新年早々に千景が会いに来た。玄関を開けると、白い息を吐きながら肩で息をした千景が笑顔で立っていた。『走ってきた?』寒いのですぐにドアを閉めて部屋に上げる。
「おじゃましまーす。」
「どーぞ。」
部屋に入り、慣れた様に床に座りこちらを見ている。
「何してたんだ?」
「別に。ゲームしてた。」
千景の近くに座り、テーブルの上の飲み物を手に持つ。暖かい飲み物を淹れたばかりなので、フーフーしながら飲んでいるとまだこちらを見ている。
『見過ぎだろ。』
そう思っていると「猫舌なのか?」と聞かれた。
「違うけど…。」
「さっきからフーフーし過ぎじゃね?」
『余計なお世話だ。』
そう思い、飲みながら視線を無視した。
クスクス笑いながらまだ見ている。
笑われたタイミングで口にグイッと飲み込んでしまい、火傷をした。
「あつっ!」
「大丈夫か?!」
心配しながらもまだ笑っている。
勝手に人を見せ物みたいに楽しんでいる千景をギロっと睨んだ。
「なー。何飲んでんの?コーヒー?」
「コーヒー。飲む?」
「飲む!」
千景が来る前に自分の分のコーヒーを淹れたばかりだったのですぐに千景の分も淹れてあげた。
「甘さどうする?」
「都希と同じで良いよ。」
「わかった。」
出してあげると嬉しそうにすぐに口を付けている。
「甘っっっ!!!」
「ダメだった?」
そう聞くと、めちゃくちゃ首を横に振りながら「いや!大丈夫!!」と、言っていた。元の場所へ座り直し、横目で様子を見ているとチビチビ飲んでいる…。
『明らかにダメなやつじゃん。』
そう思ったが、面白いのでそのまま放っといた。
「挿入るぞ。」
そう言って千景が入って来た。
「んー…はぁはぁ」中にズルズルと入ってくると、入り口の近くがキュンキュンと勝手に動き始めて背中は快感でぞくぞくする。
「はぁ、気持ち良い…。」僕を味わう様に穴に千景の形が馴染むとゆっくり動き始める。
「新年初めてのセックスは姫初めって言うんだぞ。」
「姫初め…。あっ、知らなかった…。んー!」
そんなエッチな雑学ばっかり覚えて、千景はちゃんと仕事が出来ているのだろうか。
「今年は何回都希の中で出したか数えてみるよ。」
「勝手にして…はぁ、あっ、大きくしないでぇ…。」
「都希の中は美味しいなぁ。」
「千景、おじさんくさい。んっ。」
「何とでも言ってくれ!」
「あぁぁぁ!!」
挿入ってくるのとまた違う、引き抜く快感に腰が浮いてしまう。
「都希のコーヒー甘かったから、一緒に気持ち良い運動しような。しっかり声出せよ。」
そう言ってゲームで言うところのハードモードに突入した。
ベッドの中、もう眠くなってウトウトしていると、僕を背中から抱きしめながら千景が話しかけて来た。
「なぁ、どこか行かね?」
「どこに?」
「うーん…。どうしよ。」
「僕、どこが良いとかわかんない。」
結局話しが決まらず、まだ付いているテレビの方を何気なく観ていると、放送する番組も終わり、ゆったりとした映像がクラッシック音楽と共に流れ始めた。夜景や風景に切り替わる。
もう眠い。そう思っていると海の中の映像に変わる。
「僕、雨上がりとか、水がキラキラしたのってなんか好き…。」
思った事を口にした。
千景が何故か背中で笑っている。
するとすぐに話しかけてきた。
「水族館とかどう?あんま行った事無いけど。」
「僕も小さい時行ったくらい。」
「じゃあ、行こ。」
「うん。」
行く場所が決まると、すでにくっついてる千景がまたやりたそうにしていた。
「もう一回良い?」最近では律儀に僕に聞いてくる様になった。僕は仕事以外では相手の気持ちには無頓着な事があるから、素直に思っている事を伝えてもらえると助かる。
「ん。」
性欲は人並み以上にはあると思う。一回より二回した方がよく眠れる。だからこそ何人とも関係を持っている。求められれば応えようという気持ちは持ち合わせている。眠いのに千景とまだ繋がりたい気持ちになり、まどろみの中、優しく抱かれながら眠った。
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