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一二三君から、焦ったように電話がかかってきたときは、何事かと思った。
駆け付けた時には、独歩君は頭から血を流しながら、一二三君に支えられすでに気を失っていた。
「独歩!」
地面にへたりこんでいる赤髪は、確かに独歩だった。
独歩はゆっくりとこちらに振り向き、そして頭から血を流しながらひどい顔で俺っちに「ごめんな」とだけ呟いてその場に倒れこんだ。
俺っちは独歩が頭から地面にぶつかるのをギリギリで受け止める。
「………大丈夫、独歩。」
「俺っちがなんとかするから。」
独歩をぎゅっと抱き締める。少しずつ、しかし確かに体温が下がっている。向かう途中で先生に電話しておいて良かった。
地面に転がっている男を見て、顔をしかめる。鉄の匂いが蔓延し、少しばかり独歩を恐ろしいと思ってしまった。