皆さんお久しぶりです。
ねこねこマンでございます!
私事で投稿が出来ておらず申し訳ございません。今回のお話は不老不死のシャオロンさんのお話です。どうぞお楽しみください。
注意
⚪︎これは我々ださんの創作小説です。
⚪︎解釈不一致が起こる可能性があります。そしたらそっとお手元の端末を放り投げて下さい。
⚪︎語彙力は家出しました。捜索願い出しておいて下さい。
⚪︎マブっていいよね_:(´ཀ`」 ∠):
この町には噂がある。
桜並木のある、町の隅の草原には恐ろしい墓守がいる。と、その墓守はその草原に眠っているかつての悪人の墓を守っているらしい。その悪人の墓には一生働かずして暮らせるほどの大金があるらしい。だが、その大金を我がものにしようものならその墓守に自分が墓に埋められちまうってこった。だがまぁ昼間に行けばただ桜が綺麗な草原だ。
あぁ、そうだ。
これだけは気をつけな、にいちゃん
あれは、本物の化け物だよ。
あんたらが想像しているよりずっと。
「ふむ、面白い!!!!!その墓守に興味が湧いたゾ!!!」
「また、この5歳児わぁ!!!!」
ここはある町の酒場。今日はトントンと最近領地にしたこの町に少々視察に来たのである。面白い話を聞かせてくれた店の店主に礼をいい店を後にする。隅から隅までこの町を見て回ったためもうありを照らすのは綺麗に浮かんだ月だけだった。
「はぁ、結局草原まで来てもうた、、、」
「良いではないか!!こんなに面白そうな噂は久しぶりだ!!!」
「アンタはホンマに、、、!、、どうやら先客がおった様やでグルさん。」
緊急事態と認識し、トントンと物陰に身を潜める。どうやら噂を信じ大金を狙ったチンピラの男達が剣やシャベルなどを担ぎ墓へ行っているようだった。桜並木の近くにポツンっと小さく置かれた墓石を掘り起こそうとシャベルを持った男が前に出た。
刹那。
その男が膝をつき倒れた。正直言ってとても早い一撃だった。どうやら認識すらできていない様な男達は焦り大声を上げていた。その目の前には、その場に不釣り合いなほど芯の細いボロボロの黒い布を被った男が静かに佇んでいた。
それからは一瞬の出来事だった。
まず大剣を持った男がその大剣を黒布の男に振り落とす。だがその大剣は男を貫く抜くことは無く代わりに月光にキラリと輝くシャベルが大剣の男を貫いていた。あっけに取られていた他の仲間の男達も一瞬のうちに血だらけになり膝をついていた。
「、、、、おい、そこにおるんは誰や。」
ゆっくりと開かれた男の口。顔は黒布も合わさり影になりその男にしては長い髪しかわからなかった。ゆっくりと物陰から身を出す。トントンは静粛剣を構え、私は腰のリボルバーへと手を伸ばす。
夜風が強く頬を掠めた瞬間。男の黒い布が取れ、月光は男の顔を照らした。
その顔には、満月の月すら及ばぬほどに美しく輝く太陽の様な黄色の瞳が2つ、揺れていた。
トントン視点
場所は変わり我々だ軍基地。
ゆっくりベットに座っている男はあの後急に力が抜けたように倒れ込んだ。取り敢えずと医務室に連れてきたのだ。しんぺい神に事情を話したのが十分前。ゆっくりと目を覚ました男が驚き固まったのが5分前。説明を終えて一旦落ち着いたのがついさっきだった。
「一旦説明はこんぐらいでええか。」
「あぁ、所で私が考えていることが分かるか?トン氏。」
「、、、まさか!させんぞ!五歳児!!」
「貴殿。我々の仲間、つまり軍人になる気は無いか?!」
「やっぱりか!!!!」
「あはは、グルッペンなら言うと思った。」
医務室長であるぺ神がベットのカーテンから顔を出す。グルッペンには呆れたが予想はしていたので仕方なく口を開いた。
「はぁ〜、、、まぁ、入るにせよ入らんにせよ。あんたの身元がわからん以上どうにもならん。アンタ名前は?」
「、、、、シャオロン。」
「?、やけにあっさり教えるめぅね?そんなに個人情報晒してええの?」
いつのまにかそばに来ていたオスマンが聞き返す。どこから湧いた、と聞きたいところだがこのシャオロンと名乗る男に思考を戻した。
「いくら調べても俺の情報は出てこうへんぞ。」
「!、どう言うことや?」
「俺は昔死んだことになってるからや。これ以上は話さへん。」
「ふむ、ではもう一つ。貴殿はなぜあの墓を守っていた?とても古く墓と言っていいのかもわからないほどの岩だったが、、、」
「仲間、、、昔の仲間の墓や。いつからか変な噂が立って掘り起こされないように守ってた。」
「あぁ、大金の噂か。なるほどあれは嘘だったのだな。」
「それで、仲間の話やけど、、、」
「ん?なってくれるか!!!!!」
「ならんわ。」
「まぁ、そやろな。ほれグルさん諦めぇ。」
「うっ!一ヶ月!!!一ヶ月はどうだ!!!それからまた考え直してくれないか!!!」
グルッペンの必死の引き留めに観念したシャオロンは一ヶ月だけ体験でこの軍に入ることになった。どうやら押しに弱いようだ。
それから二週間ほどだった頃にはもう、シャオロンは元からいたかのように馴染んでいた。異質であるこの軍にも違和感なく溶け込み、
〝最初″からいたかの様なその存在に少しの疑問が生まれたがそう言う物なのだろうと納得していた。
三人称視点。
「なぁ、ちょっとええか?しんぺい神。」
そう医務室の入り口に立っているシャオロンが真剣な顔つきで話かけてきた。只事ではないと思い立ち話もなんだからと言い診察用の椅子に座らせた。
「急にどうしたの?シャオさん。」
「、、、しんぺい神は、変やと思わん?三週間この軍にいて一回も医務室に来てないこと。」
そう少し目を伏せゆっくりと口を開く。通常の軍ならば体験で来ている者に怪我をさせる様なことは絶対に無いのだろうがここは我々だ軍である。三週間も有れば少なくとも内ゲバの一つや二つ必ず合っている筈だ。相手はあの幹部。怪我をしないなんてまず有り得ないだろう。
「まぁ、そうだね。」
「今から言う事、信じひんでもええ。頭がおかしくなったと思ってくれてもいい。」
「?、どう言うこと?」
「俺、、死なへんねん。いくら傷が出来てもすぐ治る。老いもせん。せやからもう100歳は超えとる。しんぺい神は医者やし、いつかバレると思ったから言った。」
「うん。そうだったんだ。だから内ゲバの時いくら傷を探しても隠して無かったんだ。」
「!、信じてくれるん?!」
「当たり前でしょ?黙ってたってことは言いたく無かったんやろ。なら俺もシャオロンが何か言わない限り皆んなにも言わないよ。」
「、ありがとう。」
「いえいえ。あっ、怪我したら治っても必ず医務室来てね!」
「?、カモフラージュのためか?」
『それもあるけどさ。痛みを感じないわけでは無いでしょ。ちゃんと痛かったら「痛い」って言って。何も出来ないかも知れない。でも、俺は医者だから、助けるよ。』
声が二重に聞こえる。恐らくそれはシャオロンだけだろう。部屋も、服も、違うその記憶でも同じ優しい言葉を思い出していた。
「ぺ神は、変わらへんなぁ。」
小さく呟かれたそれは、ぺ神には聞こえていなかったようだ。でも太陽の様な黄色い瞳に綺麗な透明な雫が溜まっていることはわかった。
「何やシャオさん、そんなとこで何してんねん。」
「!、何や、ロボロかいな。」
幹部棟の4階ベランダでシャオロンは窓の外を見ていた。
「何や、ビビったんか?」
「ビビってへんし!!!!」
「まぁ、それはええわ。何してんねん。」
「ちょっと寝れへんかったから星見てたんや。」
夜間の監視を交代したため、時間はもう深夜になっていた。キラキラと輝く星は時間を忘れさせるのにはちょうどよかった。
「なぁ、ロボロ。俺、お前らの仲間になっても良いんやろか、、、」
「はぁ?そんなん俺に聞くなや。」
「うっさいわ。そんなんやからお前は心無いんや!」
「心あるっちゅうねん!!!」
静かな廊下に2人の声が響く。冷静になりまた静まり返る廊下に綺麗な声が落ちた。
「仲間になってもええか。なんてグルッペンがあんさんを誘った時点でわかりきっとるやろ。何が不安なんかは知らんけどグルッペンをあんま舐めん方がええで、あいつはしつこいからな。」
「確かにな。」
「なりたいんやったらなればええ。なりたく無いんやったらならなければええ。簡単な事や。あいつはしつこいけど、でも本気で嫌がる奴を仲間にする奴ではない。それに、あんさんが仲間になることを拒む奴はこの軍には居らんわ。」
満点の星空の中どの星よりもずっとその言葉が心に残った。あと二日で一ヶ月が終わる頃だった。
シャオロン視点。
目を開ければそこには見たことのない装いの男たち2人がニヤニヤと気持ちの悪い笑みを浮かべこちらを見ていた。
なぜこんな事になったのかと言うと、街を案内すると聞かないエーミールに引っ張られロボロとエーミールと一緒に遊んでいた時だった。あまりに平和なせいで油断していてエーミールを人質に取られてしまった。エーミールに集中ていたせいで後ろから頭を殴られて気絶してしまった。ロボロも同様だった。
「ヘッヘッヘ。天下の我々だ軍もチョロいもんだなw」
「おっと、何かする様ならこいつを殺すぜw。資料には無かったが、まぁ、こいつもどうせ幹部だろw」
そう言うと男は自分の首にナイフを突きつけた。反対側にはもう1人の男が銃をこちらに向けていた。手の縄をこっそりと解こうとする。男たちは気づいていない様で、ゆっくりと立たされる。
「そいつを離せ。お前ら覚悟はできとんやろうな。骨も残さんぞ。」
「あなた方の足りない脳みそでも分かる様に説明するならその方はまだ幹部では有りませんよ。体験でいただけ。その汚い手をシャオロンさんから離せ。」
2人の低い声に男達は少し怯んだが、すぐにいきり立つ様に反論した。
「うるせぇ!!!!こいつの命は俺らが握ってる事忘れるんじゃねぇぞ!!!」
「そうだ!!!!こいつが幹部じゃないんなら殺してお前らから聞けば良い話だ!!!」
「!」
「やめろ!!!!クッソ!!シャオロン、逃げろ!!!」
まだ縄は解けていない。少し力をこめ抵抗するが首のナイフが邪魔で動けない。
「ごめんなぁ。ロボロ、エーミール。」
「やめろ!!!!」
「シャオ、ロンさん。やめっ!」
「死ねぇ!!!」
ナイフを頸動脈を貫き赤い線を作り、銃は腹と胸に赤い穴を開けた。男たちは怒りでついやってしまったのだろう。少し動揺していた。力が抜け、視界が暗くなる。倒れた衝撃も合わさり縄がゆっくりと解けた。
普通ならそれで終わり。
ゆっくりと目を開け、覚悟を決めた。
穴は埋まり、線は跡形もなくなった。膝をつき男の背後に周り、ナイフでしっかりと突き立てた。
「、!な、なんで。ゴフッ、生き、て。」
「シャオ、ロン?」
「ば、化け物!!!!クッソ!なんで死んで無いんだ!おい、おい。起きろって!!!!」
「5歳の頃家の近くで崖から落ちて頭を打ってもうた。一緒におった友達は動かなくなっとった。12のころ俺を産んだ女は俺に包丁を刺した。30のころ姿が20歳ごろから変わっとらん事に気づいた。」
「ひっ!ち、近づくな!!!!」
男の銃はまた火を吹き俺の体にまた穴を開けた。今回は止まることはない。血はすぐに止まった。
「それから、70年たった頃に俺の知っとる奴は全員死んだ。それでも俺の姿は変わらんかった。俺は不老不死のバケモンや。相手が悪かったな。」
未だ銃を撃ち続ける男にゆっくりとナイフを突き刺した止めをさした。ロボロとエーミールの縄を切る。それから何も聞こえないふりをして走って姿を消した。
最初から決めていた。この〝呪い″がバレた時どんな理由があろうと姿がを消すことを。
今から200年も前にこいつらに俺は出会っていた。不老不死を隠すため強くなった俺を気に入り何も知らないまま仲間にしたグルッペン達は最初こそ楽しく、平穏だった。でも俺が不老不死である事を何処からかしった奴らが俺を研究すると言い連れて行かれそうになった。それを止めるために戦ったあいつらは死んでしまった。死ぬ直前。不老不死を知ったグルッペンは言った。
必ず迎えに行く。
その言葉が忘れられなくてずっとずっとあいつらが死んだあの草原で待ち続けた。最後に預かったグルッペンのコートはボロボロのただの布になってしまったし、墓石はただの岩になってしまった。もう、諦めようとしていた。なのにグルッペンはよく目立つ片腕を携えて俺に会いにきた。あいつらに記憶はない、でもあの頃と何も変わっていないあいつらに夢を見てしまった。このまま前のように仲間になってもいいのかも知れない、と。
走る。脇目も振らず走る。あいつらの居ない所へ。優しいあいつらが俺のせいで死ぬことのないほど遠くへ。
気がついた時にはまたあの草原に居た。ひとらんらんが、好きだったサクラの木に寄りかかる。ゆっくりと目を閉じた。
数日。何もなく過ぎて行き、あいつらも、もう探していないのだろうと思った。でも現れた。泣きそうな顔をしたゾムに真剣な顔をしたグルッペン。雑面で表情のわからないロボロ。イライラしたようなコネシマまで連れていた。
やめてくれ。
お願いだから。
決意が揺らいでしまうから。
お前らと一緒に居たいと思ってしまうから。
「やっと見つけたぞ、シャオロン。」
「何、なにしに来たんや!!!早く消えろ!!俺はお前らの仲間でもなんでも無いんやぞ!!俺はバケモンなんや!!!」
「そんなことあらへんもん!!!シャ、シャオロンはバケモンなんかやない!!!死なんくても、歳をとらんでも、シャオロンはバケモンなんかやない!!」
ボロボロと大粒の涙を流すゾムが必死に訴えてくる。
「お前らは知らんから!!!!俺が居るだけで何が起こるかわかっとらんから!!!」
「だから俺らに何にも説明もせんと出て行ったんか。俺らが、何か起ころうと簡単にやられる訳ないやろ。舐めるんやないわ!!!」
怒りに満ちたコネシマが大きく声を張り上げる。
「俺は、俺はもう、お前らが死ぬ所なんか見たないねん!!!!もう、置いて行かれるのは沢山なんや!!!」
「シャロン、お前が死なへんのはしんぺい神に聞いたし、この目で見た。やから、どうしたってあんさんを置いてってまうんやろう。それでも俺はあんさんがおらんのは嫌や。」
風で揺れた雑面の下。ロボロはそのピンク色の綺麗な瞳いっぱいに涙を溜めていた。
「シャオロン。私は一度仲間にすると決めたら最後まで諦めないぞ。何回、何十回、何百回生まれ変わろうとまたお前を絶対に仲間にする。それに、言っただろう。」
『必ず迎えに行く。と』
ゆっくりとグルッペンの手が差し伸べられる。
『必ず迎えに行く。』
涙が自然と流れ落ちる。前のことを思い出した訳じゃない。それでも絶対に揺るがないその赤い瞳は真っ直ぐと俺を見つめていた。炎より赤く、太陽にも負けない赤い、その瞳を見て、決心が固まった。
グルッペンの手を取る。
俺はこいつらと生きる。
何度こいつらが死のうと信じ続けてまち続ける。例え何年かかっても。ずっと、ずっと。
この永遠が終わるその時まで。
おまけ
基地に帰ると残りの人達にめちゃめちゃ抱きつかれたそうです。
ちなみに自分から怪我をした事にしんぺい神さんはガチギレしてました!
最後までご覧頂きありがとうございました!次の小説でお会いしましょう!