキスしたい。」
今日の麗子は私を黙らすのが上手みたい。
「お願いみっちゃん。」
とろんとした表情で見つめられて、目を逸らしてしまった。麗子の手が私の太ももの上に乗る。これは、私からキスしにいった方がいいのかもしれない。麗子の頬に手を添え、ゆっくりと唇をあわせた。
「んっ…」
声を僅かに漏らす麗子がこんなにも艶っぽいだなんて今日初めて知った。麗子の手が私の胸の
方に動いた。私の胸をやんわりと触る手に驚いて唇を離してしまった。
「あんたっ、どこ触ってんのよ…」
「みっちゃんも触って」
「は?」
「私の心臓の音、触って」
音に触るなんて変な表現と思いながらも、麗子の胸に手を置いた。柔らかい感触と共に激しく振動する心臓の音に触れた。
「どう?」
「はやい」
「もっと触らなわからんやろ」
麗子は私の手をさらに胸の方へと押し付けた。
「も、もういいからっ…てかキスしたいんちゃうん…」
「みっちゃん顔赤いで?」
「そりゃなるやろ…」
「可愛い」
今度は麗子から深くキスをされた。甘い匂いがふんわりとして、初めてのキスを味わった。もっと味わっていたい、そう思えるキスだった。