テラーノベル
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🌟🎈(nrkr)/宇宙
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_not視点_
『どっか給料いいとこねェのかよ、』
大雨の中、1人傘を差し、スマホの画面をスクロールする。足は止めずに、ふらふらと彷徨っていた。スマホの画面には求人サイトが表示されており、スクロールする指がじりじりと溜まるストレスによって乱暴になってきていた。その時、ちょうど中也の目がとまった。
『あ?なに、時給3000円?』
はっきりとそう記入されていた。時給3000円。難しい仕事ナシ!!胡散臭いにもほどがある。けれども中也は迷わずその仕事の詳細に目を通しはじめた。
『家政婦のようなお仕事しかありません。難しいことはなく、どれも簡単なお仕事です、か、、、』
一通り目を通し終えた。そして、じわじわと口角が上がる。こんな美味しい話があっていいのかと表情が物語っていた。そのままその仕事を引き受け、スマホの電源を落とした。
『今日は運が良いなァ。帰ったらワインでも開けっか』
足取りは先程よりも軽く、機嫌が良かった。けれども明日には、この軽い足取りは真逆のものに変わっているだろう。その頃屋敷の中では、太宰が椅子に座り足を組んで窓の外を見ていた。ちょうどサイドテーブルの上に置いておいたスマホが軽快な音を奏でて光った。「仕事を引き受けてくれる人が来ました」と通知がきた瞬間、にやりと微笑んだ。
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