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ヒューヒュー
「……な!!」
「え……!!」
冷たい風が吹いてる。でも…なんでだろ?あんまり寒くないや、頭が熱い。それに声が聞こえるような気がする。でも…よく聞こえないや、いつもよりも…瞼が重い…
「……ろ!」
「お……ろ!」
「起きろ!!」
「……う?…ん」
「早く起きろっつってんだよ!」
「…は?なんで…?今日ってなんかあったっけ?」
「『なんかあったっけ?』じゃねーだろ!1日20食限定のパンケーキ食べに行こう!って言ったには誰だよ!!」
「んー、うるさいなぁ、すぐ行くから待っててー」
「お前の『すぐ行く』は信用出来ないわ!30分以内に出掛けられる用意しろよ」
「はーい…」
ガチャ,バタン
「はぁ、着替えなきゃ…」
30分後
「彰人〜、もう出れるよ〜」
「ん、絵名にしては準備早かったな笑」
「はぁ?何よ、その言い方!」
「ヘイヘイ、ほら、急がねーと無くなるぞ」
「分かってるって!」
ガチャ
「うぅ、さっブ!彰人〜もう帰ろうよ〜」
「は?家出たばっかりだろーが!」
「ほら、急がねーとバス行っちゃうぞ」
「うーん」
バスにて
「ねぇ〜、何分くらいバス乗るの〜」
「バス20分徒歩5分くらいか?」
「じゃあそれまで寝てるね〜、着いたら教えて〜」
「ん、」
「着いたぞ、起きろ」
「ウーン( っ ̫ _ )。O゜」
ヒューヒューヒュー
「うわぁ!寒い無理死ぬ死ぬ〜!!」
「うぅ、さみーなー。ほら、急ぐぞ!」
「うん、、」
「絵名、信号変わったぞ。何ぼーっとしてんだよ」
「あーうん」
キキッー
「!?」
「彰人!!危ないっっ!!!」
「は?」
ドサッ
「う、うぅ、」
「絵名!!!」
「う、ん?何…?」
「しゃ、喋んなくていいから!!えっと、その…すぐ救急車呼ぶからな!?待ってろ!」
彰人の声…あまり聞こえないや、頭がグルグルしてる。それにすっごく熱い……視界もぼやけてきた、、瞼が…重い……
ピーポーピーポー
手術中と書いてあるランプが目の前にあった。何があったのか、自分でもよく覚えていない…俺の隣では顔を覆いながら静かに泣いている母さんと下を向いて腕を組んでる親父がいる。
俺を庇って、そして…絵名が車に轢かれて…そして……今緊急手術室で手術されてて…
状況が飲み込めなかった。頭が真っ白、何も考えることが出来ない。
ブーブー
スマホが鳴ったのに気づいて俺はようやく我に帰った。
「冬弥から…?」
『午後カラオケで歌の練習を一緒にしないか?』
「こんな状況で…流石に行けないよな…」
『わり、今日は用事があって無理だわ、また今度練習しに行こうな。』
流石に本当のことを言うのはまずいと思い嘘をついた。
手術中のランプがパッと消えた。
数秒後扉が開いた。
「絵名はぁ、絵名は無事なんですか!?」
母さんは泣きながら医者に飛びついた。
「はい、一命は取り留めました。ですが、脳に損傷があり、しばらく入院すると思います。つい先程、目を覚ましたので別の部屋で話してください。」
医者は小さく頭を下げ絵名を他の病室へ運んだ。
「うぅ、良かったぁ゛、グス」
「絵名が、生きていてくれて良かったぁ、」
母さんは泣きながら親父に抱きついた。安心したのか親父も涙を流している。二人は俺を見て軽く微笑み絵名が運ばれた病室に向かった。
俺は母さんと親父について行った。
ベッドの上で目を細めている絵名が居た。母さんは絵名に抱きつき無事で良かった。と何度も言っていた。俺は絵名が無事だった嬉しさと自分のせいで姉を傷だらけにした罪悪感で涙が止まらなかった。絵名が倒れていた時、絵名が本当に死ぬんじゃないかと思った。だからこそ余計に涙が出てきた。
「彰人、」
優しい声で俺の名前を呼ぶ絵名
「何、、」
俺はうつむきながら返事をした。泣き顔を見られたくなかったから。
「ふふ、何泣いてんのよ、、」
「な!泣いてねぇよ、グス」
「ほんとに、素直じゃ無いんだから笑」
「怪我はしなかった?」
「ああぁ゛、お前におかげでな。」
「ふふっ、声めっちゃ枯れてるし笑笑」
「うるせぇ゛」
「元気そうで…良かった、」
そう言って、俺の頬に手を置き、俺の涙を拭った。
「彰人、いつかまた、一緒にパンケーキ食べに行こっか!」
「うん、ズビッ」