保鳴好き集まれ

｢はーｯ…はーｯ…｣

｢ぁ、えぁ…はっ、ぁ…？｣

全身をビクビクと震わせながらも、なんとか息を整えようとしている鳴海。

こちらもそれなりに体力を使った為、息が上がっているのが分かる。

｢ほしな、おまえ…｣

｢はい…？｣

ふと鳴海に呼ばれた。蒸気した頬を隠すように背けながら、小さな声で問うてくる。

｢おまえ、ほんとにボクのこと、すきなのか｣

｢え｣

あれ？さっきからめっちゃ好きって言うてたよな僕。

｢…伝わってませんでしたか｣

｢っ！｣

｢僕がどれだけ鳴海さんのこと好きか、まだ分からんのですか？｣

｢や、その…｣

｢おまえがセフレみたいな関係求めてるなら、それでも構わんってことだが｣

｢は？｣

いきなり何を言い出すかと思えば。

｢…あんたどこまでアホなんですか？｣

つい、本音がポロリと出てしまった。

｢はｯ？はァ！？｣

もちろん相手はキレて来たわけだが。

｢気ぃない男に好き好き言うような酔狂なリップサービス精神持ち合わせとらんのですけど｣

｢ぅ、え、////｣

どうにか伝えたくて、伝わってほしくて、いつもの飄々とした態度は取っ払ってどストレートに伝える。

｢…好きです、鳴海さん｣

｢っ////｣

｢ほんまに好きなんです｣

｢うぁ…////｣

｢大好き｣

｢ｯｯ分かった！もういい！！////｣

顔を真っ赤にしながらこちらを睨んでくるその様子が、まるで毛を逆立てて威嚇する猫のようで。

もう一度、

｢…すき｣

と伝えてやる。

｢…伝わったと言っとるだろ…////｣

｢ふふ、ほんなら良かった｣

多分僕、今緩んだ顔しとるんやろうなぁ…。と1人思っていたら。

｢……だ｣

小さな小さな声で鳴海が何か呟くのが聞こえた気がした。

｢ん？すみません、なんて？｣

聞き返すと、グイッと腕を引っ張られる。

｢んわっ｣

そのまま、内緒話をするときのように耳に鳴海の顔が寄せられる。

｢ボクもすきだ、ほしな｣

…意地っ張りで強情で、上から目線で。いつも何かと理由を付けて突っかかって来て。自分の本心なんてさらけ出さないこの人が。

今、自分に。好きだと。

｢─ｯ！！////｣

あかん、顔熱い。絶対赤くなっとる…！////

｢なる、みさ、｣

｢っあー！！慣れないこと言うもんじゃなかった！！忘れろオカッパ！！////｣

照れ隠しなのか、大きな声でそう言う鳴海。

｢嫌です｣

忘れてなんてやらない。最高に幸せなこの瞬間を、忘れてなるものか。

｢鳴海さん｣

｢…なんだ｣

｢好きです｣

｢しっ、てる、////｣

｢ふふ笑｣

｢…僕と、付き合うてくれませんか？｣

｢…フン、おまえがどうしてもと言うなら｣

｢付き合って、やらん、こともない…////｣

最初こそふんぞり返っていたのに、途中から徐々に照れてしまったのか声が小さくなっていって。

あぁ、たまらなく愛おしい。そんな想いが溢れてくる。

｢はい、どうしてもです笑｣

締まりのないゆるゆるな顔でそう伝えると、寝転がったままの鳴海に覆いかぶさり、優しくキスをした。

｢ほなこれからは、恋人として｣

｢よろしゅう頼みますね、鳴海さん｣

｢…ん、////｣