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side:💚
💛「そういえば、まぜちとけちちってアカシックレコードで出会った珍しい関係性なんだよね。俺らもあきぷりで出会っていたりしないかなぁ、、、」
休憩中、あっきぃとゆっくり過ごしていると、彼がひょんなことをぼやいた。
あっきぃは、まぜ太が目覚めた時、ちぐからけちゃまぜがアカシックレコードで出会ったことを聞いていた。
けれども、俺らも出会っていたことは聞いていないし、俺しか覚えていないことだから話していない。
💚「あっきぃ、それは、、、」
💛「ね!ぷーのすけ!」
突然その話題が出されて、俺は困惑していた。
💚「えっと、、、その、、、」
これは話して大丈夫なことか?
あっきぃが眠りにつくようなことはなかったっか?
そもそも、アカシックレコードの住人が人間に話してしまうことが問題だったはず。
💛「へっ?!ぷーのすけ・・・?!!!」
彼は、俺がこんなに思い悩んでいるとは考えていないのだろう。
すぐに答えられない俺の顔を見下ろしてからかってくる。
💚「あぁ〜!!もう!!」
俺は、彼の額に手を置いて、その上から俺の額を押し当てた。
💚「それについて今日二人の時に話すから、今は黙っててな。」
流石に至近距離すぎたか。
突然の不意打ちにあっきぃは面食らっていた。
これくらいしないとあっきぃは静かにならないからな。
あっきぃの額に置いた手をさっと離し、俺は時計を見た。
そろそろ、会議室に戻る頃。
💚「あっきぃ、戻ろ」
そういって、あっきぃの顔を見ると、彼は顔を伏せていた。
💚「おい、あっきぃ、どうした?」
俺が彼の額に再び手を触れようとすると、すぐさま払いのけられる。
その時にした違和感。
あっきぃの払いのけた手がいつもより、ほんの少しだけ、熱いような気がした。
side:❤️
すとふぇすEXPOも名古屋に引き続き大阪も大成功で終了。
これで全てのEXPO関連のイベントが完了した。
その疲れを感じるのも束の間、俺らAMPTAKは夏の企画に向けてミーティングをしている。
まぜとけちゃのことがあって以来、俺らの中に目に見えない絆が益々強くなったんじゃないかな、と感じるようになった。
特に、例のあの二人。
あまり、公式配信や動画で、リスナーのみんなには見せるようにはならなくなったけれど、一層仲良しになっている。
相変わらず、距離感はバグっているような気がするけれども。
そんな二人の穏やかな空気が戻ったからか、今日もアンプの会議は普段通り大騒ぎ。
誰かが話せば、それに重なるようにいろんな話が混ざってくる。
休憩中、俺はその光景を見ながらコーヒーを一口啜っていた。
すると、背後から近寄る影があった。
💙「あっとくん、あのこと、言わなくてよかったの?」
声の主はちぐだった。
❤️「おう、だって、そんなこと言わなくてもみんな幸せそうじゃん?」
俺は超新星爆発で地球に飛ばされた時、一度アカシックレコードの世界に一瞬だけ入ったことがあった。
だから後遺症として左目が青くなった際に、アカシックレコードに行き来できるようになっていたのかもしれない。
そして俺は、その時に見ていたんだ。
俺らAMPTAKのメンバー全員があの時同じタイミングでアカシックレコードにアクセスしていたこと。
それをちぐはわかっていたらしい。
でも、そんなこと言わなくたって、この6人が導かれている。
こうして、俺らが集まって、今の今までずっと最強で、たくさんの笑顔と一緒に走り続けている。
この奇跡は、わざわざ言う必要はもう無い。
いつか、話す時が来たら、その時に話せばいい。
💙「──────そっか。それもそうだね」
ちぐも何かを察したらしい、俺の横で穏やかにアンプのメンバーの様子を眺めていた。
side:💜
なんだかんだ、俺は今日もけちゃおの隣で会議を受けていた。
けちゃおが眠ったあの時から、どうしてもこいつに何かあったらって不安になることが増えて、気づけば俺はそばにいる。
🩷「まぜちっ♪まぜちっ♪」
何かあれば、こいつは俺に話してくれる。
だから、自然と隣に俺がいるようになると言ったら誤解はないだろう。
💜「けちゃお、どうした?なんかテンション高いな」
🩷「へへへ照、僕、新しいイヤホンまた買っちゃった!めっちゃ音質いいんだよ〜!」
よくぞ聞いてくれたとでもいうような笑顔で、俺に新品のイヤホンを片方だけを外して見せてくる。
💜「お、どれどれ?ちょっと、貸してみ?」
俺はけちゃおから、今見せてきたイヤホンの片方を貸してもらって、流れてくる音楽に聞き入った。
なるほど。確かに、このイヤホンの音がかなりはっきりと聞こえる。
さすがは機材オタク、見る目が違う。
そして、俺はハッとした。
イヤホンを片耳ずつシェアして二人で同じ端末から音楽を聴いている。
あれ、この状況、まずいやつか?
ちらっと隣にいるけちゃおの顔を見る。
超絶笑顔で楽しそうに流れてくる音楽に乗っている。
こいつは何も気にしてなさそうだった。
なら、まぁいっか。
と思って、正面に向き直ると、俺らを見て微笑むあとちぐ。
その時、意地でもイヤホンを外したくないという思いに駆られた。
これで外したら、なんか悔しいという変なプライド。
俺は二人を見なかったふりをして、目線を斜め上へ向けた。
💜「暑いなぁ・・・。」
冷房が効いてるはずなのに、頬にじわりと来る熱を感じながら、俺は片耳から流れてくる音楽へ意識を集中させた。