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と言っても、家族だけのちっちゃなパーティー。
アンナが生まれてから毎年続いている。
私の両親もお呼ばれしてるから、きっとたくさん和菓子を持ってくるんだろう。
「穂乃果。これ、つけてみて」
悠人が、可愛いリボンがついた小さな箱を渡してくれた。開けるとネックレスが入っていた。
「すごく可愛い。どうしたの?」
そういうと、黙ってそれを取り出して、私の後ろに回った。
「髪、ちょっと上げてくれる?」
「あっ、うん……」
悠人が、ネックレスをつけてくれた。
後ろにいる悠人からは優しい香水の香りがした。男の魅力を感じさせるこの香り……私はこれに弱い。
「はい。これでいい」
「……ありがとう」
「とても似合ってる。昨日、帰りに店に寄って選んだ」
「嬉しい……本当にありがとう」
今日は、記念日じゃない。
悠人は、たまにこうしてプレゼントしてくれる。さりげなく、本当にさりげなく自然に私に渡してくれる。
もちろん、プレゼント以外にも、普段から「素敵な言葉」をもらっている。
私は、ものすごく甘やかされてるかも知れない。
悠人が前に言ってくれた。
『穂乃果には、どんなに言葉をかけても、どんな贈り物をしても……全然気持ちを伝えきれてない気がするんだ。普段、なかなか側にいてやれないから』
私には、どれだけ短い時間であっても、悠人がただ側にいてくれるだけで満足なのに。
ここまで想ってくれるのはどうしてかな……って、不思議に思うことがある。
思わずそれを口にした時、悠人は、
『前にも言ったことがあるけど、それは理屈じゃないんだ。俺がそうしたいからそうする。ただ、それだけ。もちろん、うしろめたいことがあるからしているわけじゃない。穂乃果に出会ったあの日から、俺は……毎日毎日、穂乃果に恋をしている。どんどん好きになるし、他の誰にも渡したくないし、この想いはどんどん募っていくんだ』
私には、もったいないくらいの言葉。
悠人の優しさと愛が詰まった甘い甘いささやき。
ずっとずっと一緒にいるのに、まだこんなにも愛してもらって……
私は、本当に幸せ者だと思ってる。この今の幸せが、この先もずっとずっと続いてほしいと願い続けたい。
私達は支度を済ませ、悠人の実家に向かった。
タクシーに乗り込み、アンナは悠人に編み込みをしてもらってる。悠人にしてもらうヘアアレンジが大好きで、ニコニコしながらじっとしている。
出来上がった髪を小さな鏡で見て、すごく喜んでる姿はとても愛らしい。
実家に着くと、私の両親はもう来ていて、悠人の両親と仲良く談笑していた。
みんな揃って、恒例の写真撮影から始まり、ケーキのロウソクを吹き消して、ハッピーバースデーを歌った。
美味しい食事とお酒もたくさん用意されてて、楽しい会話で数時間盛り上がった。
ここにはみんなの笑顔が溢れてる。
私は、この時間が大好きだ。
お互いの両親も元気でいてくれて、アンナも良い子に育ってくれて。
いつまでも、ずっと、みんな仲良しの家族でいたい。最高に大切な人達に囲まれ、また明日から精一杯人生を生きていこうと思える。
悠人……
私、どんなに年を重ねても、悠人のことを心から愛してる。その気持ちは、何があっても変わらない。
だからこのまま、絶対に私を離さないでね。
私は、永遠にあなたの側にいたいから。
大好きな悠人、そして、可愛いアンナとのこれからの3人の人生が、希望に満ち溢れ、ずっとずっとキラキラ輝きますように――