登場人物一覧
大石慶敬(19)…4代目主人公 国家保安庁特殊空衛教育隊所属 空衛機動科候補生
豊島敦也(19)…国家保安庁特殊空衛教育隊所属 空衛機動科候補生
新津雄也(19)…国家保安庁特殊空衛教育隊所属 空衛操縦科候補生
新屋智輝(19)…国家保安庁特殊空衛教育隊所属 空衛機動科候補生
甲賀彪馬(20)…国家保安庁特殊空衛教育隊所属 空衛機動科候補生
永井大介(41)…国家保安庁特殊空衛教育隊所属教官
森中唯人(53)…国家保安庁特殊空衛教育隊長
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地震のような揺れと物凄い物音で大石らは病院の外に向かった。
病院の外では既に野次馬たちが集まっていた。
「すいません。すいませんー」
大石らは声をかけながら野次馬達の見る場所へと向かった。
そこには、頭から血を流して倒れている包帯が全身に巻かれた男がいた。
「これって……」
そうつぶやくと豊島は、倒れている男のもとでしゃがみこんだ。
「どうした?」
大石が聞くと豊島は窓の空いている病室を見上げた。
「8階の病室から飛び降りた。全身に包帯が巻かれている。まさか……」
そう言うと豊島は倒れている男の顔をゆっくりと覗き込んだ。
次の瞬間、目が開いた状態の死人と目を合わせ豊島は急いで目を背けた。
目が合った豊島は過呼吸のような感じでしゃがみこんでいた。
「大丈夫か?」
大石は急いで豊島のもとに駆け寄った。
「新津だ……。」
「は?」
「倒れているの新津だ」
「おいおい、そんな事ねーだろ。さっきまで話してたんだぜ?」
「見てみろよ。……顔を」
「お、おー」
豊島に言われ大石は急いで倒れている男の顔を覗き込んだ。
「はっ………」
次の瞬間、大石は息を飲み込んだ。
どれぐらい時間がたったのだろう。気がつくと周りには警察官らが集まっていた。
「何?君たち、早くどきなさい」
1人の警察官が声をかけてきた。
「す、すいません」
大石は急いで豊島と共に道を開けた。
「まじかよ。マジで新津だった」
そうつぶやくと大石は軽く意識を失いかけた。
その後、空衛教育隊操縦科は幕僚監部から勤務停止を命じられ調査が入る事になった。
調査が行われていく中で数々の出来事が明るみになって行った。
過去に操縦科内で行き過ぎた指導が横行しており、自殺者も出したことがあった。
しかしその情報も矢田により揉み消されており外部に漏れることは一切無かった。
他にも多数、操縦科内で起きた不正が長官の矢田により揉み消されており幕僚監部は、矢田を長官の座から引き下ろしそのまま国家保安庁から永久追放する旨を検討していた。
度重なる操縦科内で横行する不正に対し幕僚監部は緊急記者会見を開き事の重大さを発表した。
この事をよく思わなかった矢田は幕僚監部内の統制を強めることとなる。
記者会見から数日後、矢田は謝罪会見を開き操縦科内で起きた不正を揉み消したことを認めた。
そして同日、矢田は長官の座から退き、秘書官として長年、矢田に付き添っていた中道拓斗を5代目長官に就任させた。
国保内での規則で、長官秘書官の人事権は長官にしか無く長官のみが長官秘書官の人事に手を出せることになっている。
(現在の規則では長官の人事権は幕僚監部にある、又、幕僚監部内の人事権は防衛省及び内閣にある)
明るみになった不正により国保から追い出されることを嫌う矢田は何としても国家保安庁にすがりつくために長官秘書官になったのだ。
しかし、5代目長官に就任した中道は矢田のいいなりとなっており、戦争への作戦は止まることは無かった。
空衛教育隊卒隊シーズンが近づいていく中、矢田は第二次世界大戦時の日本軍を参考にし、特殊空衛団内に戦闘専門部隊として特作攻隊(特別作戦攻撃部隊)の創設に向け準備を始めた。
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