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リディアは仏頂面で立っていた。


「リディア様……お、お似合いですよ。流石リディア様! どんな物でも着こなされるなんて」


ハンナは愛想笑いを浮かべながら、必死に取り繕う。


「そう……それは、ありがとう」


引き攣った笑顔を浮かべる。

結局、ディオンが押し付けてきたこの地味過ぎるドレスを着て行く事にした。どんなに口答えしても兄には逆らえない自分が恨めしい。どうせディオンは夜会には参加しなし、実際には何を着て参加したかなんて分かりっこないのに。

ため息しか出ない。リディアは気が重いままに馬車に乗り込みエルディー家への屋敷へと向かった。



◆◆◆



(面倒臭い)


今日何度目か心の中でぼやく。


「夜会に出るなんて久しぶりだね!」


レフは浮足だった足取りで一人愉しそうだ。


「面倒だよ、全くさ」

「そんな苛々するなよ。仕方ないだろう、警護も兼ねてるんだ」


ルベルトは苦笑し宥めてくるが、余計に苛々が増す。


「でも、白騎士団長のお屋敷なのに、僕達まで借り出されるなんて、余程向こうの団員等は使えないって事だよねー」


満面の笑みで毒を吐くレフ。見た目童顔で言動も幼いが、口は悪い。ディオンの友人である事が頷ける。


「レフ。今夜は屋敷の警護じゃなく、殿下の警護だぞ」


何時も夜会など社交の場には滅多に姿を見せない第二王子が、何故か今夜のエルディー家主催の夜会に参加すると言い出した。その所為でディオン達は、警護の為参加する羽目になった。


何故白騎士団ではなく、黒騎士団であるディオン達なのかと言うと。元々王太子の警護は白騎士団、第二王子の警護は黒騎士団と暗黙の了解でなっているからだ。

別段取り決めた訳ではないが、王妃の溺愛している王太子は王妃の犬と呼べる白騎士団が警護するのは当然であり、王妃とは仲の悪い第二王子は必然として黒騎士団にとなった。


「分かってるよ。でも、白騎士団が使えないのは事実だもん」

「レフ。余りハメを外すなよ」


ルベルトが釘を刺すと、レフは不満そうに口を尖らせる。


「え~。折角の夜会なんだから、可愛い女の子といっぱい遊びたいよ~」


ディオンは、その言葉に鼻を鳴らす。まるで子供の様に無邪気に言っているが、レフの言う遊びとは女と床を共にするという意味だ。レフは、かなり異性関係にだらし無い。ある程度は盛んな年頃の男故、仕方がないが彼は度を越している。


「今夜はやめておけ。一応任務だからな。問題でも起こされたら、たまったもんじゃない。今度こそディオンに斬られるぞ、冗談抜きで……」


以前あった出来事を言っているのだろう。随分と前に夜会に共に参加した時に、レフと身体の関係のある女数人にとり囲まれ、それはもう揉めに揉めた。しかも何の悪気なく「ごめんね、飽きちゃった」と無邪気に笑ったレフに、一人の女は泣き出し、もう一人は怒り……もう一人は乗り換えようとしたのだろう。あろう事か、側に居たディオンに色目を使ってきた。馴れ馴れしく身体をべたべた触られたのだ。気持ち悪い事この上ない。

そこでディオンはキレた。正直レフがどんなに女に対してだらしが有ろうが無かろうが興味は皆無だ。だが、巻き込まれたとあれば話は別だ。

その時ディオンはレフの首根っこを掴むと、広間の外へ引き摺り出した。そして説教をしてやったのだが……。


「え~じゃあ、ディオンの妹ちゃんと一回だけ遊ばさせてよ。そしたら、暫くは我慢するから」


全く反省せずに、そんな事をヘラっと笑い宣った。

瞬間ディオンは何の躊躇いもなく剣を抜いた。あの時、ルベルトに止められていなかったら本気で、斬り捨てていただろう。

私だけに優しい貴方

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