桃赤 青赤
気まぐれ
桃くんと過ごす日々はすごく楽しくて
今まで感じたことない感情にさせてくれて
このまま、一緒に死ぬまで頑張っていきたいって
初めて思えた人だった。
「赤…?」
「…ん、?」
不安な君の声に少し驚き、俺まで声が震えたあの日。
「もし浮気したら、許さないからな、?」
「わかってるよーw」
「浮気するなら」
「バレずに突き通せよw」
「いやしないから!www」
「桃ちやんも、しないでよ!!」
「当たり前。」
そう言って、馬鹿げたこと言って笑い合ってたあのとき
君は、何を思っていたのかな。
面白半分で、彼のスマホを見てみた。
パスワードは、
俺と付き合った日とは違っていて、
そこで、もしかして、と
嫌なことを想像してしまった。
隣で寝ている彼の指紋でスマホを開ける。
迷わず、メールを確認してみると、
知らない女の人との内容で
身体の関係をもっていることがわかった。
「………」
「……浮気すんなよって言ったのはどっちだよッ……」
「………バレずに突き通せよッ…」
「……バカが。」
彼が横で気持ちよさそうに寝ているのにも関わらず、
俺は思っていたことを口にしてしまう。
俺は、彼を後ろから抱きしめた。
小さいながらも、精一杯に。
「………ん…、」
目を擦りながら俺の方を見て、
優しく微笑み、頭を撫でてくれる。
「………どしたの、?」
こんな人が裏で俺以外の人と身体を重ねてるなんて、
誰も信じられなくなってしまいそうだった。
俺はさっきよりも抱きしめる力を強くする。
「…………してほしい。」
彼は、俺の方に体を向け、優しく抱きしめてくれた。
いつもは安心していただろう。
嬉しかっただろう。
彼を好きなんだなって、改めて実感していただろう。
でも、今は違う。
気色悪くて、気持ち悪くて。
でも、まだ彼を好きだと思ってしまう自分自身も気持ち悪くて。
俺は彼にバレないよう、涙を手で拭いた。
行為中、いつも通りに激しくしてくれて、
感じたくもないのに、どうしても感じてしまう。
彼を求めてしまう。
行為が終わって俺も彼も、余韻に浸っていた。
俺は彼を見つめる。
浮気がバレてるなんて、思ってもないだろうな。
「………桃くん。」
「……ん?」
「別れよっか。」
「俺たち。」
後悔はなかった。
もう彼の顔なんて見たくなかった。
「……なんで?」
彼はいかにも冷静だった。
「なんでって、」
「お前が一番わかってることだろうが。」
「………浮気、バレてるから。」
『浮気』。
その言葉を言葉をきいた瞬間、桃くんは明らかに動揺していた。
あぁ、…やっぱり。
俺が一番じゃ、なかったんだな。
「………ごめん、赤ッ…」
「今更遅いって。」
「今までありがとね。」
そう言って、彼の家から出ようとしたら、
手首を掴まれた。
「……ごめん、」
「もうこんなことしないからッ…」
「もう赤を悲しませないからッ…」
悲しそうな、泣きそうな顔で俺を見つめてくる。
そんな顔ですら、演技に見えて。
「もう、信じれない。誰もかも。」
「お前のせいで、俺の性格変わっちゃった。」
俺は掴まれている手を振りほどき、急いで家を出る。
そして、彼に追いつかれる前に、タクシーを呼び、急いで乗った。
向かった場所は、俺の家ではなかった。
俺は、インターホンをならす。
しばらくすると、人が出てきた。
「……はーい、…」
頭をかきながら出てくる青ちゃんは
俺を見た瞬間、びっくりした表情になる。
「………どうしたの、こんな時間に。」
それもそのはず。
時刻は午前1時。
こんな時間に、青ちゃんを尋ねるなんてことなかったから。
俺は、青ちゃんを見て、
今まで我慢していた涙が溢れてきた。
「……青…ちゃんッッ」
俺は、勢いよく彼に抱きついた。
「おぉッ」
彼は一瞬ふらついたが、
バランスを整え、俺を包み込んでくれた。
「…………なんかあったんだね、桃くんと。」
「寒いでしょ、?入りな。」
その声は、すごく優しくて、
この人なら、信じていいのかも、
そう思えた。
「……はい、ココア。」
いつも青ちゃんの家に行ったら、毎回のように入れてくれるココア。
「……ありがとう。」
お礼を言い、ココアを飲む。
「……?」
「いつもより………苦くない、?」
「……あぁ…ちょっといつもと違う粉なんだよね、」
そっか、なんて思いながらも、
青ちゃんといるときは、桃くんといるときのように安心できた。
「……それでさ、桃くんと何があったの?」
「………」
「浮気……してたみたい、w」
「馬鹿だよね、ほんとに」
「桃くんが言ってきたんだよ、浮気すんなよって。」
「ほんと、…意味わかんないよね、w」
無理に俺が笑っているというのに気付いたのだろうか。
青ちゃんは、いきなり強く抱きしめてくれた。
「……もういいんだよ。」
「無理に笑わなくてもいい。」
「僕といるときは、本当の赤くんを見せて、?」
「無理しないで?」
あぁ、……
なんて彼は優しいんだろう。
俺は彼の胸元に顔を埋めて、
我慢していた涙を流した。
「赤くんは偉いよ、ほんと。」
「赤、偉い、?」
「うん。すごく。」
認めてもらえたんだ、俺。
すごく嬉しかった。
「…………」
「…………ねえ、赤くん。」
「…………僕にしてよッ…」
「僕、赤くんを絶対に悲しませない。」
「桃くんを忘れさせる。」
俺は、惚れやすい人なのかな。
「………忘れさせて…くれる、?」
「もちろん。」
「僕と、付き合って?」
俺はまた彼の胸元に顔を埋め、頷く。
彼なら、俺をちゃんと愛してくれそうだったから。
浮気なんて、しないと思ったから。
「……ありがとう」
「幸せにしてね、?」
彼は優しく微笑み、頭を撫でてくれた。
その笑顔が一瞬桃くんに似てて、
俺が好きになる人は、どこか似ているところがあるのかな、なんて思った。
「………青ちゃん。」
「…ん?」
俺は、彼の唇にキスをした。
彼は、すごく顔を真っ赤にして。
「………僕がやろうと思ってたのに…//」
そう言って、彼もキスをしてくれた。
そんな甘い時間を過ごしていたら、
いつの間にか眠くなってしまった。
「………青…ちゃん、……」
「………眠たい?」
コクっと頷く。
「寝ていいよ。」
「おやすみ。」
目を閉じる前に見た彼は
まるで、いつもの彼ではなかった。
end
みなさん、あけましておめでとうございます!!
今年は、受験がありまして……
投稿頻度はだいぶ落ちると思いますが、
自分のペースで頑張っていくので、
もし投稿してたら、「投稿してるな、見てみよう」くらいで見ていただけたら嬉しいです!
最後までご覧いただきありがとうございました!!
コメント
8件
ブクマ失礼します
ぶくしつです
もう大好きです😿💗 把握です!!受験頑張ってください👊🏻🤍