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灰夢+凶です
「灰さん遅いなぁ…」
今日はお互い珍しく休みが取れたからと、デートをしようと誘ってくれた
“クリスマスだから、ディナーにも連れて行ってあげるね。夢ちゃん”、って言ってくれた灰さんの顔を思い出して照れてしまう
「まだかなぁ…」
勿論私もスパイだから、任務とか仕事で長引くのは理解している
だけど…もう2時間以上経っても現れないのはおかしいなって思うの
だってあの人はちゃんと連絡をくれる人だから
「…?誰か急いでるのかな」
私が考えていると走ってくる音が聞こえる
「ふふ、もしかして私の彼氏みたいに予定に遅れて急いでるのかな」
灰さんがそうなのを想像して考えるとなおのこと可愛くてほっこりとしていた瞬間、その足音の主は私の目の前にとまる
「…?」
すごく見覚えのある男…夜桜凶一郎だ。私の彼氏の灰さんの親友で、夜桜でも最凶の男
だけどその男がなぜ私に……??何故か嫌な予感がする
どうか当たらないでと願うも、多分聞かないとダメで無理なんだろうとぐっと心の中にしまう
「えっと…凶一郎さんどうしたの?」
「…っ、夢。」
「なに…?凶一郎さん」
辞めてよ。貴方が泣きそうになったら私は聞く前に答えを……しっちゃう、じゃないっっ…
涙がぽろぽろと落ちていく私の後頭部を優しくつかみ自分の胸に寄せる凶一郎さん
「う、うわぁぁぁん!!」
「すまない、夢。灰が人質となったものを即座に庇ったが故に亡くなってしまった」
「…ふっ、うう…。やだっっ……」
「すまない夢」
凶一郎さんは悪くないのに、親友だからなのか。私が親友の恋人だからなのか謝ってくる
大丈夫だと。謝らないでと言いたいのに声が出ない
「…灰から聞いていた」
「?なにを…ですか?凶一郎さん」
「…。今日はディナーに連れて行って、その後もサプライズをするつもりだと」
灰さんが私に話していた予定以外にも入れてくれていたのを知り涙がさらに溢れる。
私は…灰さん。貴方がいればそれでいいよ。だから、そのサプライズは貴方がいいな…灰さん
「…。お前が行きたいなら、灰の代わりになってはしまうが俺が連れていこう」
「どうする?夢」
凶一郎さんも辛いはずなのに、私の事ばかり心配して声をかけてくれる
灰さんと行きたい思い出。行きたかった想い出。
でも、ここで断ったら…灰さんが私にしようとしてた記録も無くなって、もう一度は叶わない
それだけはしては行けなかったし、嫌だった。
……もしかしたら、親友目線で聞けるものもあるかもしれない
そう思い私はお願いした
「はい、お願い…します。凶一郎さん」
「あぁ、任せてくれ」
「はい」
私は凶一郎さんと共に灰さんに連れられて食べるはずだった店に行き、ディナーを食べ…イルミネーションなどを巡り歩いた
「…最期はホテル、らしいが……どうしたい?夢」
…灰さんってわりと男だったりするよね、ふふ
凶一郎さんも流石にそれは恋人と行きたいだろうと聞いてくれた。
流石すぎる気遣い。でも今はいいの。貴方とこのままいって、寂しい夜を埋めつくしたい
貴方と語る灰さん(恋人と読む)との思い出を共有したい
「凶一郎さん、一緒に行きましょう。」
私が返事したら凶一郎さんは驚いていた
それはそうだ。親友の恋人である私がホテルにOKするなど、普通はあらないことだから
「そうではなくて、このまま…貴方と愛しいあの人の話をしたいんです」
「なるほど。それなら俺に任せてくれ。後悔はさせない」
珍しく私は朝まで起きて、ずっと話して聞いていた
時折お互いな気もしたけど、最後は笑って話終わったあとホテルを出た
「灰さん、これからは毎年凶一郎さんとこのコースを行くね」
「灰。俺がお前の代わりに夢を連れて行って笑かしてやる。」
「だから…お前は安心して眠れ、灰」
凶一郎さんと共に灰さんが保護されてる夜桜家へと帰っていった
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